日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】とき311号(東京/新潟)


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便名 : とき311号
日付 : 2024/03/xx
区間 : 東京(09:12)→新潟(10:41)
所要時間 : 01:29
乗車クラス : グランクラス(特典アップグレード)
運賃 : 10,560円(事前クレジットカード決済)
運行 : JR東日本

2024年1月に就航したばかりのトキエアに乗って新潟空港から札幌丘珠空港へ向かう旅程。首都圏から新潟空港までは陸路移動で、新潟まで新幹線に乗っていくことにしたのだが、せっかくなので上越新幹線下り最速、ほぼノンストップのとき311号に乗って現地へ向かう。この列車は庄内空港の飛行機へ対抗するため、最速で移動できるように設定されている。

乗車したのは北陸新幹線が延伸開業した直後で、東京駅でも「敦賀」の文字が見られるようになった。見慣れないせいか、まだどこか違和感がある。ちなみに時間帯にもよるが、北陸新幹線廻りよりも東海道新幹線経由の方が速いことも。

JR東京駅 20番線 電光掲示板

JR東京駅/ 新たに加わった「敦賀」の文字

2面4線しかない東京駅の東北•上越新幹線ホームはかなり過密。東京から東北、上越各方面へ新幹線の分岐する大宮までの間は最大1時間に15本(4分おき)運転で、1線あたり16分に1本のペースで休みなく列車が行き交っている。

とき311号の前は08:56発のやまびこ•つばさが停車中。出発まで少し時間があり、自由席の様子を見に行くと、前便のドアが開く08:50過ぎの時点ではまだとき号の自由席の列はそれほど伸びていなかった。最終的に上位クラスを含む全ての指定席が満席になった日でこの状況だったから、出発20分前に列に並んでおけば席に溢れるということはなさそう。

JR東京駅 23番線 電光掲示板

JR東京駅/ 次発とき313号と比べると圧倒的な停車駅の少なさ

北陸新幹線の延伸開業とともに、この2024年3月のダイヤ改正では山形新幹線の新型車両、E8系が登場。隣の22番線から出発するつばさ131号はちょうどそのE8系充当列車のようで、電光掲示板にも新型車両を宣伝する案内が表示されていた。

JR東京駅 23番線 電光掲示板

JR東京駅/ 新型車両の案内が流れていた

この日は予約しようとした段階で普通車指定席とグリーン車はすでに埋まっていて、選択肢は自由席かグランクラスという極端な2択。自由席がどれほど混んでいるかも分からず、少し勿体無いと思いながらJREポイントを使ってグランクラスを手配。6,000ポイントなら妥協の範囲。

E7系グランクラスは登場直後に1度利用したことがあり、今回が2度目。遡るとそれが2015年のことのようなので、もう9年も前ということになるらしい。

(当時の記録はこちら)

biketourist.hatenablog.com

シートピッチは1,300mmだそうでグリーン車よりも15cmほど広いようだが、座席がバックシェル型になっているから足元は少し圧迫感がある。「サフィール踊り子」ともども、JR東日本は上位クラスの座席にバックシェルの座席を設置するのが好きと見える。ちなみにこの座席を製造しているのはトヨタ紡織なんだとか。

(「サフィール踊り子」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

(座席についてはこちら)

www.toyota-boshoku.com

とき311号 E7系グランクラスの座席

とき311号/ 鉄道座席も製造しているトヨタ紡織

座席は電動リクライニング式で、それなりにリクライニング幅は確保されている。なお、「呼出し」ボタンが設置されているものの、乗車した「とき311号」はアテンダントの乗務していない列車だったから、押したところで誰かやってくるかは不明。

とき311号 E7系グランクラスの座席

とき311号/ リクライニングは電動式

荷物棚は飛行機のように蓋のついているタイプ。奥行きはそれほどでもないから、普通車で置けるサイズのスーツケースでもグランクラスでは置けない、ということがありそう。

とき311号 E7系グランクラスの座席

とき311号/ 荷物棚は蓋つきのタイプ

東京駅を出発すると上野駅は通過し、次の停車駅は大宮駅。かつては東京駅を出ると次は終点の新潟駅、という時代もあったようだが、現在は各方面の最速達便であっても大宮駅は停車するようになっている。

荒川を渡ってしばらくすると、武蔵浦和駅の手前あたりで進行方向左手に一瞬千葉ロッテマリーンズの2軍球場が見える。多くの選手が練習しているようだが、2月いっぱいでキャンプが終わり、開幕に向けて準備している頃だろうか。

上越新幹線からの車窓(ロッテ浦和球場)

武蔵浦和付近/ 2軍球場は線路脇

指定席は全席完売ということで、大宮駅で全ての座席が埋まって出発。グリーン車ならまだしも、グランクラスがここまで混雑するとは思わなかった、というのが本心。この列車は途中各駅には一切停車しないので、他の列車にましてより一層乗り間違いに注意するようなアナウンスが何度も入っていた。

とき311号 E7系グランクラスの車内

とき311号/ 大宮を出発早々「次は新潟」の表示

大宮駅を出ると早々に最高速度の275km/hに到達。2023年3月のダイヤ改正までは上越新幹線の最高速度は240km/hだったが、防音壁を嵩上げするとか、高性能の架線に張り替えるといった工事が完了したことで、35km/hの速度向上が可能になったらしい。この恩恵を最も受けているのがこの列車で、所要時間が一気に7分も短縮している。

とき311号 並走する関越自動車道

本庄児玉付近/ 関越自動車道とはしばしば並走する

出発から40分ちょっとで群馬県高崎市まで到達。通常東京駅から高崎駅までは50分程度だから、いかに速いかが分かる。進行方向左手遠方に高崎観音が見えてくると、列車は高崎駅を通過した。ちなみにこの観音像、建立当時は世界最大だったんだとか。

とき311号 高崎観音と高崎市街地

高崎付近/ 山の上に大きな観音像がある

高崎駅から少し走ったところで北陸新幹線と分岐。上越新幹線方面に直進する場合はあまり関係ないが、この分岐地点に設置されている分岐器は分岐側(北陸新幹線側)も160km/hで通過できる、38番分岐器*1なるもの。

とき311号 北陸新幹線との分岐点

高崎市郊外/ 北陸新幹線はここから山登り区間

高崎駅から北へ進むとしばらくはトンネルの連続する区間に入り、携帯電話の電波も入ったり入らなかったりという状況になる。このトンネル内には一部急カーブ区間があり、だいぶ減速しているのは真っ暗ながらも分かった。

この辺りで少し眠くなりうとうとしてしまい、次に目が覚めると列車は越後湯沢駅を通過したところ。窓の外は雪が積もっていて、まさに「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」といった状況。地肌が見えているので、ものすごく積もっているという感じではなかったが。

とき311号 越後湯沢駅付近

越後湯沢付近/ 3月となるとそれほど雪深いという感じではない

雪の積もっていたのは越後湯沢の近辺だけで、長岡駅の手前で越後平野に出ると一切雪は見られなくなった。列車はほぼトップスピードで走り続けているようで、余裕時分はほとんどないように見える。

とき311号 長岡駅付近

長岡駅付近/ 貨物駅を過ぎると間も無く長岡駅

大宮駅を出てまだ50分ほどしか経っていないが、長岡駅を通過するタイミングが新潟駅到着の約15分前で、この辺りで新潟駅での乗換えに関する案内が始まった。自由席はかなり混雑している旨の放送が入っていたから、結果的にグランクラスで正解だったかもしれない。

とき311号 燕三条駅から新潟駅間

長岡市郊外/ 見渡す限り平坦

長岡から新潟にかけては見渡す限り田畑が広がっていた。これが全て水田だとすると、初夏から秋にかけてはかなり壮観かもしれない。それにしても全く勾配がなく、ただただ平坦。

とき311号 燕三条駅から新潟駅間

燕三条駅付近/ この辺りは全て田んぼだろうか

列車は定刻通り、10:41に新潟駅に到着。羽越本線の特急「いなほ」号にスムーズに乗り継げるよう、在来線に対面乗換えのできる11番線に到着した。ここは線路の両側にホームが設置されていて、到着すると両側の扉が開くようになっている。

ホームから改札口に向けて乗客の長蛇の列ができていたが、この日は新潟で何かイベントかなんかあったんだろうか。そういえば、この後訪れた新潟空港から街に向かうバスの乗り場にも長蛇の列が形成されていた。

上越新幹線新潟駅の駅名標

新潟駅/ 定刻通りに到着

乗ってきた列車は到着後約40分で東京行きのとき318号として折返す模様。それにしても、近頃首都圏の多くの駅でホームドアか柵が設置されているから、全く障害物のないホームというのはかえって違和感がある。数年前まではこれが普通だったはずなのだが。

上越新幹線 とき311号の車両

新潟駅/ 到着後40分ほどで折り返し

ちなみに今回の2024年3月ダイヤ改正から、上越新幹線では最終列車の繰上げが実施されており、東京駅発新潟行きの最終列車は20分繰上げられている。途中駅行きの新幹線も同様に繰上げが実施されていて、従来は東京駅23:00発だった高崎行きの最終「たにがわ」も22:40発に変更されている。

ただ、この繰上げによって新潟駅からの最終在来線に乗り継げるようになり、新潟駅周辺の在来線駅へはかえって最終列車が繰り下がるような形になったんだとか。

上越新幹線 終電繰り上げの案内ポスター

新潟駅/ 新潟駅周辺の在来線駅はかえって便利になったらしい

新潟駅の電光掲示板は直近の発車番線の表示がある少し特殊なタイプ。「2桁の列車番号のとき号は全車指定席」の記載があるが、これは前からそうだったんだろうか。

上越新幹線 新潟駅の電光掲示板

新潟駅/ 日中は概ね1時間に1本の運行

ともあれ新潟駅に到着し、駅近くで昼食を摂ったあとは空港連絡バスに乗って新潟空港へ移動することに。主に丘珠空港の天候が原因とはいえ、まだ就航率が高いとは言えないトキエアだが、とりあえずこの時点では「欠航」の案内が出ておらず一安心。

(「トキエア」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

グランクラスに有料で乗るのはコストパフォーマンスが悪いが、今回のようなアップグレードであればなくもないかな、という感じ。それにしてもあまりに所要時間が短かったから、満喫する前に着いてしまった。流石にノンストップの列車は速い。

というお話。

*1:1m離れるまでに38mを要するという意味。