日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【自転車】2022年冬・日本一周Final(Day3/最終日)


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日時 : 2022/01/xx

■ Day3
区間 : 宮崎県宮崎市→鹿児島県鹿児島市
距離 : 123.23km
実走行時間 : 10時間24分
平均速度 : 11.8km
経路 : 国220/(宮崎)県27/国269/国10/国58/(鹿児島)市21
総上昇量 : 2,605m(最高所:410m)

この日がこの旅のみならず、13年かかった日本一周の最終日。

(前日の記録はこちら)

biketourist.hatenablog.com

前日までの記録を見返してみると、普段からそれほど速いスピードで走っている訳ではないのだが、今回はより一層平均速度が遅いことに気づく。これは在宅勤務による体力の衰えのせいなのか、それとも寒さのせいなのかが気になるところ。もしかすると、冬物の衣服のせいで荷物がいつもよりも重いことも影響しているのかもしれない。

最終日となる3日目は計画時点からこれまで2日よりも距離が長いことが明らか。そのため、明るいうちにせめて都市部にたどり着くことを目標に、日の出と同時に出発することにした。

朝7時前にホテルをチェックアウトし、駐輪場から自転車を引っ張り出して出発。ホテルの建物を出たときにはまだ薄暗かったが、駅前を通過する頃にはだいぶ明るくなってきた。

宮崎県 JR日豊本線 宮崎駅前 自転車旅行

(@宮崎駅前)出発

駅前をすぐに左折して南宮崎駅前を通るコースでもよかったが、一旦駅前を西に進んで国道220号線(橘通り)を通るコースへ。程なくして大淀川を渡ることになるが、この時ちょうど朝日が昇るタイミングで中々いい景色。

宮崎県 国道10号線 大淀川 朝日 自転車旅行

西に日が沈むまでずっと走り続けることになる

このまま真っ直ぐ走れば宮崎空港や青島などに辿り着くが、今回は八重川を渡った先のY字路で右折して宮崎県道27号線に入る。しばらく走ると国道269号線に合流し、ここから都城まではこの国道をひたすら進むことになる。

宮崎県 国道220号線 青看板

ちなみに直進した先、青島には「鬼の洗濯岩」がある

清武町の「ジョイフル」を越えた辺りから徐々に上り坂が始まり、徐々に高度を上げていく…のだが、せっかく50m高度を稼いだと思えば25m下がる、といった展開を繰り返すから、自転車的にはなかなか苦しい場面が続く。なかでも田野町の梅谷バイパスは比較的大きな下り坂で、下りた先は割とのどかな田園風景が広がっていた。

宮崎県 国道269号線 梅谷バイパス 自転車旅行

(@田野町)日本の田舎、という感じの景色

件のバイパスで高度を下げた後、田野町のちょっとした平坦区間を過ぎると青井岳に向かって再び上りが始まる。JRの青井岳駅を少し越えた辺りが最高地点で、その標高は約330m程度。序盤からかなりハイペースで上り坂が連続している。

宮崎県 国道269号線 青井岳 自転車旅行

(@青井岳)特に最高地点を示すような標識等はない

青井岳から先はしばらく下り坂になり、下りた先は都城盆地。「台地」ではなく「盆地」だから、平坦部の外縁には山がある。だいたい海抜130mくらいで勾配がなくなり平坦になったところで、コンビニへ立ち寄りこの日初めての休憩を取った。

再開後ほどなくして、ついに青看板には「鹿児島」の文字。

宮崎県 国道269号線 青看板 自転車旅行

ゴールが見えてきた

都城市街地で数回右左折を繰り返し、国道10号線に合流。余談だが、この合流ポイントが少し分かりづらく、危うく気づかずそのまま直進してしまうところだった。直進しようとして信号に引っ掛かり、ちょうど左を見たタイミングで国道の標識を見つけられたから運がよかった。

このときちょうど12時になる頃で、鹿児島までは残り72km。ここ数日の平均速度からして17時過ぎの日没には間に合うか微妙だが、少なくとも日のあるうちに鹿児島市街地近くまでは到達できそうな感触を得たのがこの頃。

宮崎県 国道10号線 都城 青看板 自転車旅行

路線標識がなければ直進していた

都城市街地を抜けると再び上り坂。この上り坂の序盤にある交差点で国道269号線と国道10号線の重複区間が終わり、この先は鹿児島まで国道10号線を進むことになる。

市街地からそれほど走らないうちに、ついに最後の都道府県、鹿児島県に到達。

国道10号線 宮崎県 鹿児島県 県境 自転車旅行

(@宮崎/鹿児島県境)最後の都道府県

この日前半、アップダウンの激しい青井岳に向かう道とは異なり、この国道10号線はこの先の牧之原に向けて上り一辺倒。幸いにして風はないが、頑張れば上れる程度の上り坂がずっと続いていくから、これはこれでなかなか体力を消費する。

そういえば、この辺りの道端にはドローンの広告。自転車による日本一周を考え始めた2008年頃には、ドローンは少なくともまだ一般大衆に周知される段階にはなかったはずで、広告ひとつ取っても時代の変化を感じさせられる。

鹿児島県 国道10号線 牧之原 ドローン広告 自転車旅行

都市よりも農業地帯のほうがドローンの需要は多そう

上りは時おり斜度が急になり、また一部では歩道も登坂車線もないような、立ち止まるわけにはいかないようなところがありつつ、頂上に向かって進んでいく。最終的な標高最高地点は鹿児島交通の「牧之原」バス停のすぐ裏辺りで、都城盆地の縁から2時間ほど掛かってようやく到着。ちなみに標高はちょうど400mほど。

鹿児島県 国道10号線 牧之原 自転車旅行

(@牧之原)バスの車庫がある

今回走ってきた都城側から来るとだらだら上りが続くが、他方の鹿児島側は断崖絶壁の急勾配で、約8kmの間8%の勾配が続くというとんでもない急坂になっている。今回の旅行ではそれほど高速走行向きではないミニベロを使用しているにもかかわらず、この坂を下るあいだ、最高速度は57km/hに達していた。

鹿児島県 国道10号線 牧之原 自転車旅行

自転車も事前にブレーキテストをお忘れなく

なお、気持ち良く走れるのは最初の2つの坂くらいで、平地に近づくほど路面状況が悪くなっているからスピードの出しすぎには要注意。後半のコーナーには基本的に溝が切られている上かなり路面が荒れており、あまりスピードを出しすぎると転倒する可能性がある。

ともあれ、かなり短時間のうちにここまで稼いだ400mの高度がほとんどゼロになり、霧島市国分に到達。ここは鹿児島空港が近いこともあり、上空には定期的に着陸機がかなり低いところを飛んでいく様子が見える。更にしばらく走っていると、遠方にはうっすら桜島が見え始めた。

鹿児島県 国道10号線 霧島市内 自転車旅行

(@霧島市内)あともう少し

ここから隼人町までの間は住宅街が続き、大型車が多く走るにもかかわらず道幅が狭い少し疲れる区間隼人町の後半から加治木の手前までに少し小高い丘があり、鹿児島までの間ではこれが最後の大きな上り坂。ちなみにここは車が渋滞しがちなところで、路肩を渋滞中の車と並走しながら上っていくため、ちょっと走りづらい。

JRで言うところの錦江(きんこう)駅から重冨(しげとみ)駅までの間はバイパスがある。かなり平坦な走りやすい道を進んだのち、JR日豊本線跨線橋で越えてからしばらくは錦江湾沿いを走っていく。この跨線橋辺りから桜島がかなり大きく見えるように。

鹿児島県 国道10号線 錦江湾と桜島 自転車旅行

ラストスパート

この辺り、JRの車窓からでも桜島は割と綺麗に望めるのだが、架線柱や電線が視界に被ってなかなか綺麗な写真は撮りづらい。一方で、道路は特に視界を支障するものもなく、歩道上であれば止まってゆっくり写真を撮ることもできるのがいいところ。

いくらか進むとついに最後の市町村「鹿児島市」に突入。

鹿児島県 国道10号線 錦江湾と桜島 自転車旅行

かなり大きく見えるようになってきた

もうこの辺りまで来ると残りの距離感も何となく分かるわけで、ちょこちょこと停止しながら桜島の写真を量産。鹿児島に来る度に何枚も写真を撮っており、これほど撮る必要がないような気もするが、鹿児島に帰ってくるとどうしても撮りたくなってしまう。

鹿児島県 国道10号線 錦江湾と桜島 自転車旅行

夕暮れ前の一番いい時間帯

このまま走っていくと片側2車線区間が終わり、磯庭園付近まで、この辺りで一番道幅が狭いエリアに突入。できるだけ車の邪魔にならないように走ったつもりではあるが、対向車がいる状況で車が自転車を追い越せるほどの空間がなく、後ろを確認するたび車が列を成している状況で若干気が引けながら走行。ちなみにこの辺り、現在バイパスを建設する計画があるんだとか。

磯庭園からは「カゴシマシティビュー」のルートに沿って市街地へ進み、いづろの交差点から鹿児島中央駅までは電車通りを走った。何だかんだで鹿児島を訪れるのは久しぶりで、市内随一の繁華街であるいづろから中央駅までの間ですら、前回訪れたときから風景が一変してしてなかなかビックリする場面も。

鹿児島県 天文館通 自転車旅行

(@いづろ通)日没には間に合わなかったが、何とか明るいうちに到着

そんなこんなで18時過ぎに鹿児島中央駅に到着。今回の鹿児島到着を以て、2008年にスタートした自転車での日本一周を無事達成したことになる。途中何年かのブランクを挟みながらではあったが、無事完走することができて感慨もひとしお。

鹿児島県 鹿児島中央駅 自転車旅行

(@鹿児島中央駅)ゴール

鹿児島では久しぶりに2泊。滞在中はのんびり過ごして蓄積した疲労回復に努め、何とか筋肉痛が和らいだところで東京へ戻る帰路についた。今回ひとつの目標を達成してしまったわけで、今後はどうしようか、のんびり考えたいと思う。

(参考)
①前日までの累積距離(日本一周):9,795km
②今日の走行距離:123km(km未満四捨五入)
③累積走行距離:9,918km

集計してみて気づいたことだが、あともう少しで10,000kmだったわけで、であればもう少し無駄走りして10,000kmを目指すのも悪くなかったかもしれない。