飛行機に乗り遅れた、という日のお話。
もう大分前の話になるが、名古屋で寝坊し飛行機に乗り遅れたことがあった。
(その際の搭乗記がこちら)
幸い後続便に空席があり、チケットを買い直すことで事なきを得たのだが、後続便までの約半日、セントレアで時間を持て余してしまった。そんな時間を利用して「FLIGHT OF DREAMS」という商業施設を訪れたときのお話。
なんでセントレアにこの施設?という話だが、実は中部地区は航空産業が盛んで、ボーイング787の部品を納入する主要なサプライヤも名古屋近辺に所在しているらしい(飛行機全体の約35%が中部地区だそうだ)。35%というのが部品点数なのか、金額ベースなのかはわからないが…。
ともあれ、その縁でボーイングの787試験機、しかも1号機がセントレアに寄贈され、その活用方法としてこの施設が開業した。通常実機が展示される施設といえば、一線を退いた機体ということが多いところ、最新鋭の旅客機が展示されているという点が大きな特徴。
そんな「FLIGHT OF DREAMS」へは、第1ターミナルから徒歩でのアクセス。詳細については以前投稿した下記記事に委ねるが、だいたい10-15分ほど。ちなみに同施設と第2ターミナルは隣り合っており、第2ターミナルへアクセスする際にはこちらの建物を通り抜けることになる。
(空港駅からの経路はこちら)
施設は大きく分けて博物館?機能と各種レストラン等の商業施設機能の2種類。当日は急遽訪れたうえ、一人ということもあって商業施設機能のみを利用した。場内の飲食店は10店舗強と、ものすごく多いという訳ではないのだが、どの店舗もボーイングの工場のあるシアトルをテーマとしていて面白い。
徒歩で辿り着いた建物は割と暗めで、落ち着いた雰囲気。
建物は3階建てで、ご覧の通り建物の大半は機体が占有している。
2階の一部はフードコートになっているのだが、地図に描かれている通り、一部は頭上近いところに主翼がかかっており、そのエリアについてもテーブルと椅子が配置されている。翼の下から眺める機会などそうないから、ある種特等席かもしれない。
到着した時点では朝食には遅く、かといって昼食を取るには早すぎるといった、何とも微妙な時間でひとまずスターバックスへ。ちなみに、このスターバックスの1号店はシアトルにある。
今回利用したスターバックスは2階の機首辺りに位置しており、店舗専用区画からは若干見下ろすような格好で機体を眺めることができる。
飛行機は各車輪がそれぞれ台座に乗っているような形で、1mほど持ち上がっているが、見ると素人目にはずいぶん華奢だに見える。機体そのものに重量があるからそうそう動かないとは思うものの、大きな地震があった際には台座から落ちたりしないものだろうか、と思うようなディスプレイ。
それにしてもご覧の通り、機体との距離が異様に近い。よく見ると、機首部窓下に機長2名の名前が記されているのが見えるが、これを空港の展望デッキからこの文字を読み取るには双眼鏡が必要になるんじゃないか。
コーヒー片手に、何をするでもなくしばらくぼーっとしていると、突如としてプロジェクションマッピングが始まった。投影は10分-15分に一度とかなりの高頻度で、待って見るというよりはほぼ常時流れている。そのおかげで見慣れてしまい、最後の方は見向きもしなかったが…。
空港にある、人の流動が高い施設という関係上、時間のない人も見るチャンスをという意味ではこれくらいの頻度がちょうどよさそう。
その後、施設内を散策。
建物を時計廻りに行けるところまで歩いていくと、エンジンの真横を抜け、主翼の下を通って尾翼の辺りに辿り着くようなつくり。
かえすがえすも不思議なのは、この機体が日本に寄贈されたこと。ボーイングの試験初号機ともなればアメリカの博物館にでも保存しそうなものだが、どういう経緯で日本に飛んできたのだろうか。
機窓から見るよりも遥かに大きいエンジン等々、今後これ以上飛行機をつぶさに眺める機会もないんじゃないかというほど眺め、そんなこんなで2時間ばかし時間をつぶして空港へ戻った。セントレアで時間を持て余したとき、もしくはこれを目的にセントレアを訪れてみるというのも良いかもしれない。
そんなお話。