日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】福岡•福岡空港-日田線(日田営業所/博多バスターミナル)


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便名 : 便名なし(ひた号)
日付 : 2023/06/xx
区間 : 日田営業所(16:39)→博多バスターミナル(18:24)
所要時間 : 01:45
乗車クラス : 普通席
運賃 : 1,980円(交通系ICカード決済)
運行 : 日田バス

JR日田彦山線の列車代行バス日田駅までやって来た。

(ここまでの移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

日田からは博多に戻る訳だが、今回利用するのは西鉄バス日田バスが共同運行する「福岡•福岡空港-日田線」。あまり愛称で呼んでいる人は見たことがないが、「ひた号」という愛称もついている。日に30便以上が運行されていて、割と運行便数の豊富な路線。

(事業者公式サイトはこちら)

www.nishitetsu.jpバスはJR日田駅前のバスセンターも経由するのだが、時間が中途半端に余っていたこともあって歩いて始発までバスを捕まえに行くことに。駅から道なりにまっすぐ歩いていくと、10分も歩かないうちにバスの車庫に到着。始発となる「日田営業所」のバス停は車庫の出入口際のところに設置されていた。

日田営業所 施設外観

日田営業所/ 車庫の一角にバス停

こちらは日田バスの車庫だが、今回乗車する路線は西鉄バスの方が運行本数が多いこともあり、場内には結構な台数の西鉄バス所属の高速バス車両が陣取っていた。尤も、日田バス西日本鉄道の完全子会社のようだから、他社のバスという感じでもないのかもしれない。

日田営業所 施設外観

日田営業所/ 車庫内には高速バス車両が多め

日田から博多まで乗り通すと2時間弱の所要時間を要するが、どうやら一定の通勤需要がある?ようで、通勤時間帯を中心に土休日よりも平日の方が運行本数が多く設定されている。朝6時台なんかは博多駅行き、天神行きを合わせると1時間に6本のバスが運行されていて、最も間隔の短いところでは5分おきにバスが出発する。

日田営業所 営業所構内のバス停

日田営業所/ 主に空港経由博多駅行きと天神行きの2系統

そういえば、バス停の近くにはかなり数を減らしつつある「B高」と呼ばれる高速バス車両が駐車していた。この車両、西日本鉄道の子会社だった西日本車体工業という会社が製造していた車体を使用していて、いっとき西鉄では短距離•中距離の路線を中心に、結構な勢力を誇っていた。方向幕をはじめとして、車両の多くの部分が一般道の路線バスと共通仕様になっている点が特徴的。

日田営業所 「ひた号」の車両

日田営業所/ だいぶ数を減らした「B高」タイプの車両

こちらのバス停から通常運行されているのは今回乗車する福岡空港を経由して博多駅(博多バスターミナル)へ向かう路線と、空港は通らずに天神へ直行する2系統なのだが、開催日にはPayPayドームへ直行するバスが運行されるんだとか。

実際、開催日に福岡からバスに乗ろうとすると満席で乗車できないことがあり、バス会社も臨時便を運行することによって対応していることが多い。これは完全に印象だが、東京から同程度離れている札幌よりも、福岡の方がイベントごとは盛り上がっているように見える。札幌は冬場に外に出づらく、通年でイベントが開催しづらいというのも影響しているだろうか。

日田営業所バス停の案内書き

日田営業所/ 繁忙期はドーム行き直行バスも運行される

ともあれ、しばらく待っていると車庫の奥の方にいたバスがやって来て、数人が乗車。なお、いずれの路線も予約は不要で、運賃の支払いにはSuicaなどの交通系ICカードも利用可能。

日田営業所を出発すると、先ほど代行バスを降りたJR日田駅前の道路を挟んで対面にある日田バスターミナルに立ち寄り。勿論九州も数を減らしつつあるのだが、日本全国との比較では相対的に「バスターミナル」の類が残っている地域。

日田バスターミナル JR久大本線日田駅前

日田バスターミナル/ 日田駅の道路挟んで向かい側にある

運賃表に「150円」の表示がある通り、高速バスタイプの車両でありながらこの路線は博多市内の一部区間を除けば全区間を通じて乗車不可、降車不可の区間がない。それゆえ、日田市内のみの利用も可能。路線数が多いのも原因ではあるが、九州はどの高速バス路線はどこで乗降できるかが分かりづらいのが難点。

高速バスひた号 車内

高速バスひた号の車内/ 日田市内のみの利用も可能

バスは日田市内でいくつか停留所に停車し、日田インターから大分自動車道に入る。インター近くには「日田インター口」のバス停があるが、これは福岡と大分を結ぶ「とよのくに」号、大分と長崎を結ぶ「サンライト」号、福岡と湯布院を結ぶ「ゆふいん」号などが停車する「高速日田」バス停とは違うところに設置されている。

両者を徒歩で連絡することもできないことはなさそうだが、距離にして1kmほど、徒歩で15分ほど離れているようなので、あまり実用的な乗換えではないかもしれない。楽に乗換えようとすると、もう少し福岡寄りの高速基山バス停なんかで乗換えることになるだろうか。場合によっては目的地を少し行き過ぎて戻るような形にはなってしまうが。

■地図情報

尤も、乗換えが必要になるのは日田インターから高速基山までの限られた停留所へ向かう場合に限られるから、そもそも需要がそこまで多くはないのかもしれない。なお、「サンライト」号に限っては高速甘木にも停車するので、ここで乗換える方が良さそう。

高速道路に入ると殆ど各インターチェンジごとにバス停があって、流出と合流を繰り返しながら福岡へ向かう。なお、平日の朝ラッシュ時には、高速甘木を出ると博多バスターミナルまで途中呉服町にしか停車しない、もしくは杷木から高速基山のみに停車して天神高速バスターミナルへ向かうといったような特急•急行便も設定されている。

ちなみに停留所によってその設置場所は様々。最初の停留所となる杷木(はき)は料金所を出て1km弱離れたところにあったり、料金所付近にバス専用のUターン路が整備されている朝倉インター、高速甘木のようなバス停があったりといった塩梅。

高速バスひた号 杷木バス停付近

杷木付近/ このバス停のみ高速道路から少し離れた場所

続けて停車する高速大刀洗(たちあらい)、高速小郡大板井は高速道路本線上のバス停。小郡大板井の方は高速道路と甘木鉄道が並走していて、バス停とほぼ同じような場所に「大板井」駅があり、相互に乗換えが可能。また、少し離れてはいるものの、徒歩15分ほどで西鉄小郡駅への乗換えもできそう。

■地図情報

この日はそれほど渋滞も起こっていなかったが、何度か利用した経験上、週末などは鳥栖ジャンクションの手前から都市高速に乗換える太宰府インターチェンジあたりまでの区間で渋滞が発生することが多い。それゆえ、夕方の便で福岡空港へ向かうような場合には1時間程度の余裕分を持っておくことが望ましい。

バスは太宰府インターチェンジから福岡都市高速に入ってほんの少しだけ走り、金の隈(かねのくま)出口で一般道に下りた。2024年現在、高速バスの多くは国際線ターミナル前を発着するが、このバスは国内線のみの停車で18:12にターミナル前に到着、半分強がここで降車した。

高速バスひた号 福岡空港国内線バス停

福岡空港国内線/ 国内線側を発着する高速バスはあまり多くない

バスは博多バスターミナルまでの間、「東光二丁目」のみ停車。今までここで下車する乗客を見たことがないのだが、通勤時間帯なんかは利用されているんだろうか。

福岡空港から約10分ほど走り、定刻よりも5分ほど早い18:20頃に終点の博多バスターミナル2階の降車場に到着。相変わらずバスターミナルの入口はものすごい狭さで、よくこんなところを走れるなというのに感心してしまう。よくよく見ると側壁には何かしらがぶつかった跡がしばしば見られるが、こんな造りをしているのだから訳もないことのような気がした。

日田から博多まではJRでも特急に乗れば同じくらいの所要時間で移動することができるが、如何せんJR特急は本数が少なすぎて利便性に欠けるうえ、1,000円ほど余計にかかる。こういったところを地道に拾っていけばいいのにとも思うが、JR九州にその熱意はなさそうな。ともすると、バス運転士不足は深刻化の一途を辿っているものの、しばらく高速バス優位の状況には変わりがなさそう。

というお話。