日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】つばめ306号(鹿児島中央/川内)


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便名 : つばめ306号
日付 : 2022/11/xx
区間 : 鹿児島中央(06:42)→川内(06:53)
所要時間 : 00:11
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 1,820円(事前クレジット決済)
運行 : JR九州

乗ったことのない空港連絡バス路線を踏破してみようということで、早朝の新幹線に乗って川内(せんだい)駅へ向かう。仙台と川内、新幹線で同音異字の駅名があるのは恐らくここくらい。ともすると、川内に行くべきが仙台に行ってしまった、ということは起きるだろうか。街の知名度からして逆というのはなさそうな気がするが。

さて、前日は鹿児島中央駅東口にある東横INNに宿泊し、6時を少し廻ってチェックアウト。最近できた横断歩道と建物を突っ切る連絡通路を通って駅へ向かう。それにしてもここ数年のうちに駅前には大きなビルがいくつも建ち、ずいぶん風景が変わった。だいぶ都会らしくなったが、鹿児島らしさは少し薄れてしまったような。

JR鹿児島中央駅前 駅舎全景

JR鹿児島中央駅前/ ここ数年で駅前の風景は一変した

乗車するのはこの日始発から3本目、九州新幹線内各駅に停車するつばめ306号。列車は6両編成で開業時から活躍している800系車両による運転。8両編成のN700系とはいくつかの相違点があり、例えばその一つがグリーン車を連結していないところ。

九州新幹線では2022年6月から「エクスプレス予約」が利用できるようになっている。JR九州の「ネットきっぷ」はネット予約後に指定席券売機や窓口で発券が必要になるから、「エクスプレス予約」を利用すればそのまま改札を通過できるのは楽で良い。ただ、2023年10月に制度変更が予定されており、個人的には今後会員を継続するかどうかは思案中。

JR鹿児島中央駅前 新幹線改札口前

JR鹿児島中央駅/ 早朝は比較的本数の多い時間帯

そういえば当時、鹿児島中央駅前を発着する路面電車鹿児島市電のタッチ決済の広告が掲示されていた。当時はVisaのみ対応していたが、2023年10月現在ではJCBやMasterなど他のカードブランドも対応するようになっている。かねてより鹿児島は交通系ICカード(10カード)を導入しているのがJRの在来線のみでそれ以外の公共交通機関は独自規格のみだったから、一足飛びにタッチ決済に移行することになりそう。

(案内についてはこちら)

www.kotsu-city-kagoshima.jp

鹿児島中央駅 Visaタッチの広告

鹿児島中央駅/ 結局Suicaへは対応しないままタッチ決済に移りそう

コンコースからホームへはエスカレーターで上がるのだが、この時後ろを振り向くと、新幹線で到着した乗客を迎える「ゆくさ おじゃったもした」の看板が掲げられている。これは鹿児島弁で「ようこそいらっしゃいました」という意味。

鹿児島中央駅 新幹線ホームへのエスカレーター

鹿児島中央駅/ 他地方の方言と比較して難解な鹿児島弁

今回は新幹線を利用するのは1駅10分ちょっとということで自由席に乗り込む。乗車当時のエクスプレス予約は基本的に指定席と自由席が同額だったが、隣駅までの1区間利用のような、いわゆる「特定料金区間」の場合は価格に差があった。

そもそも10分ほどでは席についている時間も殆どない上、800系は自由席と指定席いずれも同じ座席が設置されているから、ともすると積極的に指定席を選択する理由が見当たらない。

鹿児島中央駅 新幹線ホーム

鹿児島中央駅/ 指定席3両、自由席3両の編成

車内は2列+2列の横4列配置。N700系の座席とは異なり、木製フレームのJR九州でよく見かける座席が設置されている。以前乗車した「36ぷらす3」とも似たような系統。座席横幅は広いものの、座り心地は今ひとつ。800系はそろそろ導入から20年になるが、更新の予定はあるんだろうか。

(「36ぷらす3」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

九州新幹線 つばめ306号 800系の車内

九州新幹線/ 指定席と自由席に座席の差はない

この列車の鹿児島中央駅出発7分前、06:35に新大阪行き「みずほ600号」が出発する。この列車の九州内の停車駅は熊本、博多、小倉のみで、07:19に熊本駅、07:51には博多駅に到着することができる。それゆえ殆どの自由席旅客は同列車に乗車していってしまうから、こちらの列車に乗車している旅客はそれほど多くなく、数列に1人いるかいないか程度の乗車率。

程なくすると出発するが、2004年に先行開業した鹿児島中央から新八代までの区間は殆どがトンネルで山を突っ切るようなルートで、車窓は殆ど期待できない。ましてや日の出の遅い九州ということもあって、出発から到着まで終始真っ暗なままだった。

九州新幹線 つばめ306号 800系の車内

つばめ306号車内/ 最新型の新幹線より幾分窓は大きい

鹿児島中央駅から川内駅までは約50km。在来線では約50分を要するところ、新幹線は約10分で移動できるのだから特急料金の価値は大いにある区間。尤も在来線も各駅停車で途中11駅に停車しながらの50分だから、それなりに快速ではある。

座席についている時間は10分に満たず、アナウンスが始まってデッキへ移動。黒基調の内装は少し重々しいが、この世代までの車両はまだデザインが洗練されていたように思う。車両外観に素人(社長)が列車名を揮毫するという最近のスタイルはどうにもいただけない。

九州新幹線 つばめ306号 800系の車内

つばめ306号車内/ デビュー当時は黒と古代漆色が多用されていた

ともあれ列車は川内駅に到着。始発列車でもない上、この列車に乗らずとも15分後の「さくら542号」に乗れば博多駅には10分先着できるとあって、ホームには殆ど人の姿が見当たらなかった。

ちなみに同駅には朝7時台の上り1本のみではあるが「みずほ」号も停車する。どうやら知らぬ間にみずほ号も久留米や川内といった中規模の駅に停車する列車が増えているらしい。

九州新幹線 川内駅のホーム

川内駅/ 何人か降車があった

この日は約20分の待ち合わせで同駅前から出発する鹿児島空港行きの空港リムジンバスへ乗換えるため、ひとまず改札口を抜けて駅前のバス乗り場へ向かう。ちなみに改札口横には待合室があり、その一角は小さなファミリーマートの店舗になっている。

駅改札口は新幹線と在来線が並んでいる構造。2004年の九州新幹線部分開業にともなって発足した「肥薩おれんじ鉄道」のホームはJR在来線ホームの八代方にあるから、これに乗車する場合はJRの在来線改札を抜けて乗り場へ向かうかたち。

九州新幹線 川内駅改札口前

川内駅改札口前/ 新幹線と在来線の改札は横並び

バス停は駅西口のロータリーにあって、列車からの乗換えは5分もあれば十分間に合う距離で、乗り場の脇には待合室が開設されている。乗り場へ辿り着いてなお少し時間があったから、1つ手前のバス停まで歩いてみることに。

というお話。