便名 : 草津・四万3号
日付 : 2023/03/xx
区間 : 上野(12:10)→高崎(13:31)
所要時間 : 01:21
乗車クラス : 普通車指定席
運行 : JR東日本
お昼に群馬へ移動するスケジュール。それほど急ぐでもなかったから、「草津」号から名称が変わったばかりの「草津・四万」号で向かうことに。
始発の上野駅は地平ホーム14番線からの出発。この上野駅の地平ホームはヨーロッパの鉄道駅のような、長距離列車の始発駅らしい雰囲気がある。今やここを出発する列車はかなり少なくなってしまっているが。
余談だがこの列車、列車名も行き先駅名も長いから、電光掲示板にはやたらと詰め込んで配置されている。中でも「長野原草津口」は3文字幅に6文字表示していて、よく表示できたなというような表示。
前述の通り、2023年3月のダイヤ改正以後、都心から吾妻線方面に向かう特急列車は以前からの「草津」に沿線にある四万温泉を加えて「草津・四万」に変更された。ひとつの列車名なのに「・」が入っていると混乱したりやしないだろうか。あまり気にする人もいないか。
列車はこれまでの7両編成から2両短くなって5両編成。これまで連結されていたグリーン車はこの編成短縮を機に非連結になってしまい、全車指定席に変わっている。
(かつての「草津」号グリーン車についてはこちら)
ところで理由は分からないものの、上野駅では列車は改札よりまで来ず少し手前に停まるため、中央改札方面からホームに向かうといくらか歩く必要がある。せっかくの頭端式なのにそのメリットが生かせていないのは信号の関係だろうか。何より面倒だし、少し勿体ない。
車両は以前房総半島を走っていたE257系を改装して利用している。デザインこそ異なるが、色合いは2世代前の車両が「踊り子」号として走っていた頃と似た雰囲気。単にJR東日本のコーポレートカラーを塗っただけかもしれないが。
この日「えきねっと」で出発30分ほど前に予約し、チケットレスで乗車。予約時点では殆ど座席は埋まっていなかったが、中でも特に空席の多かった先頭車両の座席を指定。座席は特に改装されていなさそうで、一昔前のJR東日本の特急列車でよく見かけた座席。
記憶を辿ると2000年代に登場したJRの特急列車にはこの座面がスライドする機能がよく設置されていたが、いつの間にか見かけなくなったような気がする。若干前後しているかもしれないが、2代目の成田エクスプレス車両あたりが境目の印象。
車内で唯一変わったところといえば窓際のコンセント。全体として大きな変化が見られないなかでわざわざ設置されるようになったあたり、近頃では必須の設備として考えられているということだろうか。
前面のテーブルを見ると、かなり小さい字で指定席制度の説明が記されている。高崎線を走るもうひとつの特急列車「あかぎ」号では「座席未指定券」制度が運用されており、これについても説明がされている…のだが、どうにも極めてわかりづらい。尤も、ここに書いてあるのを読んで気づくようではもう手遅れなような気もする。
素人なりにJRの運賃制度を割と理解できている方だとは思っているものの、なぜ全車指定席で運転区間の重複している「草津・四万」と「あかぎ」で制度がバラバラなのかがいまひとつ理解できない。有料通勤快速としての「あかぎ」号の性格と、中途半端な「座席未指定券」のせいなんだろうが…。
近年の各方面ライナー列車の特急化による値上げによる増収と乗客の逸走、どちらの影響が大きいかは個人的に少し興味のあるところ。
ちなみに件の説明では「あかぎ」号で使用するランプの説明も記載されているのだが、見る限りそのような設備は存在しなかった。ただ、設備があったとて、このランプの色の意味は10年近く経ってなお覚えられずにいる。
以前もどこかに記したし、少し脱線するが、どうにも空席が赤、指定済が緑というのがしっくり来ない。乗客目線ではなく乗務員目線*1と考えれば分からないこともないが。
列車は上野を出発すると赤羽、浦和と停車。私のような酔狂でなければ上野や大宮からは新幹線に乗ればいい訳で、直接新幹線に乗車できないこの辺りの駅がこの列車のメインターゲットだろうか。
12:35に大宮を出ると熊谷、高崎と急に停車駅が少なくなりようやく特急列車らしくなってきたが、列車なおは1両に5人程度とかなり空席の多い状態。曜日によって状況は異なると思うが、この日はどちらかというと折り返しの上り列車のための回送にいくらか人が乗っているというような状況が正しいのかもしれない。
ただ、この区間は新幹線が並行していて結構な本数走っているので、乗客が少ないのも頷ける。高崎までで考えれば、新幹線が約50分に対して在来線が約80分と意外と善戦していて、高崎以遠が目的地ならば乗換えの時間を含めたトータルでは大差ないというケースすらあるはず。
高崎線沿線は比較的視界がひらけているからだろうか、それほど速度感を感じるでもなく列車は淡々と走っていく。ちなみに、今回座ったのが最後尾列の車両端に近い座席だったからだろうか、それなりに揺れを拾ったので、揺れない席を希望する場合は車両中央あたりが良いかもしれない。
進行方向左手にラスクが高崎名物として有名な「ガトーフェスタハラダ」の工場がある倉賀野駅を通過すると烏川を渡り、間もなく高崎駅に到着。余談だが、この「ガトーフェスタハラダ」の工場は日曜日以外であれば見学をすることができる。たしかラスクにするためのフランスパンの販売もしていたような。
(工場見学についてはこちら)
到着直前右手にはJRの小さな車庫が、左手には高崎駅から下仁田を結ぶ上信電鉄の車庫がある。JR側には先日引退したばかりの651系車両が停車していた。その後ろにはSL列車なんかで使用される客車の姿も見える。
一方反対側は上信電鉄の車両が多数停車中。ちなみに見えている車両のうち、半分程度は元JRの車両。後ろに見えるのは上信電鉄の本社で、ロゴのせいだろうか、遠目から見るとなかなかレトロな風貌。
そんなこんなで13:30過ぎに高崎駅に到着し、私はここで下車。割とここから乗車する乗客が多いようで、降りた人数の倍以上の乗客が乗り込んでいった。
この日は高崎市内で用事を済ませ、駅近くのホテルに宿泊予定。用事を済ませたのち、珍しく大分早めにホテルに入った。
前述の通り所要時間面で考えれば新幹線50分に在来線特急80分とまるで勝ち目はないものの、運賃面で利点があるのが今回の移動。自由席がなくなって価格差は少し埋まってしまったが、例えば上野高崎間では新幹線自由席が4,280円に対し、この「草津・四万」は指定席で3,870円。少し工夫して赤羽駅から乗車すれば3,170円とより一段と安価に移動できる。ちなみに普通列車で移動した場合は運賃のみで1,700円ほど*2だが、所要時間は100分ほどを要する。
時間に余裕があるとか、北区、浦和辺りから群馬方面へ移動する場合には意外と便利ということを覚えておいても良いかもしれない。
というお話。