便名 : 九州号46329便
日付 : 2024/03/xx
区間 : 長崎駅前(14:30)→博多バスターミナル(17:37)
所要時間 : 03:07
乗車クラス : 普通席(座席指定制)
運賃 : 2,900円(事前クレジットカード決済)
運行 : 九州急行バス
長崎に宿泊し、福岡空港からの飛行機に乗るため高速バスで博多へ向かう。利用するのは九州急行バスの運行する「九州号」のうち、各バス停に停車しながら進む各駅停車的存在の便。
(公式サイトはこちら)
始発の長崎駅前について、九州号を含む長崎県営バス系列の高速バスは「県営バスターミナル」からの出発。従来は駅から大通りを挟んで向かいくらいの位置だったが、新幹線の開業に先駆けて駅がかなり西に移設されたこともあり、現在ではかなり離れてしまっている。
このあたり、駅前の歩道には線路?が3本横切っている。何やらわからないが、かつてここに線路が通っていたというオブジェ的な配置だろうか。
ちなみにこの裏手には比較的立派な交通広場が整備されてつつあるのだが、高速バスや空港連絡バスはここには発着しない。県営バスターミナルがあるから、ということなのだろうが、せっかく整備するならここを発着すればいいのにと思ってしまう。なお、件のバスターミナルについては新築建替えの議論がされてはいるものの、一度ご破算になったこともありまだ完成時期は確定していない模様。
新しく出来上がったJR九州の商業施設に沿って東へ向かっていくと、以前訪問した際には何とも接続されていなかった、エレベーターとエスカレーターが設置されたデッキの入口が現れる。従前の歩道橋と接続する部分は割に貧弱な仮設構造になっているから、今後は順次作り替えられていくんだろうか。
そういえば、今回訪れた際には以前はなかったと思われる路面電車の乗り場に接続するエレベーターが増設されていた。せっかくなら新幹線の開業を機に路面電車の線路を引き直した鹿児島や熊本のように長崎もJR駅に近いところを通せばいいのに、どうやらそこまでの大改造にはならなかったらしい。
(前回訪問時の記録がこちら)
さて、県営バスのターミナルビルに到着したが、今回乗車する福岡行きの「九州号」は建物に入って目の前にある乗り場ではなく、地下通路を抜けて第2ホームからの出発。便数が多いからかもしれないが、エレベーターもエスカレーターもないので、上り下りがちょっと面倒ではある。
(第1ホームから出発する路線についてはこちら)
第2ホームへは構造上車路を横断して向かうことができず、地下通路経由。「コインロッカー」の文字はいつぞや東京で流行った「修悦体」っぽい見た目だが、いつ設置された看板なんだろうか。
九州号には速達便の「スーパーノンストップ」と「各停便」の2種類があるが、今回乗車するバスは後者の各停便のほう。しかも途中嬉野バスセンターに立ち寄り、福岡空港(国際線)を経由するという、最も停車停留所の多い系統に乗車する。
(逆方向だが、速達便についてはこちら)
どうやら以前は系統によって乗車方法が使い分けられていて、各停便は座席定員制(自由席)だったようだが、2021年以降はいずれの便も座席指定制で運用されている。
速達便と比べて所要時間が約40分ほど余計にかかり、途中で速達便に追い抜かれる各停便となれば割と空いていると思って油断していたが、どうやらこの日はほぼ満席。速達便は福岡空港を経由しないから、インバウンドの観光客なんかが多く乗車していたらしい。
また、地点間の移動時間を見れば新幹線よりもいくらか時間がかかるものの、JRでは直接行くことのできない福岡空港や天神などが目的地の場合は乗換えを含めた所要時間に大差がない。それゆえ、新幹線開業後も値段が手頃な高速バスの需要が根強いというのも納得できる。それと、個人的には少し乗って乗換えるというのは結構煩わしい。
かつては1列+2列の横3列配置だった「九州号」だが、現在は全ての便が2列+2列の横4列配置。4列であってもJRバス系列の「楽座シート」くらい横幅があれば嬉しいのだが、座席そのものは肘掛けこそ設置されているものの標準的なもので、補助席は設置されていない。なお各座席にはUSB電源が1口設置されている。
全車両を横4列シートに置き換えた上、それなりに距離を走ることもあって全体的に車両の新しい九州急行バスだが、今回乗車したのは中でも比較的新しい車両。客席の最前列左右には運転士に異常が生じた際にバスを緊急停止させることのできる、非常ブレーキのボタンが設置されている。幸いにして今まで使用したことはないが、引き続き今後も使用する機会のないまま過ごしていきたい。
各停便には速達便のような大波止経由が設定されていない*1ので、長崎駅前を出発すると駅前を右折して浦上方面に進み、長崎市街地では平和公園と昭和町に停車。市街地のダイヤがかなり厳しめのようで、昭和町バス停に到着した時点ですでに5分ほどの遅れが発生。各停留所では数人ずつ乗車があった。
バスは川平インターチェンジから長崎バイパスに入り、長崎多良見インターチェンジから長崎動車道に合流。遅れは回復されることもなく、そのまま5分ほど遅れて諫早インターバス停に到着。このバス停は料金所の外にあって通りに面している。ここでは他路線の高速バスの発着と重複し、先行車両が出発したのちバス停に停車。
その後高速道路上にある大村木場、インターチェンジの一角にある大村インターバス停と停車。各バス停とも数人ずつではあるが乗客がいるあたり、かなり高速バスが根付いている様子が見てとれる。なお、
大村インターを出ると20分ほど走って嬉野インターバス停に到着。ここは「インター」を名乗るバス停ではあるものの料金所を出た一般道上にあり、バスは一旦料金所を通過してバス停に向かうような格好。徒歩でアクセスするような環境には見えず、誰かに送迎されるか、パークアンドライドで利用するような使い方がメインだろうか。
便によっては「嬉野インター」バス停のみ停車する場合もあるが、この便は一般道を5分ほど走って街中にある「嬉野バスセンター」に立ち寄り。ここは新幹線の開通に伴って開設されたJR嬉野温泉駅から約2.5kmほど離れていて、街の中心部にはこちらのバスセンターの方が近い。
同バス停では長崎駅方面から乗車した乗客の中に一部降車があり、かと思えば空いた席に早速別の乗客が乗ってきた。福岡•長崎の市街地内利用や、大村から長崎駅前までといった利用はできないそうだが、それ以外の区間については乗降共に可能。
速達便は途中休憩なしに福岡と長崎を結んでいるが、所要時間が長いからだろうか、各停便は途中多久パーキングエリアで5分の休憩がある。ただし施設自体はそれほど大規模なものではなく、お手洗いと自動販売機があるだけのような感じ。ごく短い休憩時間だが、運転士さんはタイヤとエンジンルームの点検を実施していた。ちゃんと休息できているんだろうか。
多久パーキングエリアでの休憩を終えると徐々に交通量の増えてきた長崎自動車道を東進し、鳥栖のクローバー型ジャンクションを通過。大分や熊本、宮崎•鹿児島方面へ向かう高速バスに乗換え可能な高速基山、筑紫野と経由し、太宰府インターから都市高速に入った。
国内線ターミナル経由のバスが利用する金の隈出口を通過し、半道橋出口で一般道へ降りると、交差点を右折して17:15頃、定刻よりも10分ほど遅れて福岡空港の国際線ターミナルに到着。2024年3月当時の国際線ターミナルは中から外から大規模なリニューアル工事の最中であちこちにフェンスが立っていた。
国際線ターミナル停車中のバスからは休憩中のターミナル間連絡バスの姿が見えた。概ね6-7分ごとに運行されている連絡バスに乗車すると、国内線ターミナルから国際線ターミナルまで空港外周に敷設された専用道路経由で約10分ほど。2021年頃からは連接バスも導入されている。
(連絡バスについてはこちら)
バスは福岡空港を出ると、西鉄天神高速バスターミナルを経由して終点の博多バスターミナルへ向かう。福岡空港から天神までは約7kmで、一般道経由でも殆ど所要時間に差はないが、榎田入口から再度都市高速に乗って天神北出口まで向かった。
千鳥橋ジャンクションを経由し右手に博多ポートタワーが現れる頃、真っ赤な大きな船が見えてきた。これはJR九州高速船の運航する「クイーンビートル」。導入当初はCOVID-19の影響で当初予定した航路に就航できず国内でお試し運航をしていたが、ようやく最近は本来の役目を果たし始めたらしい。
(「クイーンビートル」についてはこちら)
相変わらず乗用車よりもバスの台数の方が多い気さえする天神の街を抜けて、17:40頃西鉄天神バスターミナルに到着。以前は「バスセンター」だったような記憶が朧げに残っていたが、どうやら記憶違いではなく、2015年に「西鉄天神バスセンター」から改称されたらしい。面積としてはあまり大きなバスターミナルではないものの、日に1400便近い本数が発着するらしく、これは東京の「バスタ新宿」と同程度の本数。
天神を出る頃にはさらに遅延が拡大し、終着でJR博多駅前にある博多バスターミナルには定刻より15分遅れの17:55頃に到着。
ところで地下経由で博多駅に向かう道中には、ずいぶん妙なデザインのバスターミナルの案内看板が掲げられている。大阪辺りにある分にはあまり違和感ないが、これが福岡となるとどこか違和感がある。
当初はここから小倉へ移動し、北九州空港発の最終の飛行機で東京へ戻る予定だったが、この日は荒天により飛行機が欠航し、急遽予定を変更することに。福岡空港発の便に振替えた上で、地下鉄に乗って空港へ向かった。
というお話。