便名 : ひたち15号
日付 : 2023/03/xx
区間 : 上野(14:00)→いわき(16:11)
所要時間 : 02:11
乗車クラス : 普通車指定席(全席指定)
運賃 : -(企画乗車券利用)
運行 : JR東日本
越後湯沢から直江津、上越妙高を経由して上野駅まで到着。ここからはJR常磐線の特急「ひたち」に乗っていわき駅を目指す。
(ここまでの移動はこちら)
上野駅は東北、常磐、高崎各線の列車が同じホームから発着することもあって、ホーム上の電光掲示板にはラインカラーが表示されていないのが特徴的。通常の駅よりも表示領域が広く見える電光掲示板に表示されている「ひたち15号特急」というのは単語の並び的には妙だが、種別の列を揃えたかったんだろうか。
ともあれしばらくして列車が到着。常磐線の特急列車というと新幹線の改札口に近い地平ホーム16、17番線から発車するイメージが未だに強いが、2024年9月時点ではこれらホームから出発する特急列車は平日に2本しか無くなってしまい、基本的には高架ホームからの出発。
地平ホームはかつて20番線まであったようだが、新幹線の開通とともに一部撤去され、現在姿が残っているのは線路のない18番線まで。この本数が続くようだと、そのうち現在残っているホームも潰されてビルでも建てられてしまいそうな。
ともあれ、列車は上野駅を出発すると水戸駅までノンストップ。常磐線系統は今回乗車した、停車駅の少ない「ひたち(旧スーパーひたち)」と、小まめに停車していく「ときわ(旧フレッシュひたち)」が交互に運行されている。未だに「ときわ」はどこかしっくり来ないが、現在の体制になったのが2015年3月のダイヤ改正だそうで、早いもので次の3月で丸10年が経過することになる。
この列車は上野駅から水戸駅までをノンストップ、69分で走破し表定速度は約101.7km/h。早い列車は両駅間を66分で結んでいて、これだと約106.3km/h。乗っているとそれほど飛ばしている印象もないのだが、最高速度130km/hの列車にしてはかなり速い部類に入っているイメージ。
上野駅から北千住駅を通過するくらいまでは速度が上がらないが、その後は速度を上げると38分ほどで土浦駅を通過。つくばエクスプレスへの対抗として設定されたのち、減便に減便を重ね、今では日中にごく僅かに運行されているのみとなった特別快速が上野駅と土浦駅の間を57分を要していることを考えれば、この列車がいかに俊足かがわかる。
土浦駅を出発してすぐの進行方向右手には土浦駅の電留線が広がっている。土浦駅までの各駅はホームが15両編成に対応している一方で、土浦駅の次駅、神立駅以遠は10両編成までしか対応していないため、以前は多くの列車の増結•解結が土浦駅で行われていた。その後2023年3月のダイヤ改正以後は土浦駅で列車が分断されてしまい、土浦駅以北の多くの普通列車がグリーン車非連結の5両編成(ワンマン)で運行されている。
尤も、長距離であれば普通列車のグリーン車よりも特急列車の方が安価なケースが多く、青春18きっぷを利用するでもなければ特急列車を利用した方が快適に移動できる妙な状況になっている。
土浦駅を過ぎ、しばらくの間は線路沿いに蓮根(れんこん)畑をちらほら見かける。日本国内における蓮根生産量の約半数は茨城県で、中でも生産量が大きいのがこの土浦市なんだとか。同じく街の名物として売出し中のカレーに蓮根を使用した「蓮根カレー」などで町おこしをしている。
土浦駅から7分ほどで石岡駅を通過。進行方向右手側には2007年まで石岡駅と鉾田駅とを結んでいた鹿島鉄道の線路が敷かれていたが、撤去されたのち今では比較的大きなロータリーが設置されていて、茨城空港行きの空港連絡バスはここから発着する。
上野駅を出て1時間ちょっとした頃に水戸駅到着の放送が流れると、進行方向の左右に梅林が現れる。進行方向左手にあるのが日本三名園のひとつとして知られる偕楽園で、春先には特急列車も停車する臨時駅が開設される。同駅のホームは下りのみ設置されていて、上り方面に向かう場合は一旦水戸駅まで進んで折り返す必要があるのが特徴的。
上野駅から水戸駅まではノンストップでやってきたが、この先は勝田、ひたち、磯原、泉、湯本とまめに停車していわき駅まで向かう。水戸駅の次駅、勝田駅には車庫があるため常磐線の運行上の要衝となっていて、茨城県内の常磐線では特に本数の多い区間。
また、勝田駅はネモフィラやコキアで有名なひたち海浜公園のある阿字ヶ浦に向かうひたちなか海浜鉄道が発着しており、ハイシーズンは多くの利用客で賑わう。なお、繁忙期には同公園まで勝田駅前から公園直通のシャトルバスが運行されており、鉄道利用よりもバスの方が所要時間が短いことも。
(同公園のネモフィラについてはこちら)
同駅構内の留置線にはいくつかの車両が留置されていて、中には波動用車両として活躍しているE653系車両の姿も。常磐線で「フレッシュひたち」としての役目を終えたのち、一旦は新潟地区へ移籍したものの、近年になってそのうち一部が首都圏へ戻ってきた。前頭部の塗り分けはもう少しなんとかできた気もするが、全体的には国鉄色がそれなりに様になっている。
高萩駅を過ぎて日立駅が近づいてくると、進行方向右手側には太平洋が見えてくる。やがて到着する日立駅は少し高台にあり、ガラス張りの駅舎の一角にあるカフェからは太平洋が一望できることで近頃人気が高まっている。
日立駅の次駅、磯原駅では対向の品川行き特急「ひたち20号」とすれ違い。この列車に使用されていたのはE653系復刻塗装のうち、「スカーレットブロッサム」色の車両。2023年の初めからかつての「フレッシュひたち」と同様に、5色の塗装が復刻されている。当のE653系車両は国鉄色になっているから、それぞれ1世代昔の車両の塗装を纏っている妙な状況。
(E653系復刻塗装の車両についてはこちら)
そんなこんなで列車はいわき駅に到着。同駅はかつては「平」という駅名だったそうだが、1994年に現在の「いわき」へ改称されている。駅舎はその後2007年に橋上化され、まだ15年ほどしか経っていないこともあって割と新しく見える。
乗車してきた車両は一旦留置線へ引き上げ、折返し作業をして東京方面へ向かう模様。いわき以遠は日に3往復が仙台駅まで運転されており、次の列車は約2時間後。東日本大震災以前は当駅で系統分断の上、上野-いわきの列車と、いわき-仙台の列車をそれぞれ運行する計画が立てられていたと聞くが、現時点ではこの計画は沈静化しているように見える。
(いわきから先の区間に乗車した際の記録はこちら)
いわき駅前は水戸駅ほどではないものの思ったよりも栄えていて、学生の往来の多い時間であることを加味してもかなり人通りが盛ん。駅北側には城跡が広がっているようで、繁華街というと南側になるんだろうか。
いわき駅からは高速バスに乗換え、郡山駅を目指す。大宮駅で東北新幹線へ乗換えれば2時間も3時間も速く移動することができたはずだが、それはそれということで。
というお話。