便名 : オホーツク1号
日付 : 2022/06/xx
区間 : 札幌(06:56)→遠軽(10:28)
所要時間 : 03:32
乗車クラス : グリーン車指定席
運行 : JR北海道
前日函館から小樽経由で札幌までやって来て、駅近くの「JRイン札幌北2条」に宿泊。翌朝は7時前に札幌駅を出発する「オホーツク」号で遠軽に向かう。
(今回の宿泊先はこちら)
北海道新幹線の延伸工事に伴い、2022年現在の札幌駅前は再開発工事が始まろうとしたタイミング。上記宿泊先の記事にも記したが、目の前に見えている「ESTA」もその一環で閉館、建て直しがされる予定。
これに伴って、駅前にあるバスターミナルも再編が予定されているとか。札幌駅周辺にはバスターミナルが複数あるがゆえに若干分かりづらかったようにも思われ、分かりやすくなるのは単純に喜ばしい。
さて、今回乗車するのは札幌駅を06:56に発車する「オホーツク1号」。札幌と網走の約380kmを約5時間30分で結ぶ、北海道らしい長距離特急列車。東京から名古屋がざっくり350km程度だから、それよりも更に山手線1周分ほど遠くまで走る。
06:40頃ホームに上がると列車は既に入線済。2023年3月のダイヤ改正以後は後継車両(283系)とバトンタッチしているが、当時はまだ旧型のキハ183系車両が最後の活躍をしていたタイミング。
近頃ではいわゆる「ヘッドマーク」を掲げて走る列車がかなり減ってきたような印象があるが、いまではいくつ残っているだろうか。先日乗車した「ひだ」は新車両に代わり、ぱっと思い浮かぶものが殆どない程度には少なくなっているような。同車両を使用する「南紀」号がまだ残っているか。
(「ひだ」号についてはこちら)
前述の2023年春以降に使用されている車両では全席普通席になってしまったのだが、当時はハイデッカーのグリーン車が連結されていた。なお、今回利用した「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」は普通車指定席までしか利用できず、この区間では別で料金を支払っている。
車内は1列+2列の横3列配置。道内他路線の長距離特急と同じデザインの大柄な座席が並んでいる。席数は比較的多く20席以上あるが、この日は他に利用者が見当たらなかった。
座席は肩のところが張り出していて、隣の席に人が座っていたとしてもさほど気にならないようなデザイン。足回りの設備としてはフットレストが設置されているほか、この世代の車両には珍しくコンセントが設置されている。全区間で5時間を超える乗車時間となると、モバイルバッテリーを持っているとしてもあると助かる設備。
ちょうどこのとき「サッポロ割」の期間で、毎日の宿泊にいくらかのクーポンが付与されていた。ただ、深夜着→早朝発ではなかなか使用機会がなく、朝方札幌駅でちょっとした買い物に利用することに。購入したのは札幌銘菓の「わかさいも」。「いも」とついているが、原料には芋類が一切使われていないのが特徴。
(「わかさいも」についてはこちら)
札幌を出発してしばらくすると岩見沢駅に到着。同地ではかつてばんえい競馬が盛んだったそうで、駅ホームにはばん馬の像が飾られている。その後岩見沢では開催されなくなってしまったようだが、道東の帯広では今でも開催されている。
出発から1時間30分ほどで旭川駅に到着。ここまでの区間は通常電車特急が1時間25分程度で走っているが、気動車特急のこの列車は10分ほど多い1時間38分ほど要している。最高速度と加速・減速の性能差だろうか。
旭川から先、石北本線に入ると沿線には水田が見られるようになってきた。日本の中では冷涼な、ややもすると稲作向きではなさそうにも見える気候の北海道だが、この辺りは稲作が盛んなようで全道トップクラスの収穫量を誇っているのだとか。
かつては北海道産のお米というとあまり見かける機会もなかったが、ここ最近では「ななつぼし」や「ゆめぴりか」といった品種は以前よりも販売しているところを見かけるような気がする。
車窓をぼーっと眺めていると、ちらほら見かけるのが高速道路のインターチェンジ。この辺りでは石北本線と並走するように旭川紋別自動車道(旭紋道)が通っている。
高速道路が増えれば増えるほど自動車は便利になる一方、鉄道は本数が減り、利用者が減っていくという負のスパイラルは日本各地で見られる光景。無理して鉄道を維持すれば良いというものでもないが、何とかならないものだろうか。
しばらく走って上川駅に到着。対向ホームの上屋は柱と屋根が一体になったちょっと変わった構造。この辺り、冬は雪深そうだが、この構造で崩れたりしないんだろうか。それほど新しそうに見えないあたり、問題ないんだろうとは思うが。
さらに走っていくと徐々に水田は見られなくなり、代わりに畑が増えてきた。大規模な農業施設があるのが何とも北海道らしい。
元祖1日1便の駅、奥白滝駅を通過ししばらく川沿いを走っていくと、出発から3時間30分ほどで今回の目的地、遠軽駅に到着。同駅はホームの高さが列車の床面に比してだいぶ低い。ステップがついているこの車両でもだいぶ降りるのが大変だったが、後継車両だとどうなったんだろうか。
ともあれ、遠軽駅に到着。遠軽駅の構造上、列車はここでスイッチバックしてこの先の目的地へ向かうような配線になっている。それゆえ、駅名標は片方向に2駅表示されるような格好になっている。
それにしても、まもなく引退の車両とはいえ、車体は傷みが激しいのが見るからに分かる。上から補修されているだけ首都圏における同様の車両よりもマシに見えるが、それにしてもなかなか痛々しい劣化具合。
遠軽では次の特急列車までの間に少し用事を済ませる必要がある。改札を抜けて街中へ向かった。