便名 : 便名なし
日付 : 2023/07/xx
区間 : 杜の街(05:55)→岡山桃太郎空港(06:40)
所要時間 : 00:45
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運賃 : 780円(交通系ICカード決済)
運行 : 岡山電気軌道
岡山駅近くのホテルに1泊して、翌朝の始発便で東京に戻る旅程。岡山空港から羽田へは7時過ぎに始発便が設定されていて、8時台中盤には東京に到着することができる*1。
その岡山空港への公共交通機関はバスのみで、JR岡山駅、JR倉敷駅からの2路線が設定されているのだが、このうち今回はJR岡山駅系統のバスを利用した。
(運行事業者公式サイトはこちら)
岡山は毎月調整は入っているものの飛行機の便とバスが1対1の対応にはなっていないタイプの空港で、岡山駅から岡山空港までは2023年7月時点で780円/大人1名、所要時間は約30分。岡山電気軌道と中鉄バスとの共同運行*2で、運賃の支払には交通系ICカードが利用可能。
ちなみに岡山駅から空港へ向かう場合、バスはどちらかと言えば裏口に相当する駅西口の「岡山駅西口バスセンター」から出発する。関西や四国各地へ向かう高速バスなんかも同じくこの乗り場からの出発。表側を探してもバス乗り場はないので注意されたい。
(かつて乗車した大阪からの高速バスがこちら)
本筋とは脱線するが、駅の正面で後楽園のある東口(後楽園口)側には岡山らしく「桃太郎」の銅像が設置されている。こちら側はJR駅舎から少し離れたところにある路面電車乗り場を駅近くに延伸するような計画があったように思うが、現在どうなっているだろうか。どういう訳か、岡山市の公共交通は何かと揉めている?印象がある*3。
さて、話題が転々としているところ、更にストーリーがごちゃごちゃするが、今回空港行きバスに乗車したのは件の「岡山駅西口」ではなく、桃太郎像から徒歩15分ほどのところにある「杜の街」というバス停。
一見すると仙台にありそうなバス停の名前だが、これは両備ホールディングスによって2022年9月にオープンされた「杜の街グレース」という商業施設に設置されたことによるもの。かつてイトーヨーカ堂があった場所を岡山県出身の水戸岡鋭治氏が総合デザイン監修をして再開発したのだそう。
(施設公式サイトはこちら)
■ 地図情報
この日の始発バスに乗車するため、05:30過ぎにホテルを出、散歩がてら歩いて到着。どうやら施設はまだ一部が開発途上のようで、バスターミナルはいかにも工事中というような柵に囲まれている。
加えて夜間はバスターミナル入口にロープがかけられているようで人気がなく、出発10分前の時点ではバスが居なかった。「空港バス乗り場」の案内もなく、一見するとどこにバスが発着するのか分からないような状況だったから、もう少し何らかの表示があるといいのだが、完成後は充実するだろうか。
とりあえず先へ進んでいくとバス停が2箇所あり、1ヶ所は市内路線バス、もう1箇所は今回利用する空港リムジンバスのバス停だった。本当にバスがやって来るのか若干不安はありつつも、とりあえずバスを待ってみることに。
しばらくすると岡山駅方向からオレンジのバスがやって来て手前で一旦停止し、運転士がロープを取り払ってバスターミナル1番のりばへ着車。関東ではかなり数を減らしている西日本車体工業(西工)ボディだが、岡山ではまだまだ現役で、もうしばらくの間は見られそう。
派手な色合いにたくさんのロゴが描かれていることからお分かりの通り、空港リムジンバスも前述の同氏の作品。路面電車の「MOMO」など、両備グループ全体として数多くの車両や船舶が導入されている。
車内は出入口側最前列に小さな荷物置き場がある以外は標準的な座席配置。余談だが、高速道路を走るでもない短距離の路線にも関わらず、この座席は異様にリクライニングする。元々は夜行高速バスかなんかだったのだろうか。
そうこうしているうちに出発時刻を迎え、貸切状態で発車。前述の通りバスターミナルは工事用のフェンスで覆われているので、出口までの道のりはバスが工事現場の中に迷い込んでしまったようにも見える。
長くて1時間弱の路線ゆえ、それほど利用頻度は高くないかもしれないが、各座席にはコンセント電源が完備されている。乗ってすぐ降りるような感じになるから、十分に充電できるほどの時間はないような気もする。
バスは市役所筋を少し走ると、街中にしてずいぶん大きな「イオンモール岡山」前を左折。JRの線路をまたいで西口筋に出ると、06:03に岡山駅西口のバスセンターに到着し、06:10の出発までしばらく停車する。
この岡山駅西口、こちら側は一昔前は何もなかったような記憶があるが、広島駅の新幹線口同様、数年の間にだいぶ整備が進んだような気がする。
(駅前にあるANAホテルの宿泊記がこちら)
バスが到着する直前、06:00に岡山駅西口バス停始発の便が出ていることもあって、こちらのバスを待つ乗客の姿は見当たらなかった。結局、バスを待つ乗客どころか到着してからやって来る乗客もなく、引き続き貸切状態のまま岡山駅西口を出発。
西口筋から国道53号線に入ってすぐのところで「スポーツセンター前」、左折して「岡山大学筋」と停車し、その後は空港までノンストップ運行。国道53号線はクランク状になっているがゆえ、日中は時おりひどく渋滞することがあるが、さすがに早朝ともなると渋滞もなくスムーズに流れている。
そういえば、信号で停車した際に左を見ると、「吉備路」なる見慣れない看板があったが、どうやらこれは岡山駅と伯備線総社駅を結ぶ全長25kmの「吉備路自転車道ルート」の道案内標識らしい。気づかなかっただけで、以前からあったのだろうか。
(「吉備路自転車道ルート」についてはこちら)
岡山インターを越えたあたりの進行方向左手に岡電高速バスの岡山インターバス停があり、これが見えてしばらくするとバスは国道53号線を離れて県道72号線、同61号線のルートで空港に向かっていく。
これまでこの県道沿いにはあまり主だった建物はなかったが、しばらく来ないうちに「マキタ 岡山物流センター」や「DPL岡山空港南」など、突如として大規模な倉庫が増えて少し驚いた。ちなみにこの一角にある「鶴山運送」という会社のロゴ、どこかで見たことがあるような気がするのだが、気のせいだろうか。
(その会社がこちら)
ともあれ、空港が近づいて来るとやけに高さのある構造物が見えてくる。これは岡山空港の進入灯で、岡山空港や広島空港といった中国地方の空港は山の上に滑走路がある関係か、灯火類がこのような形状になっている。
バスは順調に走って定刻通り06:40に岡山空港に到着し、07:15発のJAL始発便に乗継いだ。渋滞の殆ど見込まれない時間帯ではあるものの、出発35分前の到着というのはなかなか攻めた時間設定。
最後に留意点として、日中も早朝と同様に岡山駅から空港まで30分の所要時間で時刻表が設定されているが、「西口筋」から国道53号線の左折、右折のあたりで渋滞し、場合によってはほどほど延着する*4こともあるので、バスの本数が限られている中ではあるが時間に余裕を持って空港へアクセスするようにしたい。
というお話。