便名 : JR八戸線•441D(普通列車)
日付 : 2023/06/xx
区間 : 八戸(12:24)→久慈(14:09)
所要時間 : 01:45
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 1,340円(クレジット決済)
運行 : JR東日本
青森空港から青森駅へ出て、青い森鉄道の普通列車で八戸駅に到着。ここからはJR八戸線に乗換え、岩手県の久慈駅を目指す。
(ここまでの移動はこちら)
今回乗車するJR八戸線はこの八戸駅と久慈駅との間、約65kmを結ぶ路線。八戸側は青い森鉄道と、久慈側は三陸鉄道と接続しているものの、他のJRの在来線とは接続していない飛地状態になっている。青森県内では他にも大湊線が同じような状況。
全線走破する列車も8往復(2024年8月現在)とそれなりに本数が設定されているが、八戸市内で完結する八戸駅-鮫駅間の列車の本数が多く、八戸駅基準で朝7時台には4本の列車が設定されているのも特徴的。
八戸駅で出発を待っていたのはE130系気動車の2両編成。銀地に水色帯を纏ったかなりシンプルな見た目の車両は2017年に従来車両を置換える目的で導入されたもので、2024年現在の定期列車は全てこの形式で運行されている。
(兄弟形式の車両が活躍する路線はこちら)
座席はセミクロスシートの座席配置で、座席は首都圏の通勤型車両と同様の、比較的硬めの座り心地のもの。首都圏の車両でも近年の車両は少し柔らかい掛け心地になっているが、この車両に関しては従来の車両の方が近い。
ロングシートはしっかり座れば(短距離の乗車であれば)それほど乗り心地が悪くない一方で、クロスシートは背もたれが直角すぎるせいか、あまり乗り心地が良いとは言えないような。いずれにしても、長距離を座りっぱなしで移動するのはあまり向いていないタイプの座席。
同線は太平洋岸を走る路線で、2011年の東日本大震災の時には大きな被害を受け、約1年間運行ができなくなった。当路線に限らず、この震災では複数の路線で列車が津波の被害を受けたため、その教訓から沿岸部を走る列車の出入口付近には非常時に列車から避難する方法が記載されるようになった。
さて、列車は八戸駅を出発するとしばらくは市街地を進んでいき、約10分、5kmほど走ったところで本八戸駅に到着。駅は繁華街の中にあるという感じではないが、新幹線が停まる八戸駅よりもこの本八戸駅の方が街の中心に近いところにある模様。ただ、新幹線の乗降客が多いか、純粋な乗降客数となると八戸駅の方が多いらしい。
ちなみに最寄りの三沢空港行き空港連絡バスは八戸駅を経由せず本八戸駅前発着のため、八戸駅から三沢空港へ向かう場合は市街地からバスに乗るか、青い森鉄道三沢駅でバスに乗換える必要がある。
本八戸駅を出発すると、進行方向左手(海側)には八戸鉱山なる会社のプラントが見えてきた。同社は石灰石の採掘と販売を業としていて、八戸市の郊外には「八戸キャニオン」とも称される大規模な鉱山を所有している。
八戸市街地から車で30分ほど走ったところにあるその鉱山の、海抜マイナス170mまで掘り進められた採掘現場の一角にある展望台からの風景は一見の価値がある。
列車はしばらく走っていくと、ところどころ随分と海に近いところを走る区間が出てきた。この区間が津波によって浸水や路盤流出、水没などの被害を受けたようで、それから10年以上経った今でも、海に近い区間を移動する際には少し緊張感がある。
列車は八戸市内を抜けると徐々に乗客を減らしていき、海沿いの区間に入る頃には2両目の乗客は私ひとりに。空いているのは快適でいいが、乗車時間が1時間を超えた辺りから硬い座席がなかなかしんどくなってきた。
行程の中盤あたり、階上(はしかみ)駅と角の浜駅の間で青森/岩手の県境を越え、しばらくぼーっとしているうちに列車は終点の久慈駅に到着。同駅では6分の待ち合わせで三陸鉄道リアス線の宮古行き普通列車に乗換える。
久慈駅は2つのホームがあってJRと三陸鉄道がそれぞれ1本ずつを使用しているため、両列車間は階段を介した乗換え。久慈駅を発着する列車としては八戸線も三陸鉄道も日に10往復程度の本数で、基本的に相互に乗継ぎできるようなダイヤになっていると見えるが、早朝に接続のない列車がある分、若干三陸鉄道の方が本数が多い。
八戸線に関してはここ10年ほどの間に新車も導入されているからしばらくは安泰かもしれないが、JR東日本のローカル線の中には車両が老朽化しても後継車両が導入されない路線も多く、年を追うごとにローカル線の苦境はより鮮明になりつつある。10年後、一体日本の鉄道路線図はどうなっているんだろうか。バスもバスでより深刻そうではあるが。
というお話。