便名 : ひだ1号
日付 : 2023/02/xx
区間 : 名古屋(07:43)→美濃太田(08:27)
所要時間 : 00:44
乗車クラス : グリーン車指定席
運賃 : 3,670円(クレジット決済)
運行 : JR東海
午後から名古屋近郊で用事があり、前日に名古屋へ到着。目的地への移動には車両更新が済んだばかりの「ひだ」号で向かうことに。
そんな訳で早朝にホテルをチェックアウトし、やってきたのは早朝のJR名古屋駅。乗車する「ひだ1号」は07:43発で、07:30過ぎに列車がホームに入ってきた。
ところでこの列車、側面に「クモロ」の表示がある通り電車として扱われている。エンジンで発電してモーターを動かしているから屋根を見ても集電装置(パンタグラフ)は見当たらないが、気動車の免許ではなく、電車の免許で乗務できるんだとか。
今回乗車したのはグリーン車だが、乗り込んだのは普通車の車両。普通席は「沿線の紅葉や祭り、花火のイメージ」をグラデーションで表現したという暖色系の表地。外見にも新幹線の座席と類似点が見られるが、掛け心地についても近頃のJR東海の車両らしく比較的硬め。
各車両のデッキには飛騨地方の工芸品が展示されている「ナノミュージアム」がある。グリーン車のある1号車には貼立紙に美濃和紙が用いられているという「岐阜うちわ」がディスプレイされていた。
一方、グリーン車は「沿線の新緑や美しい川、夕暮れの紫の空」をグラデーションで表現したそうで寒色系の色使いの座席表地。ここまではっきりしたグラデーションの座席というのは鉄道車両では割と珍しいような。なお、グリーン車についても座席は比較的硬め。個人的には好きな部類だが、長時間乗車すると少し辛いかもしれない。
海外旅行客の多い中部地方とあって、客室には大きな荷物棚が設置されている。それにしても近頃の特急列車ではこの荷物棚というのは必須の設備になりつつあるようなイメージがある。
列車は岐阜駅でスイッチバックして走行するため、07:43に名古屋駅を出発すると岐阜駅までの東海道本線は進行方向と逆方向を向いたまま約20分ほど走る。自動車で言えばノートe-powerなんかと同様、起動してしばらくするとエンジンが廻り始めるようになっているから、これは慣れるまで違和感があるかもしれない。
途中尾張一宮駅に停車し、その後名鉄の線路と直角に交差すると間も無く岐阜駅に到着。岐阜駅はJR駅と名鉄駅が別々の場所に開設されているが、一時は統合するような計画が持ち上がったこともあるらしい。ただ、結局統合の計画は具体化されずに今に至っている。
日中には大阪始発と名古屋始発が併合するために岐阜駅構内で変則的な動きをする列車があるが、この列車は単独走行のため単に進行方向が変わるのみ。停車時間も短く、すぐに岐阜駅を後にする。
車端部には新幹線と同じかそれより大きいサイズの電光掲示板が設置されていて、走行中は現在どのモードで走っているかの情報が表示されている。エンジンで直接モーターを駆動するか、バッテリーでモーターを駆動するかという感じで、あくまでエンジンは発電のために使用されているようなイメージ。
岐阜駅を出発してしばらくすると名鉄各務原線との併走区間に入るが、この辺りでは進行方向右手前方に小さいながらも犬山城の姿が見えてくる。この犬山城を訪れる場合はJRではなく名鉄の犬山遊園駅から徒歩でアクセスするのが一般的。
岐阜駅から10分ちょっとで鵜沼(うぬま)駅に到着。ここで名鉄線とは分かれ、この先は木曽川、飛騨川に沿って北上していく。これも余談だが、かつては名古屋駅からここまで名鉄線を走り、その後JR線に乗り入れる「北アルプス」号という特急列車が走っていたことがある。
始発駅の岐阜から単線の高山線だが、比較的線形は良く美濃太田の先にある下麻生駅までは最高速度110km/hでの運転。その甲斐もあって名古屋から約58km離れた美濃太田まで43分で走破し、定刻通り08:26に到着した。列車は1分強停車して、すぐに高山に向けて出発していった。それにしてもこの列車、近鉄の列車と言われても違和感のないデザインをしている。
ホーム中央には特急列車などの編成表が掲示されているが、中でも目を惹くのは急行列車の「流れ星★飛騨路」号。急行列車がほとんどなくなってしまった現在において、特急(=特別急行)列車は何に対する「特別」なんだろうか、というのをふと思ったりする。
ともあれ、以前長良川鉄道に乗換えたとき以来の美濃太田駅だが、ここからは太多線に乗換えて可児駅へ向かった。
(長良川鉄道に乗車した際の記録はこちら)
というお話。