便名 : B&Sみやざき543号
日付 : 2023/12/xx
区間 : 新八代駅前(10:28)→宮崎駅(12:43)
所要時間 : 02:15
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運賃 : 4,350円(事前クレジットカード決済)
運行 : JR九州バス
嬉野温泉から武雄温泉、新鳥栖を経由して新八代駅までやってきた。ここからは高速バス「B&Sみやざき」に乗換えて宮崎駅を目指す。
B&Sみやざきは新八代駅と宮崎駅を結ぶ高速バスで、約150kmの区間を最速2時間15分ほどで結んでいる。なお、クローズドドアシステムが採用されているため、例えば宮崎から人吉までといったような、途中停留所間の利用はできない路線。その場合はほぼルートの重複する別路線の「なんぷう」号を利用することになる。
(事業者公式サイトはこちらから)
(ここまでの移動はこちら)
熊本方面からの新幹線を降りると、同じホームから右にカーブして延びているのはかつて鹿児島本線からのアプローチ線として利用されていた線路。当時は狭軌だったが標準軌に敷き直され、フリーゲージトレインの実験線となっている模様。本来であればこれが西九州新幹線で活用されることになっていたのだが、開発が難航した結果、現在のごたごたが生じてしまった。
新幹線の到着から高速バスの出発まではちょうど10分。バス乗り場は新幹線の改札口を出て右手すぐのところにあるから、乗換えのみなら充分な時間。
(「B&Sみやざき」乗り場についてはこちら)
ロータリーに出るとバスは既に停車中。同路線はJRバス九州•九州産交バス•宮崎交通の3社共同運行で、この便はJRバス九州の運行便。車両は三菱ふそうの現行型エアロエースで、通常のJR九州の高速バスとは別の、九州新幹線の800系車両と同じ塗装が施されている。
(800系新幹線についてはこちら)
なお、隣のバス乗り場からは阿蘇くまもと空港行きの空港連絡バス「すーぱーばんぺいゆ」号が発着している。この路線は高速バスながらマイクロバスで運行される珍しい路線。
(「すーぱーばんぺいゆ」号についてはこちら)
事前に指定席券売機で発券した乗車券を乗車時の改札で運転士さんに渡して乗り込むと、車内は2列-2列の横4列配置。外観同様、車内も新幹線と統一されたデザインにまとめられていて、座席は800系新幹線と同じ表地が使用されている。近頃の車両らしく、シートベルトは最前列以外も3点式。
座席は足置き付きで、側壁にはUSB-A電源が設置されている。どうやら極力隣席には乗客が来ないようにしているようで、この便では相席になっている列は見られなかった。なお、最後尾は1列丸ごと潰して大型の化粧室が設置されている。
バスは定刻通り新八代駅を出発すると、九州自動車道の八代インターチェンジから高速道路へ。その道中、新八代駅を出てすぐのところには、八代出身の元ソフトバンクホークス•松中信彦選手の記念館が開設されている。
九州自動車道は八代インターチェンジを超えるとトンネルとカーブの連続する山間部へ入る。この日は天候が今ひとつで、山には低い雲が立ち込めていた。そういえば、対向車線では事故?があったようで数kmにわたって渋滞が発生していたが、所定の新幹線へ乗り継げなかった場合はどのような対応になるんだろうか。
少しうとうとしていると、新八代駅から約40分ほどで人吉インターバス停に到着。高速道路のアプローチ路上にあるバス停は思いの外立派な建物。JR肥薩線が豪雨災害によって長期間運休しているいまとなっては、この路線が貴重な人吉へのアクセス手段を担っている。
そんな背景もあってか、この人吉インターはこの「B&Sみやざき」のほか、宮崎と熊本を結ぶ「なんぷう」号、宮崎と博多を結ぶ「フェニックス」号、鹿児島から鹿児島空港を経由して熊本を結ぶ「きりしま」号などが立ち寄るため、地方都市にしてはやけに路線が充実しているバス停。
バスは人吉インターを定刻通り出発したが、途中で遅れ運行になったようで次のえびのインターバス停には10分遅れの11:40分頃到着。目の前には宮崎駅からやってきた、九州産交バス運行の上り便が停車していた。
一時的に遅れが生じたものの、その後挽回して宮崎インターから一般道。JR南宮崎駅近くにある商業施設「宮交シティ」に併設されているバスターミナルにはほぼ定刻の12:35頃到着。ここで乗客の1/3ほどが下車していった。
このタイミングでは少し強めに雨が降っていて、フロントガラスは大粒の雨で濡れている。正面に見える青い屋根の白い建物がJR南宮崎駅で、ここから終着の宮崎駅までは2-3kmほどの距離。
バスは大淀川を渡ると間も無く終着の宮崎駅に到着。この辺りは2022年の正月に自転車で走ったのが昨日のことのように思い出される。あれからもう2年近くが経過しているというのが信じられない。
(当時の走行記録がこちら)
少しくらい早着するかと思ったが、バスは寸分狂わず定刻通りに終着のJR宮崎駅前のバスターミナルに到着。ちょうど降車スペースに別の高速バスが停車していたため、空いている乗り場で降車した。
2020年に開業した「AMUPLAZAみやざき」はちょうど開業3周年を迎えたところ。つい最近開業したばかりのように思っていたが、もう3年も経っていることに驚いてしまう。更によくよく考えると、九州新幹線の新八代以南なんかは間も無く開業から20周年な訳で、こちらはもはや言葉を失ってしまう。
個人的には以前のことを全く覚えていないのだが、どうやら昨年2023年春にバス乗り場が変更されたらしい。どの路線も比較的便数が豊富だから、乗り場が混雑しないようにという工夫だろうか。
(以前ここから乗車した「フェニックス」号はこちら)
この他にも以前は宮崎と鹿児島を結ぶ「はまゆう」号や、宮崎と大分を結ぶ「パシフィックライナー」号などといった路線も運行されていたが、COVID-19の感染拡大が深刻化したタイミングで休止や廃止になってしまった。
飛行機ほど高価ではなく、かといって全区間高速バスほど時間がかからないという意味で、その中間としての有用性を確立している珍しい路線。東九州新幹線だなんだという夢物語はしばしば耳にするものの、今のところ宮崎まで新幹線が延伸するような具体的な計画はないから、しばらくは活躍してくれるのだろうと思われる。
というお話。