日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】谷川岳もぐら号(大宮/越後湯沢)


■Sponsored Link

便名 : 谷川岳もぐら
日付 : 2023/11/xx
区間 : 大宮(07:48)→越後湯沢(11:03)
所要時間 : 03:15
乗車クラス : 普通車指定席(全車指定)
運賃 : 5,570円(クレジット決済)
運行 : JR東日本

午後から都内で用事があった一方で、午前中は特に用事がなかった。前日夜に何をするか迷った結果、大宮駅から出る臨時列車を見つけ、これを「えきねっと」で検索してみた。すると、幸いにも窓側に空席を見つけることができたので、越後湯沢まで乗っていって、駅構内にある「ぽんしゅ館」を訪れることに。

そんな訳でこの日は7時過ぎに大宮駅に到着。駅構内にある「エキュート」で朝食を摂ったのち、一旦改札を出て乗車券を購入して改札内へ戻ってきた。それにしても、長距離列車の減った現代の首都圏の在来線の駅で「越後湯沢」の文字を見るのはどこか違和感がある。

JR大宮駅 7番線の電光掲示板

JR大宮駅/ 首都圏で見る「越後湯沢」の文字は新鮮

07:30頃ホームに降りると、列車はすでに停車中。この列車に使用されるのはそう遠くないうちの引退が見込まれる185系電車。一度は後継車両への交代がされたのだが、観光需要が回復して以降、臨時列車用車両が不足しているようで、2023年秋の臨時列車では再び出番が復活して今日に至っている。

先頭車両まで歩いていった頃、隣のホームには「踊り子」号後継車両のE257系がやってきた。E257系も最初期の車両は2000年代初頭の登場ゆえ車齢は20年を超えているはずだが、こうして40年選手の185系車両と横並びになると新しいように見えるから不思議。

JR大宮駅 谷川岳もぐら号 185系

JR大宮駅/ 新旧車両が揃い踏み

こちらの列車は「ホリデー快速」上がりの臨時列車とは異なり各シーズンに数日走るのみということもあって、方向幕に専用のものは用意されておらず、「臨時特急」のみとさっぱりしている。

JR大宮駅 谷川岳もぐら号 185系

JR大宮駅/ 方向幕は「臨時特急」表示

列車は全席普通席かつ指定席。座席のクッションは比較的厚めで、3時間程度であれば座り続けてもさして疲労感がないくらいには良くできた座席。ただ、かつてのムーンライトながら号のように、この座席で東京から大垣までというのはちょっとしんどかったかもしれない。尤も、利用者目線では列車が消滅してしまうくらいなら、どんな座席でもあったほうが良かっただろうか。

谷川岳もぐら号 185系の車内

谷川岳もぐら号車内/ 座席は柔らかめ

この車両は戸袋窓以外の側面窓が開けられるというのも特徴のひとつ。ここ最近の車両は窓がフリーストップだから、開く幅を自由に決められない窓を知らない、という世代も今や多いかもしれない。

谷川岳もぐら号 185系の車内

谷川岳もぐら号車内/ 窓が開く特急列車は珍しい

大宮を出ると停車駅はかなり少なく、熊谷、高崎、湯檜曽、土合、終点越後湯沢のみの停車。どうやら全区間通じてサービス精神旺盛な車掌さんが担当していたようで、放送のたびに4種類ほど搭載されているらしい車内チャイムを変わる変わる鳴らしていた。

列車は大宮を出発すると、熊谷に停車するくらいまでは臨時列車らしい徐行運転が続いたが、熊谷を出て群馬県に入るくらいから突如として速度を上げて走り始めた。ただ、特に遅延しているということでもなく平常運転だったようで、しばらくすると定刻通りに高崎駅に到着。

なお、日によるものの、高崎駅到着直前の進行方向右手側に出発準備をしているSL列車の姿が見られることも。せっかくなら少し気にしてみておくというのも良いかもしれない。一方、進行方向左手には高崎駅から下仁田駅へ向かう上信電鉄の車両が停まっているはず。

谷川岳もぐら号 高崎駅付近(上信電鉄)

高崎駅/ 高崎駅下仁田駅を結ぶ上信電鉄の車両が停まっている

高崎駅ではそれほど乗降はなく、ごく短い停車時間で出発。多くの列車が停車する新前橋、渋川、水上を通過して次の停車駅、湯檜曽(ゆびそ)駅を目指す。あまり細々停まってしまうと本来のターゲットに刺さらないという事情はありつつも、中々変わった停車駅パターン。

谷川岳もぐら号 渋川駅付近

渋川駅付近/ この辺りから徐々に山間部へ

車窓に山が増えてくると間もなく水上駅へ到着。この列車は単なる運転停車でドアが開かないものの、乗務員交代のために数分間停車。どうやらこのとき沿線で何かしらのトラブルがあったようで、予定よりも数分長く停車していた。

前述のSL列車のうち、週末を中心に運行されている「SLみなかみ」号は同駅までの運行で、駅の外れにある転車台で方向を変えて高崎駅へと帰っていく運用となっている。それもあって、駅構内の自動販売機はSL模様。

谷川岳もぐら号 水上駅

水上駅/ SL仕様の自動販売

水上駅を出ると列車はトンネルの続く山岳地帯へと進んでいく。この辺りでは上り線と下り線で全く違うルートをとっていて、上りはループ線、下りは長大トンネルで山越えをする。それもあって、上りは「谷川岳ループ号」、下りは「谷川岳もぐら号」の名前が冠されている。

さて、水上駅の次駅、湯檜曽(ゆびそ)駅は全長13,490mの新清水トンネルの入口近くにある。同駅の下り線は改札口まで歩行用トンネルで結ばれているのが特徴。同駅では5分程度の停車時間があり、数人が改札口へ消えていった。

谷川岳もぐら号 湯檜曽駅

湯檜曽駅/ 同駅は階段なしで外まで出られる

列車は湯檜曽駅を出ると、続けて土合駅に停車。列車名の「もぐら」とはこの駅のことで、地中深くにある同駅は地上まで400段を超える階段で接続している。この列車は遅延がなければ30分超の停車時間が確保されているから、少し急げば地上まで往復することができる。

谷川岳もぐら号 土合駅

土合駅/ 同駅では約30分間停車

駅ホームは本線上に1面。かつてはホームに面していない本線とホームのある副本線という構成だったようだが、2000年代後半に現在のような配線に変更されたのだとか。

谷川岳もぐら号 土合駅

土合駅/ 2008年頃にホームが本線上に移設された

改札口まで往復して戻ってくると意外と出発時間が迫っていた。私より後に戻ってくる乗客もいたが、全員を回収し、30分超の停車時間を経て出発。全長13,490mのトンネルはまだ中ほどといった感じで、列車はしばらくトンネルの中を走っていく。ひたすら闇の中を走っていくから、さながら夜行列車のような雰囲気。

谷川岳もぐら号の車内 185系

谷川岳もぐら号車内/ トンネル内は夜行列車のような雰囲気

11月ではトンネルを出たからといって雪国ということはなく、紅葉も終わりかけの越後湯沢の街が近づいてきた。どうやらダイヤには大分余裕があるようで、この辺りからはかなりの徐行運転。進行方向右手に並ぶ旧型客車がスキーの休憩所として活用されている越後中里駅を通過する際には自転車の方が速いと思えるほどだった。

谷川岳もぐら号 越後湯沢付近

越後湯沢付近/ 木々は徐々に色づき始めていた

沿線の田んぼは稲刈りも終わったようで、かなりさっぱりとしている。この辺りで最後の車内放送が入り、一度の放送の後に4つのチャイムがまとめて流れるという大盤振る舞いが終わるといよいよ列車は終着の越後湯沢駅に到着。

谷川岳もぐら号の車内 越後湯沢付近

越後湯沢付近/ かなりゆっくりとした速度で走っていた

ちなみに越後湯沢から東京までは199.2kmだそうで、新宿駅から中央線の岡谷駅まで(200.1km)とほぼ同距離。そう考えるとそれほど遠いような気もしないのだが、普段在来線でここまで来ることが殆どないからか、やけに遠くまで来たような感覚を覚える。

谷川岳もぐら号 越後湯沢駅 185系

越後湯沢駅/ 一旦どこかへ回送されるらしい

列車は到着するとしばらく停車した後、一旦整備のためにホームを離れ、しばらくして戻ってくるような流れになっている模様。せっかくなので隣のホームへ移動して写真を一枚。後継車両も同じように塗り分ければいいのにと思うくらいに、この塗装は車両に似合っている。

谷川岳もぐら号 越後湯沢駅 185系

越後湯沢駅/ 引退間近の車両に見えないくらい綺麗な外観

そういえば、越後湯沢駅のコンコースに設置されている電光掲示板には、14:45発の上越妙高行き「L特急とき」の表示が掲示されていた。どういうことなのかと思ったが、どうやらこれは臨時列車の「越乃shu*kura」のことらしい。

越後湯沢駅の電光掲示板

越後湯沢駅/ ちょっとした遊び心のある表示がされていた

せっかく越後湯沢駅までやってきた訳だが、同駅での滞在に確保できる時間は1時間ほどしかなく、15時過ぎには東京都心に戻っている必要があった。急いで改札を抜け、駅に併設されている「ぽんしゅ館」を目指した。ここでは試飲用のコインを購入することで、新潟県内に所在する酒蔵のお酒を試飲することができる。

(「ぽんしゅ館」についてはこちら)

www.ponshukan.com

もう少し時間があればあと何種類か試飲をしてみたかったところだが、あいにく時間がなく後ろ髪を引かれながら出発。上越新幹線はいつ乗ってもえらく混んでいる印象があるが、この日も殆ど満席で3列席の通路側に座って東京まで帰ってきた。

というお話。