日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】高速バスせんだい号(川内山形屋前/鹿児島中央駅)


■Sponsored Link

便名 : 便名なし
日付 : 2022/11/xx
区間 : 川内山形屋前(12:41)→鹿児島中央駅(13:32)
所要時間 : 00:51
乗車クラス : 普通席
運賃 : 1,080円(現金決済)
運行 : 鹿児島交通

鹿児島県、薩摩半島北部にある薩摩川内(さつませんだい)市から鹿児島市へ移動する旅程。九州新幹線であれば2,000円弱払えば11分で移動できるが、それほど急いでいなかったこともあり今回は高速バスを利用することに。今回利用するのは高速バス「せんだい号」で、同市内にある純心女子大学から鹿児島市の鹿児島駅前までの区間に一日4往復設定されている。

ちなみにこのバスはJR川内駅前のロータリーには入らないため、仮に駅周辺から乗車するとなれば駅から徒歩10分弱の「川内山形屋(やまかたや)前」バス停に移動する必要がある。

■駅から乗車バス停までの経路はこちら

川内駅では西口側に出て駅前通りを進み国道3号線にぶつかったところで右折、しばらく進むとバス停を発見した。ちなみに先日別の機会に宿泊した、城山ホテル系列の「S CUBE HOTEL」は反対側の東口側にある。川内には京セラの工場や発電所などがあることから、街の規模にしては宿泊施設が充実している。

(「S CUBE HOTEL by SHIROYAMA」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

JR川内駅前 ロータリー

JR川内駅前/ 「せんだい号」は同駅前は経由しない

無事バス停に到着した訳だが、どういう訳か鹿児島はバス停を乱立させる傾向にあり、ここにはバス停が6本並んでいる。鹿児島交通なんかは元々別の事業者だった場合があるから難しいのかもしれないが、それにしてもどれに何が書いてあるか分かりづらく、せめて同じ事業者のバス停は纏めてもいいような気がする。

鹿児島県薩摩川内市 川内山形屋前バス停

川内山形屋前/ 6種類ものバス停が林立している

しばらくしてバスが到着。便によって使用される車両は異なるが、この便で使用されている車は三菱ふそう製で前扉のみの「エアロスター」。近距離の高速バスで時々見かける車両。

鹿児島交通高速バス せんだい号

せんだい号/路線バスタイプ車両で、前乗り前降り

乗車すると、鹿児島の、とりわけ鹿児島交通のバスで特徴的なのがこのシャンデリア調の照明カバー。加えて幼い頃はラジオがかかっていて高校野球なんかが流れていた記憶があるが、流石にここ最近ではほぼ聞かなくなったような気がする。それにしても、この天井に設置されている降車ボタンは押すのがかなり困難なような。

鹿児島交通高速バス せんだい号

せんだい号/ 他の地域ではあまり見かけない照明

路線バスでも比較的長距離の路線が多い鹿児島では運賃表がかなり大きな番号まで用意されているのが特徴。ただ、この路線はバス停の数が少なく、だいたい10番までで事足りてしまう模様。

ちなみに鹿児島の多くの私営バスは運賃表で「次の停留所」ではなく次に「運賃が変わる停留所」を表示している上、基本的にバス車内に路線図のようなものは貼り出されていない(見たこともない)。にも関わらずかつてはインターネット上にも特段の情報が存在しなかった*1から、鹿児島のバスはかなり上級者向けかもしれない*2

鹿児島交通高速バス せんだい号

せんだい号/ 次に止まる停留所は音声のみでの案内

バスは薩摩川内の市街地を後にすると薩摩川内都インターチェンジから南九州西回り自動車道に入り、鹿児島インターチェンジを目指す。この道路、最終的には熊本県八代ジャンクションから鹿児島インターチェンジを結ぶ全長約140kmの路線となる予定だが、現時点では鹿児島と熊本の県境など、まだ一部が途切れ途切れになっている状況。

ただ、現在のルートである九州自動車道と比べれば高速道路沿い街が多いことから、もしかすると、全線開通すれば「桜島号」の一部はこちらの道路経由になるかもしれない。バス乗務員の人材難が騒がれる時代ゆえ、それまで路線が存続していれば、という話になってしまうが。

道中、高速東市来、高速伊集院に停車するも乗降ともに無く、薩摩川内市内で乗車した乗客のみで鹿児島市を目指すことに。道路はほとんど片側1車線で、ところどころ追越車線が設置されている程度だが、比較的流れは良好。途中高速道路上のバス停への到着は数分遅れだったが、これは高速道路上で時間調整が不要なように、少し厳し目に時間設定しているせいだと思われる。

鹿児島インターチェンジから一般道に入ると、武岡トンネル経由で鹿児島市街地へ向かう。かつては渋滞の名所だったこのトンネルも、新武岡トンネルの開業によって片側2車線化して大分渋滞が緩和されたような印象がある。2023年現在では更にもう1本、「東西トンネル」を掘削しているようだが、開業したらどうなるのかは興味深いところ。

ともあれ、バスは定刻よりも5分ほど早い13:27頃鹿児島中央駅の東19番乗り場に到着し、今回はここで下車。残念ながら鹿児島の路線バスは各社とも交通系ICカードに非対応のため、支払は現金もしくは鹿児島独自規格のICカード(「いわさきICカード」もしくは「ラピカ」)を利用することになる。しかもこれは会社とカードの組み合わせによって割引額が変わる制度*3になっていて、何ともややこしい。

ICカードを持ってはいたのだが、どうやら最終利用日から一定年数が経過すると残高の有無に関わらず失効するようで、所持しているカードはただの置き物になってしまった*4から、今回は現金で支払って降車。

鹿児島交通高速バス せんだい号

鹿児島中央駅/ 後方左側は何かにぶつかったのだろうか

尤も、川内から鹿児島中央までは在来線(JR鹿児島本線)の普通列車でも約50分、950円(2023年8月現在)なので、川内駅からではあえて高速バスを利用する意味も乏しい*5かもしれないが、こんなルートがあると知っていれば役に立つこともあるかもしれない。

というお話。

*1:2023年現在は少しマシになったが、それでも他地域と比べるとまだ分かりづらい。

*2:数年前までの鹿児島交通のホームページは特にやる気がなく、何の情報も掲載されていなかったのだ。

*3:「いわさきICカード」で鹿児島交通に乗車、もしくは「ラピカ」で鹿児島市交通局•南国交通•JR九州バスに乗車した場合のみ割引が適用され、互い違いの組み合わせでは適用されない。

*4:どういう訳か乗車時の端末には反応して残高も表示されたが、降車時の端末には反応しなかった。

*5:そもそも大学と鹿児島市を結ぶスクールバスを路線バス化したようなもので、それほど一般旅客を目当てにしていないようにも思われる。