日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】ライラック13号(札幌/旭川)


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便名 : ライラック13号
日付 : 2024/02/xx
区間 : 札幌(11:00)→旭川(12:25)
所要時間 : 01:25
乗車クラス : 普通車指定席
運賃 : 5,220円(旭川四条まで•クレジットカード決済)
運行 : JR北海道

JALの始発便で東京から札幌(千歳)に到着。旭川空港を午後に出る便を予約していたので、東京に戻るまでの間にどこかしらの観光をしていくことに。

(ここまでの移動はこちら)

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新千歳空港えきから若干遅延気味の快速「エアポート」に乗って09:00過ぎに札幌駅に到着。札幌の「雪まつり」と旭川の「冬まつり」、どちらを訪れるか悩んだ結果、限られた時間の中ではアクセスのしやすい札幌のほうを訪れることに。

とりあえず札幌駅到着から2時間後、11:00発の特急「ライラック」を予約し、JR駅構内にあるコインロッカーに荷物を預けて街中へ。ちなみに朝9時過ぎの時点ではコインロッカーにいくつか空きがあったが、戻ってくる頃には全て埋まっていた。

札幌駅から「大通地下歩行空間」を15分ほど歩いて大通公園に到着。「雪まつり」は「大通会場」「すすきの会場」「つどーむ会場」に分かれているが、札幌駅からアクセスしやすいのは「大通会場」と「すすきの会場」。3丁目会場の前あたりで地上に出ると、この辺りは市民雪像のエリアになっていて、目の前にはいくつかの小雪像が並んでいた。

2024年の札幌雪まつり 大通会場

大通会場/ 3丁目は市民雪像の会場

そこから西に進んでいくと、4丁目会場、5丁目会場と数が増えていく。各会場にはテレビ局が中心となってテーマを持たせた大雪像が展示されている。例えばHBCノイシュバンシュタイン城(ドイツ)、HTBは旧札幌停車場といった感じ。一部の雪像自衛隊の協力を受けて制作されているのだとか。

2024年の札幌雪まつり 大通会場

大通会場/ HBCノイシュバンシュタイン城を展示

この日は夜には九州にいる予定になっていたこともあり、厳寒期の北海道にしては軽装で訪れていた*1ため、あまりあちこち歩き廻ることのできるような状況でもなかった。それゆえ、雪まつりの見物といってもそれほど長い間歩き回れるではなく、ごく近場を1時間弱見れば十分満足した。

ごく短距離ではあるものの、大通公園近辺からバスに乗って札幌駅まで戻ろうかと思ったのだが、この辺りから札幌駅に向かうバスの利用者はさほど多くないようで、バス停が完全に雪に埋もれていた。これではバスが停まったところで乗り込むことができないので、致し方なく歩いて向かうことに。しばらく歩いたところで通過していった、定山渓温泉方面から来たと思しきバスの屋根にはしこたま雪が載っかっていた。

札幌雪まつり会場近くを通過するじょうてつの路線バス

大通公園付近/ じょうてつの路線バスは屋根に沢山の雪が載っていた

大通公園を東に進み、テレビ塔に近づいたところでJR札幌駅に向かって左折、通りを少し進んだ交差点の角には「札幌時計台」がある。どんどん周囲に背の高い建物が増えていくから、存在感がどんどん薄れてしまっている。

ちなみに隣にあるのがラジオ局「AIR-G」の入るビルで、HTBのテレビ番組「水曜どうでしょう」でも登場したことがある。一般的に時計台は交差点の角から撮影することが多いが、交差点の向かいのビルの2階にある撮影スポットからの方が全景は撮りやすいかもしれない。

雪まつりシーズンの札幌時計台

札幌時計台/ 背の高いビルに挟まれていて、存在感は薄め

この日は天候が不安定で、短時間のうちに雪が降ったり晴れたり目まぐるしく変わる空模様。札幌駅前にあり、再開発によって高層ビルに建て替わる予定の「ESTA」はすでに閉館しているが、取り壊しはまだそれほど進んでいないようで外見はそのまま残っていた。どうやら新しく建つビルは昨今の資材費等高騰の影響を受け、計画の見直しを迫られているとか。

取り壊し前の札幌エスタ

札幌駅前/ 同エリアの再開発計画は若干怪しげ

前述のビル建替えを受け、一時的にバスターミナルが閉鎖されているため、札幌駅から都市間バス等に乗車しようとする場合、北海道庁前などのそれなりに離れたバス乗り場に変わっている場合があるため注意が必要。雪が溶けるまでの間はそれなりに移動が大変そうな状況に見えた。

(逆方向だが、旭川-札幌間の高速バスはこちら)

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札幌駅前バスターミナル改装中のバス乗り場

札幌駅前/ バス乗り場はあちこちに散らばっている

何だかんだ2時間弱散歩し、札幌駅に戻ってきた。この2月上旬という時期は北海道の観光繁忙期のようで、「トクだ値」は早々に売り切れとなっていた上、通常価格の指定席も出発直前には満席となるような混雑具合。

出発2時間前に予約した時点では普通車指定席は最前列しか空いておらず、やむ無くここを指定。当初は乗車率が低ければ自由席でもいいかなと思っていたが、数百円をケチったが故に1時間立ちっぱなしというのは避けたいところ。

JR札幌駅の駅名標

JR札幌駅/ 駅構内は屋根付きで薄暗い

どうやらこの日は通常この列車に使用する6両編成で緑色の車両(旧「白鳥」の車両、グリーン車連結)に不具合が発生したようで、急遽5両編成で銀色の車両(全席普通席)に差替えられた模様。グリーン車が非連結になってしまったので、一旦記載された特急券と同じ番号の席に座った上で、降車駅で精算してほしい旨の放送が何度か入っていた。

JR札幌駅 JR北海道の特急列車

JR札幌駅/ どの車両も概ね似たデザイン

この車両は当日すでにある程度走ったあとなのか、車両正面の列車名を表示するモニタが殆ど雪に覆われて見えなくなっていた。ちなみに、雪の影響もあるんだとは思うがJR北海道は踏切事故など障害物との接触事故が多く、運転士の負傷防止のために近年のうちに製造された特急列車はどれも運転席が高いところに設置されるようになっている。

JR札幌駅 JR北海道の特急列車

JR札幌駅/ 列車名の表示は雪に埋もれている

朝方に乗車した快速「エアポート」のみならず、何やらこの日は朝からJR各路線ともに若干遅れながら運行しており、このライラック13号は釧路から約20分ほど遅れて到着した「おおぞら2号」からの乗換えを待ってからの出発。

この列車が走る函館本線もダイヤが狂っているようで、遅れている先行の普通列車を追いかけながら進んでいくためしばらくは徐行運転。終点の旭川駅では本数の少ない普通列車に乗換える予定だったからどうなるやらと思いつつも、今更焦ったところでどうなるものでもない。

それにしても、札幌から旭川に行く特急列車が函館本線を走るかと思えば、函館に行く特急列車は函館本線を走らず千歳線を進むなど、北海道は路線と列車が綺麗にリンクしないから、慣れないと分かりづらい。

特急ライラック 雪深い函館本線

函館本線/ 線路と畑の区別がつかない

ちなみに札幌を出て20分ほどで通過する豊幌駅の近くには、少し妙な「江別市まで40,000km」という看板が立っている。列車内からも見つけることはできるはずなので、気にして見てみるというのも良いかもしれない。

別日撮影 江別市まで40,000kmの看板

別日撮影/ 豊幌駅付近にある「江別市まで40,000km」の看板

列車は約10分ほど遅れて最初の停車駅、岩見沢駅に到着。隣のホームには「ばんえい競馬」でお馴染みの「曳き馬」のオブジェがディスプレイされている。この曳き馬、体高は2m近く、重量は1tほどもあるんだとか。

特急ライラック JR岩見沢駅

JR岩見沢駅/ 馬は1t近い重さがある

その後「美唄やきとり」で有名な美唄(びばい)に停車すると、砂川、滝川、深川、旭川と「川」のつく駅名が4つも連続する。最初の砂川駅は乗降客数が日に1,000人ほどだが、網走からの「オホーツク」と稚内からの「宗谷」以外の特急列車が全て停車する駅。

(かつての「オホーツク」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

(「宗谷」についてはこちら)

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特急ライラック JR砂川駅

砂川駅/ ここから「川」が4駅連続

続いて停車するのが滝川駅。先の砂川駅との駅間距離は約8kmで、途中に駅はないので特急列車も普通列車も連続して停車することになる。駅舎側のホームには先日一部区間が廃止になった根室本線が発着していて、富良野まで向かうことができる。砂川駅よりも少し規模の大きいイメージをしていたが、同駅も乗降客数としては日に1,500人に満たない程度。

特急ライラック JR滝川駅

滝川駅/ かつてはここから釧路行の普通列車が出ていた

ちなみに滝川駅から1時間弱歩いたところには、2020年に末端の一部区間が廃止となった学園都市線こと札沼線新十津川駅があった。この札沼線、路線名の通り当初は札幌と石狩沼田を結ぶ路線だったそうだが1972年に石狩沼田と新十津川の間が廃止され、その後2020年に新十津川から北海道医療大学までの間が廃止されてしまった。

その後2023年には駅名にもなっている北海道医療大学エスコンフィールド北海道近くに移転するような報道もあり、同路線の行く末が気になるところ。つい最近ROYCEの工場近くに新駅を開設していたから、突然どうこうということはないはずだが。

かつての新十津川駅 駅舎外観

かつての新十津川駅/ 末期は日に1往復だけ列車が来ていた

その次の深川駅はかつての深名線と、留萌本線の分岐する深川駅。2016年までは増毛まで繋がっていた留萌本線だが、2023年3月末に石狩沼田から留萌までが廃止になり、2026年には残る深川から石狩沼田までの区間についても廃止される予定のよう。前述の札沼線が廃止になってから約50年、石狩沼田はついに鉄道の来ない町になってしまう。

それにしても、一昔前ば廃線となればバス代行、というのがよくある形だったが、この運転士不足のいま、果たしてバス代行はできるんだろうか。尤も、ここよりも小樽だとか余市近辺の方が大変そうだが。

特急ライラック JR深川駅

深川駅/ かつては3路線発着していたが、将来は1路線のみに

序盤の遅延はどこかで回復するかと思ったが、列車は淡々と走り定刻よりも15分弱遅れて終点の旭川駅に到着。接続する各線の普通列車は特急列車の到着を待っていて、いずれも10分ちょっと遅れて旭川駅を出発。エスカレーターやエレベーターがあるとはいえ、到着したホームと別のホームから出発するから乗換えは少々めんどくさい。

JR旭川駅 宗谷本線下り方面

JR旭川駅/ 普通列車ライラック号の到着を待って出発

そういえばこの日、旭川駅のホーム端には線路の除雪を行う「ラッセル車」が停まっていた。存在は知っていたが、何だかんだで実際に走っているところを見たのはこの日が初めてかもしれない。この手の車両は早朝深夜に走っているイメージだが、食事をして戻ってくると別の車両が停まっていたから、日中も走っているのかもしれない。

JR旭川駅 宗谷本線下り方面 ラッセル車

JR旭川駅/ 日中も走り回っていたらしい

旭川では駅を14:30前に出る空港連絡バスに乗るまでの間に食事を摂る予定。気になっていたお店は普通列車で1駅進んだ「旭川四条」という駅の近くにあり、とりあえず普通列車に乗換えて目的地へ向かった。

というお話。

*1:雪国の革靴には滑り止めが付いているそうだが、私の靴にそんなものはついていなかった。