便名 : SNA/6J0102
日付 : 2023/11/xx
機材 : B737-800(73L)
区間 : 沖縄那覇(OKA)10:50→福岡(FUK)12:30
所要時間 : 01:40
区間マイル : 537
搭乗クラス : 普通席
運航 : SNA(ソラシドエア)
前夜に那覇に到着したばかりだが、1泊して翌朝本州へ逆戻りする旅程。自業自得ではあるのだが、どうにも最近中々どこかでゆっくりするという時間が取れていない。
この日は少し早起きして「730バス」に乗ってみようとバスターミナルを訪れてみたが、どうやら運行しない日に当たってしまったようで通常の路線バスが出発を待っていた。乗ってしまっても良かったが、どうにも気分が乗らずにこれを見送り、少し早めに那覇空港へ到着。ちなみにこのとき乗車したモノレールは最近登場した3両編成だった。
(3両編成のモノレールについてはこちら)
今回搭乗するのは「ソラシドエア」。宮崎に本社のある九州本島の航空会社のはずだが、徐々にANAからの路線移管が増えた結果「宮崎(九州)の翼」というイメージは薄れ、今ではただのANA傘下の運航子会社になりつつある。
同社には以前United Airlines(UA)の特典航空券で搭乗したことがあるが、同社からチケットを購入したのは今回が初めて。ANA経由で購入すれば多少のマイルが貯まるが、販売価格に約5,000円ほど価格差があったから、今回は価格を優先してソラシドエアから直接購入することにした。
(かつてUAの特典航空券で搭乗した記録がこちら)
ソラシドエアから購入する場合、ANAのサービスとしての航空会社ラウンジや優先搭乗、預入れ手荷物の優先取扱いは利用できないものの、チェックインカウンターは両社共用で、それ以外は殆どサービスに相違がないから、共同運行便は両社の販売価格を確認してから購入することをお勧めする。なお、いずれの会社でも事前チェックインが必要な点は同様。
那覇空港の10時台は東京や名古屋、福岡など本土行きの便が多く出発する時間帯。早朝7時台は県内移動向けの始発便が出て行くと、8時から9時にかけて本土からの到着が集中。その後は乗継ぎの離島便と本土への折返し便が出発といった感じで、時間帯によって行き先の色が出るのが同空港の特徴。
この日は福岡空港に到着してから約30分の待ち合わせでスターフライヤーの羽田行きに乗継ぐ予定があり、カウンターで乗継ぎ登録をしてもらったのだが、一方がソラシドエアのチケット、他方がANAのチケットと変則的だったこともあり、少し面倒をかけてしまった。
カウンターのある3階から保安検査場のある2階に降り、国際線方向に少し歩いていくと、壁面には「そらとぶピカチュウプロジェクト」として「かりゆしウェア」を着たピカチュウの看板が掲げられていた。どういう訳か、沖縄県では全世界に先駆けてポケモンとのコラボレーションが盛んに行われている。
大型機が多く就航していることもあって混雑していることの多い那覇空港だが、ANA側については保安検査場が2ヶ所*1あり、国際線ターミナル側にある「保安検査場C」は比較的空いていることが多い。ANA、SNA、SKYを利用する際なんかはこちらを利用した方がスムーズだと思われる。
この便はターミナル先端の34番搭乗口からの出発。そういえば同社は2022年10月に北海道のAIRDOと組織再編し、今では両社ともに持株会社の「株式会社リージョナルプラスウイングス」傘下で運営されている。
それゆえ、搭乗案内の放送でも冒頭に「リージョナルプラスウイングスグループ」と言及して放送していたが、「ワンワールド」や「スターアライアンス」ほども知名度が高くないから、一般人からすれば何と言ったのかよく分からなさそう。
同社の機材は全てB737−800型機で、全席普通席。現行機材は古いものでも2011年製造とまだ比較的新しいが、そろそろ後継機種の選定が始まりそうな時期。過去からエアバス機を全く使用していない同社ゆえ、次はB737Maxということになるんだろうか。
この日搭乗したのはBSI(Boeing Sky Interior)を採用した174席仕様の機材。BSIではB787型機の内装コンセプトを参考に、窓枠や荷棚のデザインが改良されている。
直近で導入された新造機は将来的な国際線就航の可能性も考慮し、タブレットホルダやUSB電源などが設置されているそうだが、この機についてはそれらは設置されていなかった。また、機内Wi-Fiはかつて設置されていたようだが、現在は稼働していない。
座席はモケット張りで、ALと比べると少し厚めだが、座り心地についてはそれほど大きな差異は感じなかった。尤もシートピッチについてはB737-800型機を運用する国内の航空会社はどこも同様なので、相違点を見出す方が難しいかもしれない。
定刻よりも少し遅れて出発し滑走路手前まで到達したが、先行機がいないにも関わらずなかなか滑走路に入らない。どういうことかと訝しんでいると、操縦席より「先行機がバードストライクを起こして一時的に滑走路が閉鎖している」旨のアナウンスがあった。
どうやら滑走路が閉鎖になると到着機が滑走路を横断することもできなくなるようで、奥の方には着陸してターミナルに向かう飛行機が数珠繋ぎになっていた。その後滑走路点検が終わって横断できるようになると、待機していた飛行機が一斉に動き出してそれはそれでなかなか壮観だった。
滑走路手前で10分以上待機したのち、閉鎖が解除されたようで滑走路に進入。こうして滑走路を眺めてみると、那覇空港の滑走路は比較的平坦なのが見て取れる。以前利用した岡山空港と比べるとその差がわかりやすいかもしれない。
(岡山空港についてはこちら)
那覇空港はターミナルが滑走路北端に近いところにある関係で、南側から離陸滑走するとターミナル脇を通過するタイミングではある程度の高度がついている。それにしても、このアングルで空港を眺めると、どうにも「東武ワールドスクウェア」のように見える。
離陸直後に進行方向右手(=東方向)を見ると、米軍の普天間飛行場、嘉手納飛行場の姿が確認できる。このうち嘉手納飛行場については、ごく稀に悪天候の際に民間機のダイバート先として利用されることもあるんだとか。
こうして上空から俯瞰してみると、沖縄本島は縦に長いものの、横幅があまり広くないのがわかる。普天間飛行場の滑走路は約3,700mと考えると、約10kmほどしか幅がないと思われる。ちなみに沖縄本島で最も幅が狭いのは石川市から恩納村にかけてで、幅は約3kmほどしかないのだとか。
本部半島に差し掛かるあたりで早々に雲の中に入り、その後はしばらく雲の上を飛んでいった。その後鹿児島県に入るくらいのタイミングでシートベルトサインが消灯。
飲み物のサービスは冷たい飲み物2種類、温かい飲み物2種類の合計4種類。このうち柚子とトビウオ(アゴ)を使った「アゴユズスープ」は通信販売でも販売されるほどの人気メニュー。前回搭乗した際には冷たい飲み物に限定されていたから、久々に口にした気がする。
(公式サイトの機内サービス案内はこちら)
それほど遠くなさそうに見えて東京-札幌間とほぼ同じ距離の那覇-福岡間。それなりに高い高度まで上がったようで、空は水色と群青色の間くらいの色をしている。
鹿児島県の薩摩半島や桜島は気づかず見落とし、次に地上が見えてきたのは鹿児島県の阿久根市あたり。そこからしばらく海上を飛び、天草市付近で徐々に高度が下がり始めた。この日の着陸は南から北方向で、ともすると鹿児島方面からそのまま内陸に入って着陸すれば良いようにも見えるが、着陸コースに乗るためには一旦玄界灘へ出る必要がある。
糸島市の沿岸で大きく旋回し、福岡PayPayドーム近くから福岡市街地に入った。1993年開場で今年30年目を迎えたようだが、今後はどうなっていくんだろうか。これほど海に近いと、千葉マリンスタジアム同様に塩害による劣化もありそうに思えるのだが。
しばらく直線に飛びながら高度を下げていくと、進行方向右手には山陽新幹線の博多総合車両所が見えてくる。この一角、中央右あたりの500系が停まっているのが「博多南」駅。同駅は在来線の扱いで、博多駅まで330円(2023年12月現在)で新幹線車両に乗ることができる。
この車庫の一角には元「グランドひかり」の100系新幹線車両(2階建て車両)が2両停まっているのが見える。同車両はどこかのタイミングで京都へ移送することを計画したようだが、どうやら輸送に支障があったようで今日に至るまで車庫内で保管されているという噂がある。
新幹線の車庫が見えてくると徐々に左旋回を始め、180°旋回するとまもなく着陸。駐機場7番から10番あたりは羽田行きの大型機が駐機することが多く、この機は6番に到着した。
登場当初、挑戦を示す「革新のシルバー」としてロゴが描かれたJALのA350-900型機の隣。2023年12月登場予定だった国際線用のA350-1000型機は製造遅延の影響で就航が遅れているようだが、なかなか良さそうな内装をしていたから、いつか一度搭乗してみたいところ。
出発の時点ですでにいくらか遅れていた上、滑走路手前でしばらく待機していた割に、福岡空港への到着はほぼ定刻の12:35頃。元々最低乗継時間(MCT)ぎりぎりの旅程だったこともあって次便が定刻に出るとすれば乗継ぎが可能かちょっと怪しかったのだが、幸い?次便も到着が遅れていたようで間に合った。
福岡空港は出発と到着の動線が完全に分離されているから、何もしないとそのまま到着通路を歩いて行って一般エリアに出てしまう。ただ、この日は事前に那覇空港で申請を出していたから搭乗橋を渡り切ったあたりでお迎えがあり、専用の乗換え通路を経由して一般エリアに出ることなく出発ロビーに移動することができた。
というお話。