日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【空港探訪】15.但馬飛行場(TJH)


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訪問日 : 2021/05/xx
空港愛称 : コウノトリ但馬空港

兵庫県日本海側にあって「天空の城」こと竹田城城崎温泉などが有名な但馬地方にあるのが但馬飛行場。近年高速道路(北近畿豊岡自動車道)が順次延伸されるなど、交通の便は徐々に良くなっているものの、2023年現在で大阪との間を最も高速に移動できるのは飛行機。伊丹空港との間に1日2往復のフライトが設定されている。

(公式サイトはこちら)

www.tajima-airport.jp

■ 地図情報

空港はJR山陰本線と京都丹後鉄道の豊岡駅の南西、バスで15分ほどの小高い山の上に位置する。こちらの空港、地形のせいか立地のせいか、しばしば天候不順によって大阪からの飛行機が着陸できず引き返し、折り返し便が欠航するというケースが時おり見られる。そのため、便が欠航した場合の代替交通サービスが予め用意されているのが特徴。

(代替交通サービスについてはこちら)

www.tajima-airport.jp

無事に到着できた場合、但馬空港から、但馬空港までの公共交通機関は路線バスのみで、豊岡駅を経由してJR城崎温泉駅までの運行。発着ともに航空便に対応しており、運賃は豊岡駅まで大人320円、JR城崎温泉駅まで大人500円。交通系ICカードには対応しておらず、現金のみの支払い。

(バス乗車記はこちら)

biketourist.hatenablog.com

コウノトリ但馬空港 城崎温泉駅行きバス

(@コウノトリ但馬空港)便によっては高速バス車両の場合も

このほか、但馬地方を廻る定期観光バス「たじまわるプレミアム号」が午前中に乗車、夕方に降車のために空港を経由する。期間限定かもしれないが、航空便を利用した場合当該バスの運賃が無料になるキャンペーンを実施していたこともある。

(公式サイト案内はこちら)

www.tajima-airport.jp

冒頭、各種情報から始まってしまったが、空港ターミナルは便数が便数ゆえ2階建ての比較的簡素な造り。それゆえ空港ターミナル内には簡単な売店と喫茶しかないが、建物を出て少し歩いたところに「大空の駅レストラン」なる飲食店が営業しているらしい。


(以下、外部サイトによる店舗情報)

tabelog.com

コウノトリ但馬空港 空港ターミナル外観

(@但馬空港)かつては湯村温泉へのヘリコプター路線もあったとか

空港ターミナルは小ぢんまりとした造りで、同じフロアに出発口と到着口がある。なお写真には映っていないが、天井からは小型の飛行機が吊るされていてさながら航空博物館のような雰囲気。なお、正面奥の一角は貸しホールになっていて、最大400名を収容することができるらしい。なぜここにという感じだが、将来便数が増えた場合の増床予定地だろうか。

コウノトリ但馬空港 空港ターミナル全景

(@コウノトリ但馬空港)左手に到着出口がある

ターミナル中央には売店があり、空港の所在する豊岡市は鞄の製造が有名な土地ということもあって、鞄も販売している。今回の空港内に見当たらなかったが、JR豊岡駅構内には鞄の自動販売機なんてものを見たことがある。

コウノトリ但馬空港 空港ターミナル内売店

豊岡は日本有数の鞄の産地なのだとか

1日2便の空港ということもあって空港ターミナルは1階にほぼすべての施設が集約されているため、屋内についてはここまでの情報がほぼすべて。2階は事務室になっていて、屋上に展望デッキがある。エレベーターで屋上に上がり、極めて事務的なドアを開けると屋上展望デッキに出られる。

コウノトリ但馬空港 屋上展望デッキ

かつては「開放厳禁」だった模様

以前はだだっ広い展望デッキだったが、直近で訪問した際には「TAJIMA」の看板が設置されていた。ちなみに空港はほぼ南北方向に滑走路が設置されていて、駐機場に向かって左手が南、右手が北方向。

コウノトリ但馬空港 屋上展望デッキ

(@コウノトリ但馬空港)個人的には左手から着陸するケースが多い

1機しか駐機しない場合、飛行機は以下のようにターミナルと並行に駐機する。なお、写真に映っているJAC機はコウノトリ但馬空港を運営する但馬空港ターミナル㈱が購入し、JACが使用する珍しいスキームが取られている。

コウノトリ但馬空港 屋上展望デッキ

ターミナル正面には小型機の駐機場も設置されている

空港ターミナルを出て左手脇には小さな広場があり、ANK塗装のYS-11型機が展示されている。この空港にはANA系列の定期便が就航したことはないはずだが、どういう経緯でここに展示されることになったのだろうか。ただ、経緯はともあれ、割と整備が行き届いているようで塗装の色褪せもなく綺麗に維持されている。

コウノトリ但馬空港 YS-11型機

ANAグループにはあまり縁のない空港のはず

件の広場に向かう途中、左手には大きく「めざせ!東京直行便」の掲示がされている。現在の伊丹乗継でも最速約2時間ほどで、乗継ぎがあるにしては移動時間は短いが、羽田に直行して1時間台を狙いたい、ということだろうか。

ただ現在、滑走路は全長で1,200mしかなく、就航できるのはプロペラ機が限界。現行のATR機の最高速度を考えれば乗換えと目を見張るほどの差はないと考えられ、羽田への直行便というのは現時点では少々難しそうな。1,200mで就航できるジェット機はあるんだろうか。

コウノトリ但馬空港の悲願 東京直行便の就航

片道2時間であれば比較的上出来な気もする

ともあれ、以上がコウノトリ但馬空港の全貌。飛行機が到着してから連絡バスが出発するまでの約20分で殆ど全てを見切れてしまう規模だが、何かの参考になれば嬉しい。