日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】かもめ45号(博多/長崎)


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便名 : かもめ45号
日付 : 2021/12/xx
区間 : 博多(22:10)→長崎(00:00)
乗車クラス : 普通車指定席

新幹線で博多までやって来た。

(ここまでの移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

ここまでは「JR西日本どこでもきっぷ」でやって来たが、博多から先、この日の目的地である長崎までのJR九州区間はエリア外のため「ネットきっぷ」を別途購入。博多長崎間について、直前購入でも片道3,000円ほどで移動できるのはありがたい。

そういえばつい最近、西九州新幹線については料金形態が発表されたが、「ネットきっぷ」は4,200円と在来線時代から1,200円程度の値上げがなされ、所要時間は乗換え時間込みで最速1時間20分。高速バスも若干の値上げがされるようだが、こちらは値上げ後の通常運賃が2,900円、回数券だと2,500円/1枚で所要時間最速2時間7分。今後は時間とコスト、優先する要素によって選択肢を選べるようになる。

(公式サイトは以下参照)

www.jrkyushu.co.jp

ホームに上ると乗車する「かもめ45号」は既に入線済み。この列車は当日最終の長崎行きで、昼間の列車よりも短い1時間50分で博多と長崎を結んでいる。「かもめ」には元「つばめ」の黒い787系電車と、振り子式の「白いかもめ」こと885系電車の2種類が使用されているが、この列車は「白いかもめ」のほう。

博多駅 在来線ホーム

特急専用の掲示が本数の多さを物語る

(以前乗車した「黒いかもめ」の乗車記はこちら)

biketourist.hatenablog.com

この「白いかもめ」車両、見た目は格好が良いのだが、乗り心地はいまひとつなのが何とも残念。ちなみに、西九州新幹線開業後は「リレーかもめ」のほか、新たに一部の「みどり」、新設の「かささぎ」にも充当されるのだとか。

それにしても「みどり」号はJR九州設立以後、「赤いみどり」に始まって、「黒いみどり」「白いみどり」と日本語にすると妙な列車が多い印象がある。かつては鹿児島と宮崎を結ぶ「きりしま」に緑色の車両が走っていて、こっちのほうがよほど「みどり」じゃん、と思ったことがあった。

ともあれ、3号車の乗車口から乗り込むと、デッキにはかなり広めのオープンスペースがある。自転車旅行で輪行するとき、客席に自転車を置けなければ自転車共々ここにいるというのもありかもしれない。それにしても、こんなスペースを設置できるという点で、この頃のJR九州の車両には今と違った余裕があるように感じる。

ところで、特急列車というくくりではJR九州在来線の直近の新車がこの885系車両になるのだが、この車両ももう20年選手。そろそろ「ソニック」は代替えの頃合いにもなってくるが、次の新車はどうなるだろうか。

885系 ラウンジスペース

885系 3号車のフリースペース

前述の乗り込んだ3号車のフリースペースはJR九州にしては大人し目だが、一方で隣の2号車の通路は長崎に纏わるディスプレイがされていてかなり派手な「らしい」見た目。うまく化粧室を隠す機能を果たしていて、列車内という感じがしない一角。

ディスプレイされているうち、「凧」「南蛮」というのは説明不要だと思うが、あまり聞きなれない「唐通詞」というのは何だっけと思って調べてみたところ、長崎奉行の配下に置かれ、中国との貿易交渉にあたった通訳のことなんだとか。

885系 かもめ フリースペース

何度見てもインパクトの強いディスプレイ

今回乗車したのは指定席。もともと普通席・グリーン車いずれも革張りの座席で登場した885系だったが、あまりにも座席のホールド性が悪く、一部の車両は布張りに更新されている。今回乗車した車両はその更新後の車両。

885系 かもめ 普通席 座席

見た目は悪くないのだが…

この座席、大柄で悪くなさそうに見えるのだが、やけに枕が前方に張り出しているせいで頭が前方に押し出される妙な姿勢を強いられる。どうしたものか、この車両に限らず、JR九州の座席は見た目重視で肝心の座席の座り心地がお留守になっているものが多い。見た目は不細工な座席でも快適な方が個人的には嬉しいのだが。

程なくして発車時刻となり、乗客は横1列4席ごとに1人いるかいないかくらいで博多駅を出発。最速達型といっても途中停車駅が絞られている訳ではなく、主要停車駅に停車しながら進んでいく。

博多駅出発後、鳥栖新鳥栖と停車し、38分で佐賀駅に到着。博多駅からは50kmちょっとの距離があるが、長崎本線は線形が良くほぼずっと最高速で走れるから在来線でもこの時間で到達できる。新幹線も新鳥栖から博多の間、博多南線との共用区間は徐行気味に走ることを考えると、佐賀から博多の間の新幹線はどれだけメリットがあるやなしや。だからこそ、現在要否についての議論が盛んにされているのだと思うが。

せっかくなので調べてみると、現状の博多新鳥栖間の在来線の所要時間差が約10分*1新鳥栖佐賀間の所要時間差が約5分程度*2となるだろうことを考えると、各駅停車で約15分、ノンストップで20分程度の短縮、所要時間では約20-25分程度ということになるだろうか。所要時間が約半分というのは大きいかもしれないが、現行の「ネットきっぷ」の1,150円から倍まで上がるとさすがにちょっと使いづらいような。

そんなことを考えながらぼーっと窓の外を眺めてみるも、田畑が広がっていて街灯もそれほどないから、深夜ともなると殆ど何も見えない。窓枠を見てみると、窓枠には「KAMOME」のロゴ。全く余談だが、どこぞのトマト製品メーカーのロゴに似ている。

885系 窓枠 ロゴ

KAMOME

2022年9月に「江北(こうほく)」駅に改称されるという肥前山口駅を過ぎると西九州新幹線の開業に伴って「かもめ」としては運転が無くなる区間。救済措置として、肥前山口から10分ほどのところにある肥前鹿島駅までは一日数往復の特急列車「かささぎ」が運行されるのだとか。なお、肥前鹿島の先、肥前浜駅から長崎駅までの区間は現在電車が運転されているが、新幹線の開業と共に電化設備が撤去され、ディーゼル車のみの運行になるのだそう。

諫早湾が近づくと、カーブの連続する区間が始まる。それなりのスピードで走っているようだが、座っているとそれほどカーブが多いような印象を受けないのは振り子式の機能が存分に発揮されているということだろうか。

肥前鹿島駅から30分ほど沿岸部を走り、諫早駅に到着。23:42に諫早駅を出発すると次の浦上駅まではトンネル区間。トンネルを抜けると長崎市街地に入り、23:56に最後の停車駅、浦上駅に到着。半分ほどの乗客はここで下車していった。新幹線の開業によって長崎駅までであれば時間短縮になる一方で、元々1本でアクセスできた浦上駅へは武雄温泉駅長崎駅と乗換えが2回増えることになる。特急が全便停車する程度の需要はあるんだと思うが、これは本当に便利になったと言えるのだろうか、なんてことを思わないでもない。

浦上駅から終着の長崎駅までの所要時間は約4分で、到着は日付変わって00:00。以前は地上で車庫が併設された、いかにも終着駅といった趣のある駅舎だったが、新幹線の開業に伴って綺麗な高架式の駅舎に様変わり。余談だが、新幹線開業に伴う運行見直し後は6両分のホームは必要ないことから、ホームの一部は簡単に取り壊すことができるようになっているのだとか。

長崎駅 在来線ホーム

「電車」が来るのはあと数ヵ月

駅構内には仮設のファミリーマートの店舗があったが、24時間営業ではなくこの日は閉店済み。この後2022年3月になって駅周辺の商業施設が開業し、この仮説店舗があったところが入口になったようだが、この時点では駅周辺にはこのファミリーマートしかないような状況だった。駅周辺今後も変貌を遂げていくはずで、機会があればまた訪れてみたい。

(2022年3月に開業した「長崎街道かもめ市場」の情報はこちら)

amu-n.co.jp

長崎駅 駅構内 ファミリーマート

訪問当時はまだ店舗は殆どなかった

ともあれ、日付も変わってしまったわけで、急ぎこの日の宿泊先へ向かった。

*1:新幹線が約13分に対し鳥栖のみ停車のかもめ号が約24分。

*2:かもめ号が約13分、新鳥栖から佐賀駅にの距離に相当する新幹線の所要時間が約8分(距離がおおむね近似する山陽新幹線新神戸西明石間、距離22.8kmを準用。ちなみに新鳥栖佐賀間は22.1km。)。