便名 : JR予讃線·124M(普通列車)
日付 : 2022/06/xx
区間 : 松山(05:53)→高松(10:23)
所要時間 : 04:30
乗車クラス : 普通車自由席(全席自由)
運賃 : 3,960円
運行 : JR四国
松山から高松へ移動するのだが、「青春18きっぷ」で移動する訳でもなく、単にきっぷを購入して移動する旅程。それゆえ特急列車に乗っても良かったのだが、何となく長距離普通列車で移動してみたくなって松山から高松まで普通列車で移動することに。乗車するのは松山駅05:53に出発し、香川県の高松駅まで約200kmを走る124Mという列車番号の普通列車。
この日は前夜から伊予鉄道の松山市駅近くの宿に宿泊していたから、列車の時間に合わせてJR松山駅へ徒歩で移動。松山市内は路面電車が走っているのだが、松山市駅からの始発は06:30とかなりのんびりしていて今回の旅程には合わなかった。
余談だが、JR松山駅に到着する目前に大手町という駅があり、この駅前には伊予鉄道の郊外電車と路面電車が直角に交差する「ダイヤモンドクロス」が設置されている。詳細?は以前記事にしたことがあるので当該記事を参照のこと。
(該当記事はこちら)
そんなこんなで、松山市駅から距離にして1.5kmほど、徒歩20分弱でJR松山駅に到着。路面電車でも10分弱かかるから少し遠いように思えるが、歩いてみると案外遠くないなという感じ。
三角屋根が特徴的なJR松山駅だが、現在同駅は高架化工事の真っ最中。何らか工事の手違いがあって当初予定の2023年度中の完成から2024年秋頃に延期されたようだが、それを考慮してもこのスタイルの現駅舎が見られるのは残りわずかな期間ということになる。
駅舎内は吹き抜けで天井の高い造り。高架化された後の駅のイメージはまだ見ていないが、先んじて既に高架化が完了している高知駅と同じような雰囲気になるだろうか。
ともあれ乗車券を購入して改札を通過。松山駅は新幹線連絡の関係で早朝から深夜まで特急列車が出入りしているのが特徴で、朝の岡山・高松行き特急列車は05:05発、県内完結の宇和島行き「宇和海」も05:48に始発列車が出発していく。
他方の到着側は昨今の終電繰り上げのトレンドの影響を受け、従来最終だった岡山22:00発-松山00:56着の列車が松山駅まで来ずに伊予西条止まりになってしまったが、現行の最終列車も23:33着となかなか深い時間の到着。
そんな特急街道の予讃線を全区間走破するのが今回乗車する05:53発の高松行き普通列車。終着寸前の坂出駅まで各駅に停車し、そこから「サンポート南風リレー」号として快速運転しながら高松へ向かう。上りの高松方面はこの1本のみだが下りは3本が設定されていて、各地で系統分割が進んでいるなかでは本数が充実している。
ホームに降りるとすでに列車は停車中。列車は3両編成で、この日は全区間を通じて車掌が乗務していたような記憶がある。もしワンマンの区間がある列車の場合、JR四国では2両以上繋いでいた場合であってもワンマン区間に入ると締切となり、2両目以降は乗車できなくなるので要注意。
今回乗車するのは7000系電車で、2023年6月現在に松山近郊区間の電車普通列車はすべてこのタイプの車両による運行。左手奥に止まっているのが前述05:48発の特急「宇和海」。余談になるが、宇和海号に続けて出発する05:51発の予讃線下り普通列車の宇和島行きは元特急型車両による運行のちょっとした乗り得列車。この列車は青春18きっぷのポスター等で有名になった下灘駅のある「海線」を経由して宇和島へ向かう。
前述の通り松山駅は高架化工事が実施中で、訪問した2022年6月の時点で松山駅構内の隣接地、元々留置線のあった場所には既に高架橋の橋脚が設置されている状況だった。ここから1年が経過した2023年6月現在ではきっとかなり進展が見られるはず。
車内に入ると、セミクロス配置でボックスシートとロングシートが互い違いに配置されているちょっと変わった配置。なお、所要時間4時間を超える普通列車ではあるが、車内に化粧室の設置がないので、所々での少し長めの停車時間を活用するほかない。
運転席は半室構造。運転席がない側には乗務員用の扉は設置されておらず、車掌さんは小窓から身を乗り出して安全確認をするようなスタイル。車内の巡回は比較的頻繁にしていて、数駅に一度はここからドアを扱っていた。
余談ながら、車掌乗務で運賃表が入力されていなかったからだろうか、運賃表示機には「リセット リセット 行です」なる謎の表示が繰り返し流れていた。
ところで、しまなみ海道のある愛媛県らしく、土休日の一部の列車では運転席直後のスペースが「自転車優先スペース」になっている。該当列車では自転車を解体せずに持ち込むことができるのだそう。このほか特急列車には自転車スタンドが設置されていたことがある*1など、JR四国は自転車にフレンドリーな鉄道会社という印象がある。
(詳細についてはこちら)
松山駅を出発したのち松山近郊は比較的駅間距離が短く、少し走っては停車しての繰り返し。しばらくは単線区間を走っていくため、対向列車の通過待ちや優等列車の通過待ち合わせがしばしばある。松山駅を出発して30分ほどした大浦駅で、早速後続の特急列車の通過待ちで7分ほどの停車。同駅では松山駅を20分後の06:13に出発した「しおかぜ6号」が追い抜いていった。
こちらは30分ほどかけて走ってきた同駅までの道のりを、同列車は約半分の15分ほどで走破している。この列車に使用されている8000系電車は登場から30年近くが経過しているが、再度リニューアルを実施するそうでもうしばらく活躍が期待されている模様。
出発から1時間30分ほどで今治駅に到着。松山駅から約40kmほどある同駅までの区間を日頃移動する際に利用する特急列車は約40分で走破するから割と近いように思っていたが、いざ普通列車で移動してみるとなかなかの距離を感じる。
今治駅を境に高松方面は普通列車でもなかなかの高速運転の区間で、速度が110km/h近くまで出ているケースがしばしば見られた。ただ、いくら高速運転をしようとも各駅停車では特急列車に敵うわけもなく、出発から2時間50分ほど経過したところで伊予三島駅に到着すると、9分間の停車時間のうちに松山駅を1時間27分後に出発したしおかぜ・いしづち8号に追い抜かれた。
ちなみにこの次の特急列車は松山駅08:10発のしおかぜ・いしづち10号で、これの高松駅到着は10:39なので、10:26着の当列車はぎりぎり追い付かれずに高松駅に滑り込むことになる。ちなみにこちらの普通列車、途中区間に通勤通学のピーク時間が含まれるため、区間によっては首都圏の通勤電車さながらの混雑をしていた。朝早かったこともありちょっとうたた寝してしまったが、起きると目の前が大混雑していて少し驚いた。
列車は伊予三島を出ると製紙工場の脇を抜け、川之江に停車。次の箕浦駅との間で愛媛県四国中央市から香川県三豊市へ入った。この辺りでは線路が海岸線のかなり近いところに敷設されていて、ドアの奥には瀬戸内海が広がっている。
出発から間もなく4時間という頃に多度津駅で高知方面からの土讃線と合流し、宇多津駅で岡山方面への瀬戸大橋線と分岐し、さらに合流して坂出駅に到着。ここまでは各駅停車で走ってきたが、ここから高松駅までのごく僅かな区間のみ快速運転に切り替わり、高松までの間は端岡駅のみ停車する。
残り数駅ならば各駅停車でも良いような気はするが、その場合この区間に時間あたり3本の各駅停車が走ることになるから、それは過剰という判断だろうか。また、この列車に関して言えば、真後ろを走ってくる岡山からの「マリンライナー」から逃げ切るという目的もありそう。同列車は坂出駅をマリンライナーの6分前に出発するが、終点高松駅到着時点では3分まで迫ってきている。
ともあれ約4時間30分の長旅を終えて高松駅に到着。ガラス張りの駅舎は装飾の余地が大きいからだろうか、いつも何かしらのディスプレイがされているような気がする。高松では少し時間に余裕があり、朝食がてら街中のうどん屋さんを訪れることに。
普通乗車券を購入すると同区間の運賃は3,960円となるが、追加で数百円も出せば高速バスで快適に移動することができる。それゆえ普通乗車券でこの行程を辿る意味は殆どなかったような気もするが、青春18きっぷなんかでは重要なルートになるだろうか。
というお話。
*1:2023年現在では該当車両が既に廃車されており、サービスは終了している。