便名 : 九州号46632便
日付 : 2022/12/xx
区間 : 博多バスターミナル(14:16)→長崎駅前(16:49)
所要時間 : 02:33
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運行 : 九州急行バス
当初は福岡から対馬、壱岐と廻って長崎空港から東京に戻るスケジュールだったが、この日は海が荒れていて、船が欠航しておりルート変更を余儀なくされた。あれこれ思案した結果、午前いっぱい福岡県内にいて、午後早い時間の高速バス「九州号」で長崎へ向かうことに。
福岡と長崎を結ぶ「九州号」は他県の高速路線バスと異なり、発着地の地場のバス会社による運行ではなく、九州急行バスという会社が運行している点に特徴がある。同社は特定の会社の子会社ではなく、西日本鉄道(西鉄)、昭和自動車、祐徳自動車、西肥自動車、長崎県交通局が各20%ずつ持分を所有している。ただ、ホームページは西鉄のドメインで製作されているようで、やはり実質的には西鉄の影響力が最も大きいのかもしれない。それにしても、どういう由来で福岡と長崎を結ぶ路線に「九州号」と名付けたんだろうか。
(「九州号」公式サイトはこちら)
冒頭、この日は海が荒れていた、という話をしたが、この日は陸上も天気が荒れていて、九州北部は早朝から雪模様。長崎方面は諫早から先の高速道路が積雪によって通行止めになっていて、高速バスも朝から運休が続いていた。ただ、正午を過ぎて長崎方面は状況が改善され始めた*1ようで、今回乗車する14:16の便から徐々に運行再開され始めたという状況。
今回バスに乗り込む「博多バスターミナル」はJR博多駅筑紫口を出て右手の建物。駅2階からバスターミナル2階まで屋根つきのデッキで接続されているので、これを利用してアクセスするのが便利。建物に入ると床には各バス乗り場への導線がマーキングされているので、これに従って歩いていくとバス乗り場に辿り着く。
九州号は福岡発着高速バスの中でも比較的本数の多い路線で、博多バスターミナルでは熊本行きの「ひのくに号」同様に専用の乗り場(37番)が用意されている。この日は降雪によっていくらか運休になっているが、通常は時間あたり2-3本が運行されている。また、繁忙期には本便に続く2号車以降の続行便、もしくは臨時便が設定されることも。
運賃は通常片道料金で2,900円。新幹線よりも30分以上時間は掛かるが、その分運賃は「ネットきっぷ」との比較でも1,000円以上安価*2。Web回数券を使用すれば2,250円まで下がる。
座席はかつては2列+1列の横3列配置だったのだが、いつしか2列+2列の横4列配置に変わっている*3。運行再開初便ということもあり座席はかなり早い段階から埋まっていて、出発1時間ほど前に予約した段階では通路側に数席の空きがあるのみだった。
九州号にはいわゆる「特急便」と「各駅便」の2種類があるが、今回乗車するのは「特急便」のほう。特急便だけ取っても、途中大村インターに停車する便や長崎バイパスではなく出島道路を経由する便があるなど、比較的運行経路は多彩というか複雑。
当日はこれだけ混雑しているから飛び込みで乗車できるというような感じではなかったが、運賃箱にはICカードリーダが設置されていて、他の西鉄系高速バスと同様に支払いには交通系ICカードを使用することができる。
バスは博多バスターミナルを出発し、20分ほどで西鉄天神バスターミナルに到着。ここで続々と乗車があり、最前列以外のほぼ全ての座席が埋まった。ここで、どういうわけか運転士さんが2列目の私に前席に移動して良いと声を掛けてくれたので前席に移動。
バスは天神北入口から福岡都市高速へ入るが、前方には都市高速名物の路線バスが数台連なっていた。都市高速は定員を越えた乗客が乗っていても路線バスが走行することが許されていて、例えば野球の試合がある際なんかは満員のバスが走っていることもある。そんなバスの写真を撮ろうかともたついている間に別方向へ消えていった。
バスは環状線を千鳥橋ジャンクションに向かうが、進行方向左手には福岡タワーと博多港がある。比較的手前の方に赤く目立つ船が係留されているが、これはJR九州の「QUEEN BEETLE」。つい最近の2022年11月にようやく本来の用途で利用できるようになったとか。
九州道の太宰府インターチェンジに向かって都市高速を進んでいくと、進行方向左手には福岡空港が見えてくる。各停便の一部は国際線ターミナルに立ち寄るが、この便は天神バスターミナルの次の停留所が長崎市内であっさり通過。不安定な天候ゆえ福岡空港もダイヤが混乱しているようで、滑走路端には離陸待ちの飛行機がたくさん。
九州道に入ってもしばらく雪が降り続いていたが、バスはさほど普段と変わらない様子で進む。ただ、他車は不馴れな天候ゆえ通常よりもスピードが落ちていて*4、普段よりも間合いを図るのが難しそうに見えた。
鳥栖ジャンクションからは長崎道に入るが、佐賀県内は風雪共に強い状況。ぼーっと前方を眺めていると、追越車線でどこかから飛んできたか落下したと思われるブルーシートが宙を舞っていた。ちなみに、道路上に落下物を認めた場合の連絡先は「#9910」。
(「道路緊急ダイヤル」はについてはこちら)
佐賀県から長崎県に入るくらいのところで進行方向左手を見ると遠目にはえらい雲模様をしているのが見えた。このようなとき、雨雲の場合は雲の真下でえらい雨が降っているのだが、雪雲の場合はどうなっているんだろうか。
この辺りから少しうとうとし始め、起きると大村インターチェンジに差し掛かる頃。高速を下りて一般道で10分ほど走ると長崎空港があり、長崎空港から長崎市内行きのリムジンバスはここから高速に乗って来る。
コンビニエンスストアでもしばしば目にする、「株式会社たらみ」の大きな工場?倉庫?が見えてくると長崎多良見インターで高速走行を終え、長崎バイパスに乗換え。しばらくカーブの多い道路を走っていって川平インターチェンジから一般道に入ると最初の降車地、昭和町に到着。
昭和町の次が平和公園で、約2kmほどの距離。長崎も九州他県と同様にバスが多い土地柄で、前方と右側をバスに囲まれながら走って到着。ちなみに前方に見える洋館風の建物は「長崎西洋館」で、建物を路面電車が突き抜けていく少し変わった風景が見られるところ。
バスは天候不良の影響をそれほど受けず、定刻から5分ほど過ぎた16:55頃長崎駅前に到着。朝の時点ではどうなることやらと思ったが、とりあえず長崎に到着することができてひと安心。バスは乗客を下ろすとすぐに車庫に向かって出発していった。
新幹線よりも1時間ほど時間は掛かるが、それほど急いで行く用事があるでもなし、個人的には乗換えの不要な高速バスで十分かなという感じ。ただ、急ごうと思えば急げるといったように、用途にあわせて選択肢が増えたことは良いことだと思う。
というお話。