便名 : JAL/JL3083
日付 : 2023/06/xx
機材 : B787-8(788/E12)
区間 : 東京成田(NRT)10:25→名古屋中部(NGO)11:40
所要時間 : 01:15
区間マイル : 194
搭乗クラス : クラスJ(国際線機材「SKY SUITE」)
運航 : JAL(日本航空)
東京から名古屋に立ち寄って沖縄に移動する旅程。東京から名古屋までは新幹線で向かうのが通常だが、今回も飛行機で、それも成田空港から向かうことに。
やって来たのは成田空港の第2ターミナル。JALの国内線はここから出発する。主な用途は地方からの乗継ぎということでターミナルは小ぢんまりとしていて、また便数も少ないとあって閑散としている。ちなみにJALの6000番台の便名はジェットスターとの共同運航便で、第2ターミナルではなく第3ターミナルから出発するので要注意。
この辺りの天井からは「日本航空」の看板が吊り下げられているが、国内ではあまり見ない字体をしている。ゴシック体とも言えないこのフォントは何者なんだろうか。
チェックインカウンターは1階で、保安検査場は2階。エスカレーターで上がり、100mちょっと歩いた左手に保安検査場がある。国際線主体の空港ということもあり、国内線は割と歩く距離が長いのは致し方ないところ。
この時間帯に保安検査場を利用するのは搭乗する名古屋中部行きのみとあって、待ち時間はほぼゼロで通過。そういえば、保安検査場の入口にある端末が白い新しい機器に置き換わっていた。少し前にJAL•ANAで共用できるような機器を開発しているというニュースを見た気がするが、それだったんだろうか。
便数が減っていることもあって制限区域内の売店は休業中のようで、入口から早速薄暗い。この日はまだ少し時間があったので、上層階にある「サクララウンジ」に少し立ち寄っていくことに。
サクララウンジは今では珍しい1世代前のタイプ。尤も現状1日に片手で収まる程度の便しか就航していないから、改修する意義に乏しいのかもしれない。
この日運行されていたのは搭乗する10:25発の名古屋行きのほか、夕方に大阪、名古屋行きが1便ずつの計3便。搭乗口が数字ではなくアルファベットになっているのが成田空港第2ターミナルの特徴。
ラウンジは大きな部屋が複数あり、割と収容能力は大きめ。COVID-19前は軽食が用意されている点が他の国内線用「サクララウンジ」と異なっていたところ。とりあえず入室したが、搭乗口までは結構離れているため、10分ほどで搭乗口へ向けて出発した。
搭乗口はあちこちに点在していて、今回の便が出発するS搭乗口までは徒歩5分強の所要時間。ターミナル内は動く歩道やエスカレーターは完備されているものの、搭乗口によってはアップダウンが多い場合も。
のんびり歩いて行くと、搭乗開始時刻の少し前に無事搭乗口へ到着。よほど荷物棚が混みそうな便でなければ優先搭乗に強いメリットは感じていないが、呼び出しされるのは恥ずかしいから早めに搭乗口に着いておくに越したことはない。
この日の機材は長距離国際線仕様のB787-8で、所謂「SKY SUITE」タイプの座席が装着されている飛行機。この便は日ごとに使用される飛行機が異なり、日によって「SHELL FLAT NEO」座席のB787や、「SKY SUITEⅡ」座席のB767が登板することも。
この機材はビジネスクラス区画を「クラスJ」として販売していて、この日は前方の3K座席を確保。割に「狭い」と言われがちなJALのビジネスクラスだが、その中では足元が広いのが今回の「SKY SUITE」座席。
横幅30cmほどの通路を通ると自席にたどり着く。一部の機材は座席表地がグレーに変更されているようだが、この飛行機はまだオリジナルのワインレッドの座席だった。ところでこの「SKY SUITE」の登場は2013年で、気づけばもう10年が経過している。間も無く登場するA350型機のインテリアがどうなるかが興味深いところ。
座席脇には座席制御のボタンとテーブル、座席液晶操作用のリモコンが設置されている。隣席とのパーテーションは電動式で、離着陸時は下げておく必要があるが、上空で上げてしまえば殆ど個室に近い雰囲気。以前ヘルシンキからの帰りにビジネスクラスを利用したことがあるが、突然通路側からCAさんが現れるので少しびっくりした記憶がある。
前方下部には足置きが設置されているが、離着陸時に物を置くことはできない。小物類を除いて全て荷物棚に納めておく必要があり、これは少し面倒くさい。
この日はあまり搭乗率が高くなかったようで、クラスJは空席多数、隣席には乗客がないまま出発。隣席とは少しずれて配置されているため、仮に隣に乗客がいたとしても目が合うようなことはないが、画面は見えてしまう。
離陸はA滑走路からで、第2ターミナルから第1ターミナル前を廻って滑走路へ向かう。進行方向右手を見ていると、前方には未だオレンジ色の3号機が未稼働となっているANAのA380型機と、マレーシア航空のA350型機の姿が見えた。
少し距離が離れていても、A380型機は圧倒的な大きさ。ちなみに前述の未稼働の1機も日本に到着して2年が経った2023年10月にようやく就航するそうで、当初の目論見をようやく達成するといったところだろうか。
第1ターミナルは外国航空会社の飛行機が多数駐機していてなかなか賑やか。手前に停まっているJAL系のZIPAIRは初めて実機を目にしたが、これは尾翼のデザインが更新された後のタイプ。早いうちに一度利用してみたいと思っているが、なかなか海外に出る時間が取れていないのが残念。
貨物エリアにも多数の飛行機が駐機しているが、そのうち1機、何の塗装もされていない真っ白のB747型機の姿が見えた。ぱっと見日本国籍の飛行機ではなさそうだが、どこの国の飛行機なんだろうか。
滑走路に近づくと、この辺りはFedExやUPSなどの大手貨物航空会社のエリア。奥には3発機の姿も見られるが、過去よりもB777機の割合が増えているから、そう遠くないうちに引退してしまうかもしれない。
滑走路端まで辿り着くとしばらく待機。日本貨物航空(NCA)のB747型機が降りてくると滑走路に入り、程なくして離陸。ちなみに同社、2023年10月1日に株式交換を実施し、ANAグループの傘下に入るのだそう。JALも久々に貨物専用機を導入するとニュースがあったが、貨物運賃が続落している状況で両社はどのような画を描いているんだろうか。
滑走路を北から南に滑走して離陸したのち、房総半島上で右旋回して西へ進路を取る。ただ、千葉県内を進んでいるうちは雲が多く、あまり地上の様子はよく分からず。
しばらくすると少し雲が切れて地上が見えた。ちょうど木更津あたりから東京湾に出たところのようで、中央左下に見えるのが東京湾アクアラインの海ほたるサービスエリア。その奥にはぼんやりではあるが羽田空港の姿も確認できる。
その後富士山の南側を通過。羽田空港からの名古屋行きは進行方向左手に富士山を見ながら飛ぶから、同じ首都圏の空港からの便ではあるものの、両路線では途中まで飛行経路が異なっているのが分かる。
この日は少し変わった天候で、色々な種類の雲が混ぜこぜに浮かんでいた。この飛行機が飛んでいた空域は揺れもなく安定していたが、向こうに飛んでいくと揺れたりするんだろうか。
この日は名古屋市の上空から中部国際空港へ南下する進入経路。あまり昼間にこのルートを飛んだことがなかったこともあり、割に新鮮な風景。奥に県営名古屋飛行場、手前に「バンテリンドーム ナゴヤ」のある大曽根駅付近が見えてくると名古屋の市街地は目前。
続けて1分もしないうちに名古屋城が見えてくる。五稜郭や大阪城同様、名古屋城も城跡は面積が大きい上、緑に覆われているから、割と簡単に見つけることができる。上空から地上を見下ろすとき、最初に何か目標になるものを見つけると探しやすい。
名古屋城が見えるのとほぼ同時に見えてくるのがJR名古屋駅。車両が白く長さも400mほどあるから、場合によっては巡航高度であっても見えることがあるが、この高さになるとかなりはっきりと確認できる。
それにしても名古屋駅周辺はここ数年の間に急速に高層ビルが増えて街の姿が一変したような印象がある。少し前に名鉄がほぼ新幹線と同じ長さ、400mもあるビルを建設するというニュースを見た気がするが、あの計画は生きているんだろうか。
近頃では上空からでも分かるほど大きい物流施設というのが国内のあちこちに増えた印象がある。それほど国内の生産量が増えたわけでも無かろうに、そんなに預かる荷物がたくさんあるんだろうか。
そんな倉庫を飛び越すと間も無く大きな3つの川が見えてくる。これが「木曽川」「長良川」「揖斐川」で、「木曽三川(きそさんせん)」などと呼ばれている。
木曽川と、合流後の長良川と揖斐川の間、河口の先端部分にあるナガシマスパーランドが見えてくるころに伊勢湾上に出て、最終の着陸体制に。なお、この「ナガシマスパーランド」、関東ではそれほど知名度が高くないように思うが、「西のナガシマ、東の富士急」なんて呼ばれるほど、絶叫マシン界では有名なんだとか。
着陸直前には名古屋港に向かう大きなコンテナ船の姿が見られた。少し風でも吹けば海にコンテナを落としてしまいそうなほど、沢山積まれている様子が見える。見えないところにも沢山積まれているんだろうと思うが、いったいどれくらい積んでいるんだろうか。
ともあれ、中部国際空港に着陸し、おおむね定刻通りターミナル中央に近い8番搭乗口へ到着。そういえば、ある程度国際線の戻っている同空港ではあるものの、この時間は国際線の飛行機が1機も停まっていなかった。
次の予定までは少し時間があり、昼食を摂りに空港第2ターミナル隣接の「FLIGHT OF DREAMS」へ向かった。
2023年4月の運賃制度改定以降、JAL国内線の運賃は結構な値上がりをしたように見えるが、この路線に関しては予約の仕方次第では新幹線と同程度の運賃で確保できることがある。定期的な移動手段というよりはアトラクション要素が強くなってしまうが、ちょっとした国際線気分を体感するというのも良いかもしれない。
(「FLIGHT OF DREAMS」についてはこちら)
というお話。