便名 : JR久留里線・2944D・944D(普通列車)
日付 : 2022/12/xx
区間① : 上総亀山(17:15)→久留里(17:33)
区間② : 久留里(17:44)→木更津(18:28)
所要時間 : 01:13
乗車クラス : 普通車自由席
運行 : JR東日本
東京駅からの高速バス、アクシー号を「笹」バス停で下車し、徒歩でJR久留里線の終着駅、上総亀山駅までやって来た。
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同駅は2012年まで有人駅だったようで割と立派な駅舎が設置されており、駅前は小規模な商店街が形成されていた。ただ、時間帯のせいだろうか、いずれのお店も営業はしていなさそうな様子。
駅舎内にも若干の椅子が設置されていたが、せっかく天気が良かったこともあり、しばらくホームで過ごすことに。ちなみに同駅には自動券売機が設置されていないため、切符等の購入をすることができないうえ、Suica等の交通系ICカードは使用できない。それゆえ、乗車時にオレンジ色の乗車証明発行機で証明書を発行し、降車時もしくは着駅で精算する必要がある。
駅構内はホームこそ1面しかないが、敷地は割に広く本数の割に立派。構内の側線は既に本線との接続が絶たれてしまっているが、以前は夜間にすべての線路が留置の車両で埋まっていたこともあったらしい。また、背面方向は行き止まりではあるものの、すぐに車止めがあるわけではなく200mほど線路が延びている。
上空を見上げると、羽田空港へ着陸進入する飛行機が頻繁に飛び交っているのに気づく。東京都心の騒音問題を取り上げるのは結構だと思うが、個人的にはかねてから騒音を許容してきた房総半島のことももう少し配慮して良いような気がする。
しばらくすると大分日も暮れてきた。高層建築物がないから都心よりも空が広いうえ、電灯の類がそれほど多くないこともあって、グラデーションがとても綺麗に見える。
徐々に気温が下がり、そろそろ列車が待ち遠しくなった頃列車がやって来た。ここまで乗せてきた乗客を下ろし、一旦扉が閉まったのち、しばらくして乗車できるように。そのまま木更津まで行ってくれればいいのだが、この列車は途中の久留里止まりで木更津まで向かうには乗換えが必要。
ちなみにこの列車の運行区間、上総亀山から久留里間の輸送密度は「55人」だそうで、2023年に入り存続について議論が始まりそうな記事が上がっている。列車には思いの外多くの乗客が乗り込んだように見えたが、確かに運行本数を掛け合わせると55人前後だろうな、という乗車率。
そんな同線ではあるが、割に車両は新しく、列車は最近のJR東日本の普通列車の座席そのもの。あいにく快適な座席とは言いがたいが、とはいえ1時間程度の乗車時間なのでそれほど苦痛というほどではない。
17:15に上総亀山を出発すると、20分弱で終着の久留里駅に到着。列車は駅舎側のホームに到着し、折り返し木更津行きとなる列車をホームで待機。乗車してきた列車が到着してしばらくの間は、反対ホームに列車が到着するため構内踏切が閉鎖されている。
この待ち時間で駅舎内を覗いてみると、駅周辺は狸が有名なのだろうか、ベンチの背もたれが狸になっていた。
久留里駅まで来るとさすがに少し利用者が増えるのか、駅舎内に自動券売機が設置されている。ただ、同駅前から東京駅までは高速バスで乗換なしの約1時間40分、JRだと木更津乗換えで2時間程度となると、久留里線の役目は木更津までの近距離輸送が中心だろうか。
そうこうしているうちに木更津方面からやって来た、折り返し17:44発となる列車が到着。ここで規制が解かれた構内踏切を渡って次の列車へ乗換え。のりば案内がホーム下についているというのがなかなか珍しい。
久留里から先も1駅ごとの所要時間はそれほど長くもなく、一定のペースで停車、発車を繰り返していくと、約45分ほどで終点の木更津駅に到着。乗換えの時間が短く、ここで精算する時間が確保できなかったため、そのまま内房線の総武線直通快速へ乗り換えた。
最終的に東京駅で改札を出る際に全区間分の運賃をSuicaから引き去ってもらったのだが、この処理は久留里線の運賃として計算されるんだろうか、なんてことを思ったり、思わなかったり。そういえば、と思って明細を確認しようとしたが、既に上書きされてしまっていて真相は闇の中。
COVID-19の影響によって平時であれば数年後にしていたであろう議論が突然前倒しになってしまったローカル線。個人的な未踏破路線を潰していくとそんな路線ばかり乗車することになるわけだが、ここ数年で鉄道網は大きく変化することは避けられなさそうな雰囲気を感じるなか、同路線を含むこれら路線たちはこの先一体どうなるだろうか。
というお話。