日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【歩いてみた】鹿児島市電いづろ通電停から鹿児島本港高速船ターミナルまで


■Sponsored Link

訪問日時 : 2023/07/xx
出発地点 : 鹿児島市電いづろ通電停
到着地点 : 鹿児島本港高速船ターミナル
移動距離 : 約1.5km
所要時間 : 約15分

鹿児島市から屋久島までを約2時間、種子島までを約1時間30分で結ぶジェットフォイルの「トッピー」「ロケット」。鹿児島空港が市街地から遠いこともあり、市街地から両島への最速移動手段なのだが、今回はこれが発着する港までのルートを歩いてみた。

■ ルート概要
※ 地図上の経路は実際の経路と異なっているが、概要の理解として。

鹿児島中央駅方面から市電で移動してきた場合、降車するのは市内一の繁華街「天文館(てんもんかん)通」電停の次にある「いづろ通」電停。空港バスの場合、「いづろ」には停留所がないので、最寄りは「天文館」か「金生町(きんせいちょう)」。

なお、空港バスについて金生町は直行系統は経由せず日に数本の吉野経由のみが停車するため、多くの場合は天文館からアクセスすることになると思うが、どちらのバス停を利用しても距離的にはどっちもどっちという感じ。

鹿児島市電 いづろ通電停

いづろ通電停/ (07:55)鹿児島中央駅から路面電車で約10分

路面電車は交差点を左折していくが、今回の目的地、高速船ターミナルへは線路を背にして正面方向、山形屋(濁らず「やまかたや」と読む)駐車場のある方へ向かう。ちなみに以下の写真右手に写っている石灯籠が停留所名「いづろ」の語源。

鹿児島県鹿児島市 いづろ通 石灯籠

いづろ通/ (07:56)石灯籠が変化して「いづろ」になった

ちなみに今回のルートを外れて交差点を左折した先、左手にあるレトロな建物がその「山形屋」で、右手の黒い大きなビルが鹿児島銀行本店。かつて山形屋にはバスセンターがあり、ここから鹿児島交通の路線バスが発着していたが、2015年8月に廃止され、今では綺麗にリニューアルされて高級ブランドが店を構えている。

以前はここからでも山形屋の建物がもう少しクリアに見えたのだが、アーケードが架けられて少し見えづらくなってしまった。デザインはこれが正解だったのだろうか。

鹿児島県鹿児島市 いづろから朝日通方面

いづろ通/ 正面左手の緑色の屋根の建物が「山形屋

さて、ルートの話に戻ると、降りた電停の方向そのままに突き当たりまで、約5分ほど一直線に歩いていく。道中のマンションの屋上に目をやると、東京でもよく知られた芋焼酎「白波」の看板が掲げられている。他には鹿児島中央駅前のイオン(旧ダイエー)にも似たような看板が掲出されているが、全国広しといえどもこれほど焼酎の広告を街中で見かける地域というのは他にないような。

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

いづろ付近/ (07:57)焼酎の広告が鹿児島らしいところ

また余談だが、進行方向左手には「柳川氷室」という氷屋さんがある。ここは夏場になると店頭でかき氷を販売していて、時間帯によっては結構な行列になっているのを目にすることがある。東京でよく見るおしゃれなかき氷ではなく、昔ながらのしっかりしたかき氷という感じ。

(外部サイトによる店舗紹介はこちら)

tabelog.com

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

いづろ付近/ 夏場はかき氷を求める客で賑わうところ

ファミリーマートのある交差点の先がT字路になっているので、これを右折する。この正面には広大な空き地があるが、ここはかつて商業施設「ドルフィンポート」があったところ。どうやら定期借地だったそうで、2020年の春に閉館、綺麗に空き地になっている*1路面電車を敷設するような噂もあったような。

余談だらけになってしまうが、この辺りの左手側には鹿児島県の自治体のひとつ「十島村」と「三島村」の村役場がある。全国のなかでも別の自治体に役場の本庁舎があるというのはなかなか珍しく、他には竹富町役場が石垣市にあるとか、その程度しか例がないのだそう。

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

本港区エリア/ (08:00)正面にかつて「ドルフィンポート」があった

右折したのちは再びしばらく直進。目の前が更地になったお陰で、天気の良い日には左手遠方には桜島の偉容が見えてくるはず。

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

本港区エリア/ (08:02)突き当たりを右折して再び直進

3分も歩かないうちに今回の目的地、種子・屋久高速船の緑色三角屋根の建物が見えてくる。この辺りで車道上に青看板が見えてくるが、この青看板は船の乗り場しか記載されていないのがちょっと珍しい。ちなみに、桜島行きのフェリーは北埠頭近くの桜島桟橋から出発するため、この看板には記載がない。

(桜島フェリーの乗船記はこちら)

biketourist.hatenablog.com

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

本港区エリア/ (08:02)県内各地への船便があちこちから出発する

建物の前には駐車場があり、これを突っ切るのも少し危険なので、徒歩の場合は手前の交差点を左折。歩道をしばらく歩いていくと、ターミナルへ向かうアプローチ路が現れる。

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

本港区エリア/ (08:05)正面からは種子島屋久島行きフェリーが発着

いづろ通電停出発から約12分で高速船ターミナルへ到着。天気が悪いと少し難儀するが、晴れていれば難なく歩くことができる程度の距離だった。

なお、路線バスでアクセスすることも可能ではあるが、鹿児島中央駅からの鹿児島交通の26番線は日に6本しかないので、どちらかと言えばバスに時間を合わせて予定を立てる必要がある。以前は時間1-2本ほどバスが走っていた記憶があるのだが。

鹿児島県鹿児島市 いづろから鹿児島本港(高速船)

鹿児島本港(高速船T)/ (08:06)高速バス「桜島号」はここが始発終着停留所

ちなみに「トッピー」「ロケット」に使用されるのは手前の少し小柄な船。水中翼船といって、一定速度に達すると船首のT字型の翼を水中に立て、船体が離水することで高速航行ができるという構造になっている。以前対馬から壱岐まで乗船したのと同じ「ボーイング929」改め「川崎ジェットフォイル929」という機種で、川崎重工業ボーイングからライセンスを供与されて製造している。

(長崎県で乗船した際の記録がこちら)

biketourist.hatenablog.com

鹿児島本港(高速船ターミナル) ジェットフォイル

鹿児島本港(高速船T)/ 手前のT字の部分が水中翼

船がそれほど大きくないから、ターミナルも少し大きめの離島空港くらいの大きさ。割に新しそうに見え、いくつかの鹿児島県内の離島空港よりは立派に見える。

この日は船に乗船するではなく、ここから出発する高速バス「桜島号」に乗車するためにやって来たので、しばらく出発する船の便がないタイミング。ターミナル内は7時台の屋久島行き、種子島行きの始発便が出た直後ということで閑散としていた。

鹿児島本港(高速船ターミナル) 建物外観

鹿児島本港(高速船T)/ (08:07)離島空港と同程度が少し大きいくらいの建物

ターミナル内はこんな様子。一角に乗船窓口と小規模な売店があるほかは特に主だった施設はなく、対馬厳原港のような展望デッキのような施設は無さそうに見える。尤も、少し外に出れば桜島も船も見えるから、必要ないのかもしれない。

鹿児島本港高速船ターミナル ターミナル内

鹿児島本港(高速船T)/ 7時、10時、13時に船が出発する

という訳で、繁華街から徒歩でアクセスすることも比較的容易な種子島屋久島行きの高速船乗り場なので、両島へ向かう際の参考になれば幸い。

というお話。

*1:現在、サッカー場の設置候補地となっているが、県と市のスタンスが一致せず、なかなか難航しているという噂。