日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】おおぞら12号(釧路/札幌)


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便名 : おおぞら12号
日付 : 2022/06/xx
区間 : 釧路(18:59)→札幌(22:59)
所要時間 : 04:00
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : -(企画乗車券利用)
運行 : JR北海道

当時発売されていた「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」を利用し、日帰りで根室を訪れたのち最終の特急「おおぞら」で札幌へ向かう。

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この日の根室や釧路は曇天程度でそれほど実感する機会はなかったのだが、北海道内の他の地方、特に道北方面が荒天になっていて、特急列車も運休になっているような状況。駅の電光掲示板にも列車の運休を知らせる情報が繰り返し表示されていた。自転車で走ったときにも感じたことだが、初夏から夏の北海道は思いの外天気のよくない日が多い印象がある。

JR根室本線 釧路駅 電光掲示板

JR釧路駅/ 全道的に悪天候の一日

乗車する「おおぞら12号」はこの日釧路から札幌に向かう最終列車。車両は車庫から出てくるのかと思いきや、札幌14:17発の「おおぞら7号」で18:39に到着し、そのまま折り返して札幌に向かうという運用のよう。ほぼ東京から名古屋に相当する片道約350kmを1日で往復、下手をすれば1.5往復する訳で、早々に老朽化が進行するというのも納得。

JR根室本線 釧路駅 改札口前

JR釧路駅/ 特急列車は1番のりばからの発着

特急列車の発着する釧路駅の1番線はホームの幅が広く、いかにも「ターミナル駅」という佇まい。一方隣の2番線、3番線ホームはこれと比べると少し小ぢんまりしているが、ハイシーズンに観光列車「ノロッコ号」が発着する関係でホーム根室側に「湿原の鐘」が設置されているのが特徴。

JR根室本線 釧路駅 ホーム根室方

JR釧路駅/ 真ん中のホームには鐘が設置されている

1番線ホームの根室方には「初秋の釧路湿原」なる絵が掲げられている。JR誕生直後の同社社員が描いたものなんだとか。それから約35年が経過しているが、同じ場所から見た景色はどう変わっているだろうか。

JR根室本線 釧路駅 ホーム根室側

JR釧路駅/ 約35年前の職員によって描かれた釧路湿原

札幌からの「おおぞら7号」が10分弱遅れて18:50前に到着すると、折り返しのため急ぎ清掃が始まった。自由席の清掃は車両によって作業完了後の乗車タイミングが異なり、乗客が若干慌てている様子も見られたが、ともあれ釧路駅から乗車する自由席旅客の全員が着席できる程度の混雑。

JR根室本線 釧路駅 ホーム札幌方

JR釧路駅/ 札幌から走ってきて、小休止ののち再び札幌へ

列車はグリーン車1両、指定席3両、自由席2両の6両編成。当時はCOVID-19によって特急列車の編成短縮が相次いでいたが、その後2023年に入って乗客が少し復調し、しばしば少し長い編成も見かけるようになってきた。

JR根室本線 釧路駅 おおぞら12号

JR釧路駅/ この日の「おおぞら12号」は6両編成

長距離かつ雪国の特急列車ということもあり、デッキには大型の荷物置き場が設置されている。この手の設備はあまり利用したことはないのだが、目の届かないところに荷物を置いておくのは少し不安があるような。なお、客室内にも荷物棚は設置されている。

JR根室本線 おおぞら12号 261系

おおぞら12号車内/ デッキと客室内に大型荷物置き場がある

利用したのは自由席だったが、座席は一見して指定席車両と同様。この座席、シートピッチはそれなりだが、座席が少し硬めで長時間の乗車だと少ししんどい。かと言って軟らかすぎると腰にダメージが来るから、どっちが良いかと問われるとなかなか難しい。

JR根室本線 おおぞら12号 261系

おおぞら12号車内/ 自由席も指定席と同じ座席の車両がやってきた

前述の通り乗車時に若干ごたごたしたことで若干殺伐とした雰囲気もありつつだったが、ほどほどの乗車率で釧路を出発。繁忙期というような時期でもないから、結果として特に焦る必要はなかった。ただ、この旅行で別の機会に乗車した、日中に函館を出発する「北斗」は満席だったから、時間帯も影響しているのかもしれない。

この時期、沿線では野生動物が多数出没するという自動放送があった通り、白糠駅を出た辺りから列車は数分に一度急ブレーキがかかるような塩梅。JR北海道では真冬の積雪状況下でも問題なく停止できるよう、鋳鉄製のブレーキパッド(制輪子)を使用しているそうで、雪のないこの時期ではかなり強力なブレーキがかかった。

JR根室本線 おおぞら12号 261系

おおぞら12号車内/ それなりに空席を残して釧路駅を出発

そのような状況ではなかなか定時運行というのも難しく、帯広までで約10分ほどの遅延。ただ、幸いにして実際に衝突することはなかった。

ちなみにどういう訳か急ブレーキがかかったのは釧路から帯広までの区間に集中していて、帯広から先は通常通り走行していた。帯広以西と以東では何の違いがあるんだろうか。

列車は21:00過ぎに新得駅に到着すると、ここから先は石勝線へ入っていく。これまで分岐駅だった新得駅だが、そう遠くない将来に根室本線が廃止されると、ただの特急停車駅のひとつになってしまうだろうか。かつて何度か富良野方面へ向かう列車に乗ったことがある身からすると、何とも寂しい限り。

JR根室本線・石勝線 新得駅

JR新得駅/ 「おちあい」の文字が見られるのはいつまでか

列車は冒頭の遅れをそのままに石勝線を抜け、南千歳駅から千歳線のルートで札幌駅へ。ほんの少しだけ遅延を挽回し、定刻から約5分ちょっとの遅れで23:05頃に札幌駅へ到着した。

この日は札幌駅前のホテルに宿泊し、翌朝の特急でJR最北端の稚内駅を目指すことに。