日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】ハピラインふくい•快速22M(福井/敦賀)


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便名 : ハピラインふくい•22M(快速列車)
日付 : 2024/04/xx
区間 : 福井(05:49)→敦賀(06:28)
所要時間 : 00:39
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 1,140円(交通系ICカード決済)
運行 : ハピラインふくい

前日夜に首都圏から福井に到着し、駅前に開業したばかりの「コートヤード•バイ•マリオット福井」に宿泊。翌日は少し遅めのスタートだったので、乗りつぶしがてら米原まで往復することに。

(宿泊先についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

これまであまり高層ビルの建っていなかった福井駅前だが、新幹線開業のタイミングでホテルが開業し、タワーマンションが建ちとなかなかの建設ラッシュ。とはいえまだ駅前の建物は総じて背が低く、空がひらけていて開放感がある。

ハピラインふくい 福井駅前

福井駅前/ 新しいビルが続々建設中

福井県内の在来線は今回の北陸新幹線敦賀延伸に伴い、JRから分離されて第3セクターの「ハピラインふくい」となった。結果、福井県から新潟県にかけて各県のJRがそれぞれ第3セクター化された訳で、ここ10年ほどの間に路線図が大きく様変わりしている。

(ハピラインふくい公式サイトはこちら)

www.hapi-line.co.jp

ハピラインふくい 福井駅の駅舎外観

福井駅/ 北陸3県の第三セクターの中ではポップな色使い

福井駅はまだ移管から間もないこともあり、駅構内も過渡期といった感じ。切符売り場に並ぶ自動券売機の一部はまだJR西日本のものがはまっていて、撤去を待っている模様。

ハピラインふくい 福井駅の撤去準備中自動券売機

福井駅/ 一部の自動券売機は撤去準備中

改札を抜けてホームに向かう途中には、福井県らしく恐竜関連のディスプレイがされている。この白衣を着た恐竜は以前敦賀駅でも遭遇したことがあるような。

(当時の記録がこちら)

biketourist.hatenablog.com

ハピラインふくい 福井駅構内の恐竜展示

福井駅/ 県内ではよく見かける恐竜像

さて、今回乗車するのはこの日福井駅2番目の出発となる、快速の敦賀行き。「サンダーバード」を代替するために設定されたもので、特急で所要時間が31分だった福井-敦賀間を39分で走破するなかなかの俊足列車。朝夕合わせて日に4.5往復(下りは5本)が運行されている。

新幹線が開業したのだから新幹線でいいじゃないか、とお思いの方もおられると思うが、新幹線は環境省の「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」なる基準によって運行時間が午前6時から午後12時までの間に制限されている。新幹線の始発を待てば従来よりも大阪•名古屋への到達時間が遅くなってしまう福井の利便性を維持するため、今回の列車が設定されたという理解。

ハピラインふくい 福井駅の電光掲示板

福井駅/ 新幹線の始発は06:36発

ホームに上がると、乗車する列車の向かい側には逆方向の始発列車が停車中。この列車は金沢行きで、石川県の第3セクターIRいしかわ鉄道の車両が使用されている模様。同社の車両は北は富山駅まで乗り入れるようなので、3社の中では最も行動範囲が広い。

ハピラインふくい 福井駅停車中のIRいしかわ鉄道の車両

福井駅/ 始発列車は他社の車両

金沢行きは4両編成だったが、乗車する列車は2両編成。まだハピラインふくいとしての開業から日が浅いこともあり、列車外観はJR西日本時代のままになっている。

余談だが、どうやら第3セクター移行に伴って一部の列車の編成を短縮したところ、乗り切れない事態が起こったようで、臨時列車の増発や増結が生じているのだとか。確かに今回何度か乗車した際にはどの列車も結構な混雑をしていた。

ハピラインふくい 福井駅停車中の車両

福井駅/ 塗り分けはJR時代のまま

乗車した時点ではまだちらほら空席があったが、出発直前にはほぼ全ての座席が埋まった。こんな早朝にどれだけの需要があるやらと思ったが、思いの外混雑している。座席は関西圏の新快速とほぼ同じ。

ハピラインふくい 福井駅停車中の車内

列車車内/ この後続々乗車があり、満席になった

サンダーバード」と所要時間に大差が生じないようにするには、福井駅を出発するなりある程度全力で走る必要がある訳で、実際、福井駅を出発してからいつまで経っても加速が止まらない。

以前越美北線からの乗換えで利用した越前花堂駅に近づく頃には窓を流れる風景が過ぎ去っていくのがずいぶん速いように見え、携帯電話の速度計測アプリを見てみると115km/hを示していた。この列車、特急列車顔負けの速度で走っている。

(越前花堂駅についてはこちら)

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ハピラインふくい 福井駅から鯖江駅

福井駅から鯖江駅/ そろそろ田植えという時期

最初の停車駅、鯖江はメガネのフレーム生産が国内トップシェア。というよりも、日本国内のメガネ生産量のうち、約96%が鯖江で製造されているらしい。また、世界シェアで見ても約20%を占めていて、イタリア、中国と並ぶ三大産地なんだとか。

それもあって、列車から見える公共施設と思しき建物の壁面には、視力検査でお馴染みの「ランドルト環」と、「さばえ」の文字が並んでいた。視力検査、上下左右はあったと思うが、左斜め上とか右斜め下のような微妙な角度はなかったような。

ハピラインふくい 鯖江駅付近

鯖江駅付近/ 鯖江はメガネフレームの一大産地

南条駅付近の少しカーブの多いエリアを抜けると、列車は全長13,000mを超える北陸トンネルに突入。東海道本線丹那トンネルはいつしか若干電波が入るようになったが、こちらは引き続き携帯は圏外のまま。10年ほど前は都心の地下鉄でも走行中は電波が入らなかったわけで、それと比べれば全国的にだいぶ便利になった。

トンネルを抜けると交流/直流の切替地点を通過したのち、随分背の高い高架橋が近づいてきて、この列車の終点、敦賀(つるが)駅に到着。そういえば、新幹線の高架下あたりには特急列車折返し用の引上線が新設されていた。

ハピラインふくい 敦賀駅付近

敦賀駅付近/ 新幹線の高架橋はかなりの高さ

定刻通り06:28に列車が敦賀駅に到着すると、向かいのホームにはJR北陸本線の臨時快速が出発を待っている。この2つの列車を乗継ぐと米原駅には07:08に到着し、10分の待ち合わせで東京行きひかり636号に乗換えることができる。ちなみにこの列車から名古屋でのぞみ号に乗換えると、東京に着くのは09:24。

なお、新規開業した北陸新幹線で東京に向かうと、始発のかがやき号が敦賀を06:11、福井を06:32発、東京に到着するのが09:32なので、東京方面へ若干でも早く到着することを考えれば東海道新幹線ルートの方が速い。ただ、乗換えがないことを考えれば、北陸新幹線に優位性があるかもしれない。もしくは、小松空港からの始発便が07:40発で羽田空港に到着するのが08:50なので、これも同じくらいの到着になるだろうか。朝方の飛行機は羽田空港のフローコントロール*1による遅延によくひっかかるので、時間が読めないのが少し難点ではあるが。

(フローコントロールによる遅延についてはこちら)

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一方、下りも07:18発の新大阪行きこだまへ乗継ぎが可能で、この列車に乗ると新大阪の到着が07:51。かつての始発「サンダーバード」よりも約30分ほど早く新大阪駅に到達することができる。

尤も、以前は始発「しらさぎ」から「こだま」へ乗継ぐことで同じ所要時間で到達できていたので、新幹線の開業によって「しらさぎ」が快速列車に置き換わったようなかたち。敦賀駅で特急列車が分断されたことによって全体としては不便になった代わりに、早朝だけは在来線区間の特急料金が不要になり安くなった、とも言えるだろうか。

ハピラインふくい 敦賀駅の電光掲示板

敦賀駅/ 乗換時間は3分だが、対面乗換え

とりあえずこの日はホームの向かい側に停まっている臨時快速列車に乗換え、米原駅を目指す。乗換時間が3分しかないから、階段を介しての乗換えは面倒だと思っていたが、何のことはなし、対面乗換えでひと安心。

というお話。

*1:着陸側空港の混雑により、離陸時間を指定する仕組み。