便名 : 三陸鉄道2207D/2211D(普通列車)
日付 : 2023/06/xx
区間 : 盛(10:03)→宮古(12:23)
所要時間 : 02:20
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 2,310円(現金決済)
運行 : 三陸鉄道
一ノ関駅から気仙沼駅まで列車、そこからBRTに乗り継いで岩手県の盛(さかり)駅へ到着。同駅では1時間ほどの待ち合わせで、三陸鉄道の宮古行き普通列車に乗換える。
(ここまでの移動はこちら)
盛駅はJR、三陸鉄道それぞれに駅舎があり、横並びに連なっている。ただし構内は繋がっていて、駅舎を出ることなく両路線を乗り継ぐことも構造的には可能。

駅構内は割と広く、駅舎側からBRT、三陸鉄道の順で並んでいる。その奥にも線路があるが、これは岩手開発鉄道という路線で、岩手石橋駅から赤碕駅まで、石灰石を輸送しているんだとか。かつては旅客輸送もされていたというが、平成の初めに廃止されて現在は貨物列車のみ。

しばらくぼーっと眺めていると、割に長い編成の貨物列車が石灰石を載せて通過していった。こと盛駅に関しては旅客輸送が廃止されたのちもホームは比較的綺麗に残存していて、旅客列車がやってきても全く違和感のない雰囲気。列車は平日に10往復以上が設定されているようで、1時間のうちにもそれなりの本数が通過していった。

少しコンビニで買い物なんかを済ませてから駅に戻り、待合室で小休止。この日はここから約90km北にある宮古駅まで乗車するから何か割引きっぷなどないかと掲示を眺めてみたが、今回のような旅程ではちょうど良い切符は見つからなかった。

2025年現在、三陸鉄道はこの盛駅から久慈駅まで、岩手県の南北約160kmを結んでいる。元々は「南リアス線」「北リアス線」の間にJR山田線が挟まっていたが、震災ののち、2019年にJR東日本から移管され「リアス線」としてひと繋がりになった。その結果、一連の路線としてみた場合は日本で最も長い第三セクターの路線として取り扱われている。
盛から久慈までの駅数は41駅で、単純平均すると約4kmに1駅のペース。運賃の支払いは現金のみだが、最長距離の盛-久慈間の運賃は4,000円近い。クレジットとは言わずとも、せめて交通系ICかQRコードあたりが券売機で使えると嬉しいのだが、乗車した時点では現金のみしか利用できなかった。

しばらく待っていると、先ほど乗ってきたBRTと同じ方向から列車が到着。同路線の車両は白地に赤、青と割と鮮やかな塗装だが、この車両には漫画「ゴルゴ13」の主人公が大きく描かれてより一層目立っている。ちなみにこのラッピングは海に散らばる海洋ごみ削減の取組みについて呼びかけているのだとか。

車両をよく見ると、助手席側窓下には「クウェート国からの支援に感謝」のメッセージが掲げられている。調べてみると、2011年の東日本大震災の際、復興支援として同国より相当量の原油が無償提供されており、この原油を販売した代金は復興支援金として、岩手、宮城、福島の3県に分配されたとか。このうち岩手県はこれを三陸鉄道の運行再開費用に充当し、車両を購入した、ということのよう。

車内は他の普通列車用車両と同様、転換クロスシートではないボックスシートだが、こちらの車両は各ボックスに割と大型のテーブルが設置されているのが一般車両との相違点。そういえば、数回乗車すれば一度くらい旧型車両に当たるかと思ったが、この時期日中はあまり稼働していなかった模様。
(通常の車両についてはこちら)

出発時刻までにそれなりの人数が乗車して盛駅を出発すると、釜石駅までは4分から5分に1駅くらいのペースで進む。路線の最高速度は90km/hのようだが、ボックスシートに腰掛け、窓から離れた位置で前方を眺めているからだろうか、それほど速度が出ているようには感じられず、のんびり走っているように見えた。

列車は約50分でJR釜石線も発着する釜石駅に到着。駅構内には星空模様の建物があるが、これは当時運行されていた「SL銀河」用蒸気機関車の検修庫。2014年に運行を開始した同列車はエンジンがついていて自走できる客車を使用しているのが特徴だったが、JR北海道から中古で導入した車両のため老朽化が激しいことを理由に2023年春を以て運転を終了してしまった。10年ほどしか使用されていない建物だが、SLがやって来なくなったいま、何に使われるんだろうか。
(上空から見つけた同列車はこちら)

釜石駅で数分間停車したのち、宮古駅に向けて出発。乗車している分には何の変化もないが、システム上は元々の南リアス線、旧山田線、北リアス線でそれぞれ分かれているようで、釜石駅で列車番号が南リアス線の2207Dから旧山田線の2011Dに変わったらしい。
釜石駅からしばらくの間は震災による被害の大きかった地域で、鵜住居(うのすまい)駅、大槌駅と続けてJR山田線の三陸鉄道移管時に建て直された、割と設備の新そうな駅が続いた。その大槌駅の次の停車駅は吉里吉里(きりきり)駅。珍しい駅名だがここ最近誕生した新駅という訳ではなく、開業は1938年。駅名の由来は諸説あるようだが、駅近くにある砂浜の鳴く音が由来と言われているとか。

その後も列車は淡々と走り、最終の停車駅、磯鶏(そけい)駅を出発すると列車は進路を大きく左にとって閉伊(へい)川を渡り終点の宮古駅へ向かう。先の吉里吉里駅しかり、どういう訳か旧山田線区間は珍しい駅名の駅が多い。

駅のある宮古市は人口5万人ほどで、三陸鉄道沿線では最も大きな街。自治体としての面積は県内1位、全国でも11位なんだとか。参考までに、日本で一番面積の大きな自治体は岐阜県の高山市で、面積では東京都と同じくらいだそう。
列車はちょうどこの数日前、青森方面から三陸鉄道に乗って宮古駅へ到着し、JR山田線に乗車した乗り場の向かいに到着。3方面に分岐する駅を乗り潰そうとすると、なかなか効率的なルートを組むのが難しい。
(JR山田線に乗車した際の記録はこちら)

盛から2時間ほどかけて宮古までやって来たが、この日は宮古ではなく釜石へ宿泊する予定。単に乗ってきたルートを折り返すのは趣味に反するが、他の交通機関もないので致し方なく折り返して釜石へ向かった。ちなみに宮古は近年のご当地グルメ「瓶ドン」や、浄土ヶ浜海岸など割に観光資源が豊富なので、観光でやって来るにも良いところ。
というお話。