訪問日 : 2021/09/xx
関さばと関あじを食べ、大分駅の駅ビルに併設されたJR九州系ホテルの「ブラッサム大分」内にある「シティスパてんくう」で温泉で寛いだ後にやって来たのが大分空港。
(ちなみに、この日の食事についてはこちら)
九州島内の空港は市街地から遠いところが多いが、なかでも特に遠いのがこの大分空港。大分空港は大分市街地から北へ約50kmの国東(くにさき)半島にあり、空港連絡バスで約1時間ほどの所要時間。別府湾を直線でショートカットできれば早いかもしれないが、現状は陸上を迂回していくほかにはルートがない。
それゆえ、例えば19:10発のJAL東京行き最終便に搭乗する場合は17:27大分駅前発の空港リムジンバスに乗車しなければならないなど、同空港は大分市街方面からのアクセスが少しいまいち。何なら(大分空港からのSNA最終便ではなく)大分駅から特急列車に乗り、福岡県にある北九州空港へ向かったほうが数分ながらも東京から大分市街地を訪れた際の滞在時間が長いという状況が生じている*1。
こうなると元も子もない話だが、特急列車で大分駅から博多までは最速約2時間なので、時間帯や行き先によっては割引きっぷを使って福岡空港から飛行機に乗った方が速く、運賃的にも安い場合すらあるかもしれない。ちなみにこれは大分に限った話ではなく、九州全土でしばしばある話。
(公式サイトはこちら)
■ 地図情報
空港バスは大分・別府行きのほかに、湯布院、中津・宇佐・豊後高田、佐伯・臼杵方面への路線が設定されている。なお、中津から大分空港の路線は所要時間約2時間、運賃1,550円だが、北九州空港まではJRと路線バスで向かうと約1時間20分、運賃1,180円でアクセスすることができる模様。返す返すも大分空港と北九州空港は少なからずエリアが重複している。他にも阿蘇方面では熊本空港と、佐伯方面は宮崎空港と競合しているという意味では、少し可哀想な空港かもしれない。
そんな少し利便性の悪い大分空港だが、2020年にアメリカのヴァージン・オービット社とパートナーシップを締結。2022年以降に大分空港から離陸する飛行中の飛行機から人工衛星を発射する計画があり、日本初の「宇宙港」として売り出し中。国東半島という割に自然豊かなところにあるが、実は世界の最先端を行く空港。
…だったのだが、同社は2023年5月に経営破綻して解散してしまい、今後の行く末が少なからず気になるところ。
当時はちょうど訪問した頃に元々あった「おんせん県」の各種展示に「宇宙港」の情報が加わったところで、空港内は若干情報が混雑気味。その結果、足湯に宇宙人が入るというなかなか混乱した状況になっていた。何もないよりは余程ましだが、一気に個性をつけすぎたかもしれない。
空港の就航路線を見ると、国内線ではJAL系のJAL・ジェットスター、ANA系のANAにIBEX、ソラシドエア(SNA)とPeachが就航していて、東京羽田、東京成田、大阪伊丹、名古屋中部への路線がある。午前中には駐機場がIBEX機だらけになる時間帯があるあたりが、地方空港のなかではちょっと変わっているところ。
全体として見ると、陣営の就航会社の数やターミナル中央にANAカウンターが開設されているところから、どちらかといえばANAグループが強いという印象がある。
ターミナル1階中央にはコンビニエンスストア(セブンイレブン)が入っている。一昔前は地方空港にコンビニが入っているケースは珍しかった気がするが、最近ではずいぶん増えてきた。よく見ると床は滑走路模様の特別仕様になっていて、しっかり同空港の滑走路の方角になっている*2あたり芸が細かい。
ちなみに空港の外には「CYCLE HUB」なる自転車用の更衣室がある。申し出ればフロアポンプと工具を貸し出してくれるそうで、携帯用ポンプで空気を入れるという飛行機で輪行する場合の手間がひとつ減るのは大きい*3。
余談だが、空港のある国東半島の海沿いは割と道路は平坦だったので、内陸に入らなければ割と楽しく走れそう。2020年の秋と2022年の年始に内陸部を走ったが、ところによって割ときつい上り坂がちらほらあった。
(2020年の記録はこちら)
(2022年の記録がこちら)
空港ターミナル2階の売店は割と規模が大きく、県内の特産品を中心として様々なお土産を販売している。ざっと見たところ、麦や米の焼酎、かぼすや椎茸関係のアイテムが多いイメージ。
2階と3階にはレストランが数店舗ずつ。夕方の便が集中するタイミングでは座席が埋まって入店できないケースも度々目にするから、食事を目論んでいる場合には少し早めに到着しておいた方がいいかもしれない。
ちなみに、前述のように2023年7月現在は大分市街からバスでしかアクセスできない同空港だが、2023年以降の予定でホーバークラフトによる航路を開設する計画があるらしい*4。ルートもさることながら、ホーバークラフトというその乗り物の特殊性も興味深いことから、航路が開設されたら一度乗りに行ってみたいところ。所要時間が短縮できるかどうかは大分市街地側の港の利便性に懸かっているような気もするが。
このように空港自体の利便性はいまひとつだが、直線距離では本州各空港から最も近い九州の空港のひとつということもあり、時々比較的安価な割引運賃が出ていることもある。周囲の各空港とうまく使い分けるのが良さそう。
というお話。