日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】羽田空港-柏線(柏駅西口/羽田空港(第1))


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便名 : 便名なし
日付 : 2022/10/xx
区間 : 柏駅西口(11:40)→羽田空港第1ターミナル(13:32)
所要時間 : 01:52
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運賃 : 1,600円(交通系ICカード決済)
運行 : 東武バスセントラル

午前中に柏で用事があり、午後の飛行機に搭乗するスケジュール。それなりに時間に余裕があったので、乗換えなしに空港まで移動できるバスで移動することに。同路線は千葉県側の事業者として東武バスセントラル*1、空港側事業者として京浜急行バスが共同運行しているが、この日乗車したのは東武バスセントラルの便。

(事業者公式サイトはこちら)

www.tobu-bus.com

ところで、バスはJR常磐線東武野田線柏駅から出発するのだが、なかなかどうしてバスの停留所が駅から離れている。具体的には柏駅西口にある「ザ・クレストホテル柏」前にあり、駅改札口からは5分から10分程度の距離がある。

■ バス停地図情報


(余談だが、同ホテルに宿泊した際の記録がこちら)

biketourist.hatenablog.com

簡単に駅からバス停への道のりを紹介すると、JR・東武ともに中央改札と南口がある柏駅の「中央口」からスタートする。改札口を出ると通路が左右に伸びているが、バス停は改札機を背にして左手に進んだ「西口」側。

JR柏駅 中央改札口

JR柏駅/ 「中央口」から出場し、西口方面へ

しばらく歩いていくと「西口バスのりば」を示す案内看板が設置されているのだが、ややこしいことに柏駅西口には「西口バスのりば」と「高島屋前」、「ザ・クレストホテル柏前」の3箇所にバス停がある。空港行きバスはここに記載されている「西口バスのりば」からの出発ではなく、特に説明記載のない「ザ・クレストホテル前」からの出発。

今回のように「ザ・クレストホテル柏前」から出発するバス、もしくは「高島屋前」から出発するバスに乗車する場合はこの看板を無視し、右手方向、高島屋の本館方面に進んでいく。

JR柏駅 西口バス乗り場への経路

柏駅西口/ 空港行きが発着するのは「ザ・クレストホテル柏前」

以下の写真右手に見えているのが柏高島屋の本館で、その左奥にある地味な階段を降りていくと主に柏市内北部方面へ向かう路線バスの発着する「高島屋前」の乗り場が現れる*2。空港バスの発着する「ザ・クレストホテル柏」のバス停はその奥。

JR柏駅 西口バス乗り場への経路

柏駅西口/ 高島屋本館脇の階段を降りて地上へ

階段を降りきったところから約3分、200mほど歩くとようやく「ザ・クレストホテル柏前」のバス乗り場に到着。この乗り場からは羽田空港の他にも昼行の成田空港線、夜行の成田空港発西船橋駅柏駅経由の仙台駅・松島海岸行きなんかが発着しているが、もとより乗客はそれほど多くなかったところにCOVID-19の影響を受けたことで2023年6月時点でも前者は以前よりも更に本数が少ない状況が継続(早朝柏発の片道1便のみ)しており、後者は運休が続いている。

JR柏駅 空港行きバス乗り場 クレストホテル前

柏駅西口/ 空港関連のバスのみ発着するバス停

さて、当日出発時刻前からバス停で待っていたが、始発バス停にも関わらず出発時刻を過ぎてもバスの姿は見当たらない。乗り遅れたというのは恐らくないタイミングだったから安心してしばらく待っていると、5分ほど遅れてバスが到着した。

特に説明はなかったので推測だが、恐らくバスは高田車庫から出庫してやって来るので、どうにも渋滞しやすい駅までの経路で想定よりも時間がかかってしまったというところだろうか。ともあれこの日は他に乗客もなく、乗車するや否や出発。

それにしてもこの路線、電車で行けば1時間強のところをバスは2時間弱かかるわけで、始発の柏駅からだとなかなかバスの優位性が発揮しづらい。2015年3月の上野東京ライン開業以降は品川駅での乗換え1回のみになっているうえ、2029年予定の羽田空港アクセス線開業で直通するとなると尚更バスは厳しい戦いを強いられることになりそうな。高速道路の出入口がもう少し柏駅に近いところにあるといいのだが。

JR柏駅 空港行きバス乗り場 クレストホテル前

柏駅西口/ 定刻を少し廻ってから到着

余談だが、冒頭に出てきた「柏駅西口バスターミナル」というのが以下の部分。柏駅近辺の小循環路線や柏の葉公園国立がんセンターへ向かうバスが建物に潜り込むような形で発着していく。ただ、世間一般のいわゆる「バスセンター」と比べると幾分規模が小さく、かつてから柏駅西口発着の全ての路線がここに乗り入れるようにはできていない。

JR柏駅西口 バスターミナル

柏駅西口/ バスターミナルは乗車口3つとかなり小規模

当日乗車したバスはごくスタンダードな、トイレなし横4列縦12列の車両だったが、2023年3月以降は東武バス運行便のみトイレが設置されているのだそう*3

柏駅を出発すると西口本通り、柏中通りと進み、近くの向原住宅・三間(さんげん)で乗車客のために停車。そこからいくらか走ってつくばエクスプレス(TX)の柏の葉キャンパス駅に停車した。この辺りからは鉄道とバスが概ね同程度の所要時間になるから、乗換えのないバスの優位性が徐々に増してくる。 

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 車内

車内/ ごく普通の横4列シート

柏の葉キャンパス駅やお隣の流山おおたかの森駅などつくばエクスプレス(TX)の駅は各駅ともに成長著しく、2005年に開業してもう18年ほど経つにも関わらず、訪れるたびに街が拡張し、様子が一変している。この辺りはかつて鉄道が開業するまで、純粋に陸の孤島だった記憶があるのだが。

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 車内

柏の葉キャンパス駅/ 駅周辺はどんどん建物が増えていく

バスはこの先2系統に分離し、1つは国立がん研究センターに立ち寄った後常磐道インターチェンジへ、もう1つは流山おおたかの森駅に立ち寄ってから同じく常磐道流山インターチェンジへ向かう。

この分け方は以前乗車した国立がん研究センターから東京駅までの高速バスと類似しているのだが、同路線は気づけばあっという間に廃止され、今では時々開催されるラグビーの試合が開催される際の臨時バスとして走るのみになってしまった。TXが開通してしまった今となっては、このエリアの近距離高速バスというのはどうにも厳しいかもしれない*4

(その廃止された路線がこちら)

biketourist.hatenablog.com

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 柏の葉キャンパス駅

柏の葉キャンパス駅/ 開業から20年近いがまだ新しい街という感じ

乗車した便は前述の2系統のうち流山おおたかの森駅経由便で、柏の葉キャンパス駅から約15分ほどで同駅に到着。両駅はTXで数分の距離だから、いずれか一方に停車すれば両方に停車する必要はないような気もするのだが。つくば方面や野田方面からの乗客を拾えるという意味では、おおたかの森駅のほうが優先度は高そうな印象。

ちなみに柏駅を出発してからここまでの所要時間は約35分を要している。それゆえ、よほど柏駅前のバス停が自宅に近いでもなければ、柏駅から東武野田線流山おおたかの森駅へ移動し、そこからバスに乗車した方がトータルの移動時間は節約できる*5。なにより、流山おおたかの森駅柏駅と違って駅前の比較的利便性の高いところにバス乗り場がある。

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 流山おおたかの森駅

流山おおたかの森駅/ 柏駅20分後発の電車でも追い付ける

流山おおたかの森駅を出発すると10分もしないうちに常磐道の流山インターチェンジに差し掛かり、ようやく高速道路へ。所要時間1時間50分のうち、その半分強の1時間は一般道を走っているというのが近隣の路線とは大きく違う、ややもするとデメリットの部分。

再び余談だが、かつて流山インターチェンジの入口部分にはごく短距離の、500mほどの有料道路があったのだが、これがどうやら「日本で最も短い有料道路」だったそう。流山インターチェンジを利用すると不可避だったことから早々に建設費用を償還できたそうで、2015年に無料解放されて今に至っている。

かつてこの流山インターチェンジの周辺にはかつて田畑が広がっていたのだが、外環道や圏央道の整備の結果、ここ数年の間に大規模な倉庫が大量に(10棟近く)開設された。そんな状況にも関わらず、今なお更に建設が続いているというのだから驚くばかり。

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 流山インターチェンジ付近

流山インターチェンジ付近/ 同様の倉庫が10棟以上並んでいる

バスは常磐道に入ったが、常磐道は次の三郷まで。三郷から先は首都高速6号三郷線、向島線、C2中央環状線、B湾岸線のルートで羽田空港へ向かう。別の機会に逆方向で乗車したつくば行きも同様のルートだったと記憶している。

(つくば路線の乗車記はこちら)

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首都高速に入ってしばらくすると前方には押上のスカイツリーの姿が見えてくる。まだ約20km弱と結構な距離が離れているはずだが、それでもなおこの大きさで見えるのだから圧倒的な存在感がある。

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 首都高速6号三郷線

首都高速6号三郷線/ まだ20km弱離れているが、

この日は幸い大きな渋滞にはまることもなく、それなりに順調に進んで羽田空港には定刻よりも10分ほど早い13:20過ぎに到着。大きく早着するということはなかったが、外環道ができてからというもの、首都高でものすごく大きな渋滞というのはあまり経験がないような気がする。

1993年開業の、割に外装の地味な第1ターミナルに対して、首都高を挟んだ対岸側にある2004年開業の第2ターミナルは印象的な造形をしている。ちょうど30年の第1ターミナルはともかく、第2ターミナルも20年目が近づいているというのに驚いてしまう。

ちなみに両ターミナルの間にある赤い建造物は「羽田スカイアーチ」と呼ばれる橋で、第1ターミナルとほぼ同時期の1993年に開通した首都高湾岸線が空港を突っ切って走っているため、両岸を繋ぐために建てられたんだとか。

東武バスセントラル 羽田空港-柏線 羽田空港(第1)

羽田空港T1/ 赤い橋のあたりに首都高湾岸線が走っている

飛行機までは到着してなお1時間以上の空き時間があり、昼食を摂ったりなんかして過ごした。前述の通り所要時間の半分が一般道という路線の性質ゆえ、乗換えなしというメリットがあるとはいえ柏駅から乗車するのはあまりおすすめしないが、柏の葉キャンパス駅流山おおたかの森駅からであれば割と使い出がある路線といった感じ。

というお話。

*1:東武バスイースト。2002年に分社化によって設立されたが、2021年にセントラルと合併しイーストが消滅会社となった。

*2:春先、チューリップの有名な「あけぼの山農業公園」に向かう直行臨時バスもここから出発する。

*3:京浜急行バス運行便については引き続き設置なし。

*4:以前運行されていた東京駅-江戸川台駅(東武野田線)路線もTX開業ののち廃止されてしまっている。

*5:それならば、もはや直接JRと京急で空港へ向かった方が良い気もするが。