日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【旅行雑記】福岡オープントップバスに乗った話


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便名 : 福岡空港ビューンとツアー59792便
日付 : 2023/12/xx
区間 : 福岡空港国内線(14:30)→福岡空港国内線(15:30)
所要時間 : 01:00
乗車クラス : 普通席(全席指定)
運賃 : 3,500円(事前クレジット決済)
運行 : 西鉄バス

以前から、福岡市内を走る「オープントップバス」の存在は気になっていたのだが、何だかんだハードルが高く今まで乗車したことがなかったのだが、2023年の12月に中途半端に時間に余裕のある日が出来、乗車してみることに。

今回乗車したのは「福岡空港ビューンとツアー」というコース。毎月数日間、福岡空港の制限区域内を走るコースが開設されていて、今回はこれに乗車した。

(「オープントップバス」についてはこちら)

fukuokaopentopbus.jp

乗車には事前に予約が必要で、今回は京王バス系の高速バス予約サイトである「ハイウェイバス ドットコム」から予約した。当日は出発30分前までに国内線ターミナル1階北側に設置された特設窓口で受付をし、注意事項を確認した上で乗車バス停へ移動する流れ。

バスは途中制限区域内を走行する関係で、傘や大きな荷物*1の持ち込みは不可。これらの荷物を所持している場合は受付で預け、降車後に取りに戻る必要がある。また、運行中は一部エリアを除いて写真撮影が可能だが、落下防止のためストラップの着用が必要。自前のものがなければ受付時に貸与され、バスを降りる際に回収される。

乗り場に移動するとすでにバスは停車中。この車両、バスのような車体を載せているが大型トラックをベースに製造されているのだとか。空港内を徐行しながら走っていく分には特に問題なかったが、乗り心地は割と硬めというか、遊びのない感じ。

福岡オープントップバス 車両外観

車両外観/ 純然たるバスのように見えるが、トラックベース

出発10分ほど前になってバスの前で手荷物検査を受け、その後再度改札をして、車両後方の出入口から乗車。ちなみに1便あたりの定員は30名程度でそれほど多くない。

福岡オープントップバス 車両外観

車両外観/ 出入口は車両後方にある

今回は赤色の車両だったが、他には青色の車両も在籍している模様。車両後方には展望デッキのようなスペースがあるが、少なくとも空港内を走るこの路線では立ち入りできないようになっていた。市中を走る他の路線ではここに立つこともできるんだろうか。

福岡オープントップバス 車両外観

車両外観/ 車両後方には謎のスペースが

今回手配したのは最前列右側。座席は樹脂製で、メッシュ地のカバーが掛けられているのみなので、車両の特性も相まって地面からの振動は比較的ダイレクトに伝わってくる。

福岡オープントップバス 車内全景

車内全景/ 雨が降っても屋根は設置されない

各座席にはシートベルトが設置されていて、今回のコースでは運行中常にシートベルトの着用が求められていた。海沿いを走ることが多いからだろうか、金具が少し錆びていて動きはいまひとつ。

今回は比較的天気の良い日に当たったが、もし雨が降ったとしても、雷が鳴る、大雨が降るといった場合でなければ予定通り運行するのだそう。その場合にはレインコートが貸与されるというが、なかなかハードな体験になりそうな。

福岡オープントップバス シート周り

シート周り/ シートベルトは少し錆びついていた

この運行では運転士さんの他に「バスアナウンサー」なる案内役が同乗していて、適宜案内をするほか、撮影可能区域、禁止区域と飲食の可否についての指示をしていた。基本的に走行中は飲食禁止で、水分補給のみ一般区域走行中と制限区域内走行中、途中数回の停車時のみ可能という取扱い。

また、写真や動画の撮影については基本的に可能だが、一般区域と制限区域の境界近くではそのいずれも一切禁止(放送で説明が入る)。このほか、制限区域内で何か物を落としてしまうとその時点でツアーは終了となるようなので、不用意に飛びやすいものを所持しない方が良いかもしれない。

福岡オープントップバス シート周り

シート周り/ 最前列は運転席の音が入ってくる

ともあれ、バスは14:30に国内線ターミナルのバス乗り場を出発し、まずは連絡バスの走行路経由で国際線ターミナル方面へ向かう。

福岡オープントップバス 福岡空港国内線バス停

福岡空港国内線/ 1周約1時間のツアー

国内線ターミナルから国際線ターミナルへのルートは公道ではなく、専用道路を走行。公道との境界には厳重な柵が設けられていて、車両1台通過するごとに開閉する仕組みになっている模様。バスは柵が閉じ切るまではその場から動かず待機していた。

福岡オープントップバス 福岡空港制限区域内

福岡空港/ 制限区域を出たり入ったり

バスは10分ほどで国際線ターミナル前を通過。現在こちら側は大規模なリニューアル工事の最中のようで、以前利用した時とは道路の造りが全く変わっていた。

2024年1月現在、九州島内各地へ向かう高速バスは国際線ターミナルのみに立ち寄る路線*2も多く、ターミナル連絡バスで国際線へ移動してバスに乗った方が、博多や天神へ出るよりも早く目的地へ移動できるようなケースもある。現在国内線側に建築中のビルには高速バス乗り場も設置されるというから、将来的には国内線側からも乗車できるかもしれないが。

福岡オープントップバス 福岡空港国際線ターミナル全景

福岡空港国際線/ 大規模なリニューアル工事中

国際線ターミナル前を通過すると、ターミナル端からいよいよ制限区域に進入。境界のところでは警備員による保安検査が実施されるため、バスは5分ほど停車した。前述の通り、この停車前後では写真や動画による撮影は一切禁止

制限区域に入ると再び撮影が可能になるが、この時バスは搭乗橋の下を潜って国内線ターミナル方向へ向かっている。全高が3m以上あるバスが高さ制限3.8mの搭乗橋を潜っていくから、手を伸ばせば建物に触れてしまいそうな距離感で頭上を通過していく。

福岡空港国際線ターミナル 搭乗橋付近

福岡空港国際線/ 頭上ギリギリに搭乗橋

2024年1月現在、福岡空港は第2滑走路の建設真っ只中。滑走路相互の距離が近いから同時運用はできないものの、一方が離陸専用、一方が着陸専用となればもう少し余裕を持った運用もできるようになるだろうか。この日も滑走路は大層混雑していて、常に離陸機が数機列をなしていた。

福岡空港国際線ターミナル 国内線ターミナルへの外周路

福岡空港国際線/ 滑走路1本の限界近い便数を処理している

バスは制限区域内の滑走路端に近いところで一旦停車し、ここでしばらく飛行機見物。バスアナウンサーが「Flightradar24」を見ながら、次にやってくる飛行機の説明をしていた。

福岡空港国際線ターミナル 国内線ターミナルへの外周路

福岡空港/ 滑走路近くで一時停車

ちなみに序盤で国内線から国際線に向かって走ったのは、ターミナル間連絡バスが走っている、鉄条網の向こう側の道路。ターミナル間輸送にはある程度の輸送力が必要になるため、連接バスが使用されている。

福岡空港国際線ターミナル 国内線ターミナルへの外周路

福岡空港/ 連絡バスは柵の外側の専用道を走っていく

最初にやって来たのは羽田からのJAL A350-900型機。機体は大きいものの、昨今のエンジン性能の向上によるものだろうか、小型機とそれほど騒音に差はないように感じる。機内にいても、従来機と新世代機とでは騒々しさがまるで段違いで、久しぶりに従来機に搭乗すると、こんなにうるさかっただろうか、という心持ちになる。

福岡空港国際線ターミナル 着陸直前のJAL A350型機

福岡空港/ 最初から大型機が飛んできた

右を向くと滑走路はこんな塩梅で見えている。伊丹空港の滑走路端、いわゆる「千里川土手」ほどではないものの、飛行機をこれほど間近に見られる空港というのも珍しい。

(伊丹空港の「千里川土手」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

福岡空港国際線ターミナル 着陸直前のJAL A350型機

福岡空港/ 滑走路までは少し離れている

バスが停車したタイミングはちょうどJALグループ機が連続していたようで、続いて降りてきたのはJTA(日本トランスオーシャン航空)のB737-800型機。機番を見るとJA348Jとなっていて、どうやらJAL本体からJTAに移籍した機体の模様。

福岡空港国際線ターミナル 着陸直前のJTA B737型機

福岡空港/ JAL本体から移籍したJTA

最後にJ-AIRのE170を見て、滑走路端のポイントを出発。余談ながらMRJが頓挫してしまったいま、このE170シリーズの後継機は何になるんだろうか。選択肢としてはE190-E2か、A220くらいしかないような気もするが。JALグループはANAグループよりも状況がマシとはいえ、そう遠くないうちに方向性の決定が必要そうに見える。

福岡空港国際線ターミナル 着陸直前のJ-AIR E170型機

福岡空港/ そろそろ後継機が気になるE170型機

バスは国内線エリアに入り、駐機場前を南下していく。具合の悪いことにこのタイミングで携帯電話がシャットダウンし、殆ど写真が残っていないのが残念。

福岡空港国内線ターミナル 駐機場1番から南側

福岡空港国内線/ ターミナル端は地域航空会社などが多く利用する

参考までに、別日にランプバスから撮影した同アングルの写真を掲げておく。オープントップバスはもう少し高さがあるから目線がもう少し上にあるはずだが、景色としては概ねこんな塩梅。飛行機をこの距離から眺められる機会はそうそうあるものではない。

福岡空港国内線ターミナル バスから駐機場方向

別日撮影/ バスから駐機場方向を見るとこんな塩梅

ともあれ、バスは国内線ターミナル前を走破するとそのまま南下し、消防施設の前で2度目の停車。1度目の停車の際には立ち上がることが許されていなかった一方で、今回の停車の際にはシートベルトを外して立ち上がることも許されていた。ただし、2階から1階に下りることはできないため、動ける範囲といってもだいぶ限られてはいたが。

福岡空港 ツアー折り返し地点の消防署

福岡空港/ 消防署前で折り返し

数分間の停車ののち、バスは来た道を折り返し、国内線ターミナル12番搭乗口脇にあるゲートから制限区域を離脱し、公道に戻ってきた。

福岡空港 ツアー折り返し地点から国内線ターミナル方向

福岡空港/ ターミナル前に戻ったところで公道へ

バスはしばらくターミナル前を走り、出発から約1時間ほど、15:30過ぎにスタート地点の国内線ターミナルのバス乗り場に戻ってきた。降車時に携帯電話に取り付けていたストラップを返却し、ツアーの全行程が終了した。

福岡空港 制限区域を出て終着のバス乗り場へ移動中

福岡空港/ 15:35頃スタート地点に帰還

3,500円というと少し割高に思えるかもしれないが、個人的には一度乗ってみたかった「オープントップバス」に乗車することができたという意味で満足。飛行機好きには少し薄味かもしれないが、ちょっと変わった観光を楽しむという目的であればちょうどいいかもしれない。

というお話。

*1:座席の足元に置くことのできるものは可。

*2:一例として長崎や大分、太宰府天満宮など。