日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】しなの鉄道•772M(小諸/軽井沢)


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便名 : しなの鉄道•772M(普通列車)
日付 : 2023/08/xx
区間 : 小諸(15:00)→軽井沢(15:25)
所要時間 : 00:25
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 500円(現金決済)
運行 : しなの鉄道

万座•鹿沢口駅から中軽井沢駅まで路線バスで移動してきたのち、しなの鉄道の普通電車で小諸駅まで移動。「草笛」のくるみそばが食べたくてここまでやってきたが、ちょうど品切れしたところだったようで少し落胆しつつ東京方面へ向かう。

(ここまでの移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

1997年の北陸新幹線開業に際して佐久平駅が開設されたため、首都圏まで直通する特急列車の無くなってしまった小諸駅だが、その代わりに高速バスが複数路線設定されている。1つは西武バス陣営で、もう1つはJRバス。共同運行しても良さそうなものだが、微妙に乗り場が離れているあたり、その関係性を表しているような。

しなの鉄道 小諸駅前 駅舎外観

小諸駅前/ 首都圏行きの高速バスは2路線

ここからは一旦軽井沢駅に向かい、そこからJRバスの「碓氷線」で群馬県の横川駅を目指す旅程。しなの鉄道交通系ICカードを導入していないため、久しぶりに券売機で乗車券を購入して乗車する。

しなの鉄道 小諸駅 自動券売機

小諸駅/ 同線で利用できるのは現金のみ

しなの鉄道は時間帯によって長野から、軽井沢からの列車が小諸駅でそれぞれ折り返すようなダイヤが組まれていて、今回乗車する列車も小諸駅始発。ホームに電光掲示板が設置されていない代わりに、停車している列車の運転台に「長野行」のプレートが掲示されていた。

しなの鉄道 小諸駅 車両外観

小諸駅/ アナログながらわかりやすい表示

乗車する軽井沢行きの電車は黄色をベースとしたえらく派手な塗装。どうやらこれは台鉄の特急列車「自強号」の塗装と、しなの鉄道の車両の塗装を交換したというもの。なお、その後2023年11月に車両の引退により特別塗装の取組みは終了している。

(詳細についてはこちら)

www.shinanorailway.co.jp

隣のホームに停車しているのはJR小海線。小諸と小淵沢(山梨県)を結ぶ路線で、途中には国内の鉄道路線の中で標高が最も高い、海抜1345m地点の野辺山(のべやま)駅がある。

しなの鉄道 小諸駅 車両外観

小諸駅/ 隣の乗り場はJR小海線

ちなみに車両の側面には台湾鉄道管理局(台鉄)のロゴまで忠実に再現されていた。この車両もまさか晩年になって他国の鉄道会社のロゴを描かれることになるとは思わなかったのでは。

しなの鉄道 小諸駅 車両外観

小諸駅/ 他社のロゴが大きく掲示されているのも珍しい

車内は配置こそオリジナル通りのセミクロスシートだが、座席のフレームはリニューアルされているようで、肘掛けはあまり見かけないタイプのもの。流石に経年劣化で少し座面が薄くなってきているようにも見える。

しなの鉄道 772M 115系の車内

しなの鉄道/ 過去リニューアルはされている

列車は各駅停車だが、途中駅も4つしかないからあっという間に終点の軽井沢駅に到着。以前乗車した有料快速の「軽井沢リゾート」号も1往復が削減され、2024年3月現在ではしなの鉄道上田から軽井沢までの区間は土休日に1往復のみしか快速列車が運行されなくなってしまった。

(「軽井沢リゾート」号についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

しなの鉄道 軽井沢駅の駅名標

軽井沢駅/ 横軽間の在来線が途切れて間も無く30年

以前の「軽井沢リゾート」号の記事でも言及したが、軽井沢駅にはかつてのホームを活用して数台の機関車を保存展示している。

このグレーのレトロな機関車は1912年に横川-軽井沢間が電化された際に使用されていた10000型*1という車両で、歯車のようなラックレールを噛ませることで推進力と制動力を得ることができる構造になっている。これによって従来75分を要していた同区間の所要時間が45分まで短縮されたんだとか。

しなの鉄道 軽井沢駅の保存車両

軽井沢駅/ 「アプト式」の10000型機関車

その10000型の前方には鮮やかな青色のEF63型電気機関車が展示されている。同機関車の登場によってラック式から粘着式(一般的な鉄道と同様)に転換し、複線化を達成したことによってスピードアップが図られ、登坂は17分、下山は24分まで短縮されたのだそう。上りよりも下りの方が時間がかかるというのが面白い。

しなの鉄道 軽井沢駅の保存車両

軽井沢駅/ 粘着式になり所要時間は半分に

しなの鉄道の改札口は2箇所あり、1箇所は新幹線と並びの橋上駅舎上、もう1箇所は件の保存車両の並びにある「旧駅舎口」。軽井沢町から譲り受けた旧軽井沢駅舎を改装し、再び駅舎として活用している。

(「旧駅舎口」についてはこちら)

shinanorailway.co.jp

しなの鉄道 軽井沢駅 駅舎外観

軽井沢駅/ ここも水戸岡鋭二氏によってリニューアル

軽井沢駅では約10分の待ち合わせでJRバス関東の運行する「碓氷線」に乗継ぐ。バスは軽井沢駅から横川駅まで約35分掛かるから、いかに鉄道が速かったかという感じがする。同区間が現役の頃に利用する機会がなかったのが残念。

(この先の移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

というお話。

*1:のちにEC40型と改称。