便名 : ジェットフォイル・ヴィーナス124便
日付 : 2023/01/xx
区間 : 対馬厳原港(13:00)→壱岐芦辺港(14:05)
所要時間 : 01:05
乗車クラス : 普通席(1階)
運行 : 九州郵船
福岡空港から飛行機で対馬空港に到着し、バスで厳原(いづはら)へ移動。徒歩で厳原港の国内ターミナルまでやって来た。ここからはジェットフォイルに乗って壱岐の芦辺港に向かって移動。
(厳原バス停から厳原港までの移動はこちら)
訪問当時は2023年になってまだ日の浅い時期だったこともあり、ターミナル入口には門松が飾られていた。今や気づけば2月も1/3が経過したところで、月日の経過の早さには毎度のことながら驚かされる。
厳原港のターミナルは2020年に供用され始め、3年目に入ったところ。コンクリート打ちっぱなしの外観と打って変わって内装は窓が多く開放的な雰囲気。事前に予約していなかったから、このタイミングで乗船券を購入した。なお、窓口ではクレジットカードも利用可能。
ターミナルの周囲にはコンビニエンスストアや飲食店は見当たらなかったが、ターミナル内には小さな売店が営業している。ここでは菓子パンなどのちょっとした軽食やお土産などを販売していた。
エレベーターでターミナル2階に上がると、奥には展望デッキがある。ぼーっと外を眺めていると、停泊中のフェリーの奥からジェットフォイルが湾内に入ってきた。まだこの時点では船体が浮き上がった翼走状態だが、しばらくすると着水して着岸作業に入り始めた。
ちなみにこのジェットフォイル、当初の形式を「ボーイング929」、現在は「川崎ジェットフォイル929-117型」というらしい。「ジェット」は飛行機でお馴染みのジェットエンジンから、「フォイル」というのは鋭く薄い翼の意を表しているのだそう。
日本では種子島・屋久島や伊豆諸島への航路などで比較的ポピュラーな船であるものの、ボーイングで26隻、川崎重工で16隻、中国で2隻の計44隻が製造されたのみで、世界的に見れば比較的珍しい船のひとつ。
今回利用する博多-壱岐・対馬の航路で使用されるジェットフォイルには「ヴィーナス」「ヴィーナス2」の名称が付されている。ちなみに2隻のうちヴィーナス2の方が先に建造されており、1985年の建造。まもなく40年が見えてくるが、船の寿命というのはどれくらいなんだろうか。
到着から復路出発までのインターバルは15分しかなく、下船が終わって5分としないうちに折り返しの乗船開始。短距離航路ばかり利用するからだろうか、どこの航路も港に留まっている時間がえらく短い。
対馬では乗船口が2階に接続され、2階から乗船。船は単一クラスだが、1階と2階で幅が異なるからか、シート配列が全く異なっている。乗り込んだ2階は2列-4列-2列の横8列だが、今回指定された1階は3列-6列-3列の横12列と4列も多い。
(シートマップについてはこちら)
座席はシートベルトが設置されているからだろうか、一昔前の飛行機に似た雰囲気。10年ほど前までJALにいたMD90なんかがこんな座席の模様だったような記憶がある。
前席背もたれのシートポケットには「安全のしおり」、前席下には救命胴衣が格納されている。飛行機と違うところと言えば、荷物の収納がそれほど厳密ではないところくらい。
前方に窓があるのを除けば、船内は大型機に搭乗しているのと大差ない雰囲気。なお、1階と2階を結ぶ階段の近くに荷物置き場と化粧室がある。出入り口上にあるテレビでは出発直後はなかなか古そうな船内案内を放送していたが、その後テレビ放映に変わった。
ちなみにこの日は緊急地震速報が発報された日で、船内で緊急地震速報を受信するというなかなかない体験をすることに。どうやら震源は北陸地方だったようで、この船に関しては影響を受けることなく通常速度で航行していた。
船内を見渡すと、前述の通りそれなりに経年した船ゆえあちこちレトロな設えが残っている。たとえば以下のシートベルトサインや「お手洗」の表示なんかは数世代前の飛行機でも見られた表示のような気がする。
船は定刻通り厳原港を出発すると湾内は徐行で進み、防波堤を越えると翼走を開始。若干浮き上がるような感覚があったような気もするが、ひとたび翼走状態に入るとほとんど揺れなくなった。
2階ならもう少し景色がよかったかもしれないが、1階からの景色はそれほど際立った何があるでもなくひたすら海が続く。尤も、対馬から壱岐までの間には島らしき島もなく、景色がよければ右手遠方に五島が見えるかな、といった塩梅。
13:50くらいに壱岐の島陰が見えてきたからダイヤよりも若干早着するかと思ったが、島を回り込むようなルートを辿ることからそれなりに時間はかかり、14:00を過ぎた頃、定刻通り壱岐島・芦辺港に到着。両島の間は結構な距離が離れているにも関わらず、ずいぶん正確なダイヤ設定。
芦辺港では1階右側の出入口から下船。乗船するときには何で1階なんだろうと思ったが、乗降の利便性を考慮された結果だとこのとき気づいた。中々気が利いている。
芦辺港で下船したのは数人だったが、乗船待ちの行列は桟橋から待合室近くまで約50mほど続いていただろうか。対馬と違って壱岐は福岡空港行きの航空便がないから、高速船の需要が一段と高いのだろうと思われる。
芦辺港から島中心部の郷ノ浦までは連絡バスが運行されているが、これは博多港発のみ対応。あわよくば14:02芦辺港発の路線バスに間に合うかと思ったが、定刻通り到着したからこれも断念し、徒歩で壱岐空港を目指すことに。
…というのが当日の私の行動なのだが、実際には14:02発のバスが14:10くらいまでバス停で待機していた模様。私はお手洗いに立ち寄っている間に乗り遅れてしまったのだが、もしかすると乗り継ぐこともできるかもしれない。保証はできないが、参考までに記載しておく。
(壱岐交通ホームページはこちらから)
というお話。