便名 : JAL/JL3891
日付 : 2022/10/xx
機材 : ATR42-600(AT4)
区間 : 福岡(FUK)08:50→天草(AXJ)09:25
所要時間 : 00:35
区間マイル : 78
搭乗クラス : 普通席
運航 : AHX(天草エアライン)
早朝の飛行機で福岡まで移動してきて、天草行きの飛行機に乗換え。
(ここまでの移動はこちら)
天草エアラインは飛行機1機体制で、熊本県天草市にある天草飛行場(天草空港)を拠点に1日10便を運行する航空会社。「エアライン」と複数形になっていないのは、飛行機が1機だからだろうか。ちなみに同社は公式ホームページで「AMX」を使用しているが、このコードはエアロメヒコが使用しており、公式なコードは「AHX」なのだそう。
(同社公式サイトはこちら)
前便からの乗継待ち合わせは約40分で、特段寄り道をするでもなく80番台のバス搭乗口にやってきた。到着するとすでに搭乗開始していて、ゲート付近にはあまり人の多くない状況だったから、そのまま改札口を通過して連絡バスに乗り込んだ。
福岡空港では便数に対して十分な搭乗橋がないため、以前搭乗した五島福江行きや対馬行きのように、プロペラ機は原則搭乗橋のある搭乗口に着かない。以下の電光掲示板を見ると、地方路線の比較的多くの便がバスゲートから出発になっていることが分かるはず。
上記のような状況に加え、同社やJAC(日本エアコミューター)の運行するATR42機材は出入口が少し特殊で、機体後方から搭乗する形式が採用されている。これによって搭乗橋にはフィットせず専用の機材が必要になるため、仮に搭乗橋が空いていたとしても、この機材に搭乗する際は必然的にバスゲート、もしくは徒歩での搭乗になる印象がある。
バス乗り場と駐機場は目測数百mほどでそれほど離れておらず、ほんの少しバスに乗車すると搭乗機に到着。先代のDHC8-200時代同様に、同社の飛行機は外観が水色基調のかなり派手なデザイン。一方、内装はシートが赤にベルトが緑とこちらもこちらで中々派手。
どうやら、2010年代初頭に天草を「サンタクロースの聖地」としてプロモーションした結果、グリーンランドにある国際サンタクロース協会から認定されたらしく、機内のカラーリングはこれに影響されたデザインと思われる。関連して、2013年から2015年にかけて天草で「世界サンタクロース会議」なるイベントも開催されたそうだが、この会議、一体何をしたんだろうか。
この日は機体中央くらいの座席で、着席するとプロペラの真横あたりの位置。はじめてプロペラをまじまじと眺めることになったのだが、イメージしていたよりも柔らかそう?に見える。
客室に目を向けると、大手航空会社と大きく異なるのが機内誌。冊子にはなっておらず、各座席にクリアファイルが差し込まれている。なお、見た目こそ簡素だがページもそれなりに多く、内容は割と作り込まれている。
そういえば、座席の枕カバーには座席ごとに異なる模様の切り絵が描かれており、できるだけコストを掛けずにおもてなしをしようという姿勢を強く感じる。割と細かい模様だが、打ち抜きの文具かなんかで簡単に作れるんだろうか。
ともあれ概ね定刻で出発すると、駐機場の目の前の誘導路から滑走路に進入して離陸。離着陸に必要な距離が短いATR42らしく、滑走路前方に離脱する飛行機が見えるくらい滑走路の中心近いところから離陸滑走を始めても余裕。就航が遅延しそうという噂の新潟「トキエア」が契約予定だというATR42-600Sは更に短い800mで離陸ができるとか。
以前もどこかの記事に記載した気がするが、個人的な「福岡空港らしい」風景といえばこの大きな看板。他の空港(少なくとも国内)ではここまで大きな看板が並んでいる光景は見かけないような気がする。1社くらいなら他空港でも時々見かけるのだが。
離陸して2-3分後、進行方向左手下方に太宰府インターチェンジが見えてきた。ここから目線を少し奥の方にやると、特徴的な建物の九州国立博物館や太宰府天満宮が見えてくる。ただ、ほんの一瞬なのでなかなか見つけるのは大変。
九州自動車道、大分自動車道、長崎自動車道の交わるクローバー形の鳥栖ジャンクションを越えると、筑後川にかかる九州自動車道の「筑後川橋」が見えてくる。この辺りでは高速道路が県境に沿って走っているから、熊本方面から走ってくると福岡県→佐賀県→福岡県→佐賀県→福岡県と目まぐるしく入れ替わることになる模様。
この日は左手に玉名市や熊本市街を見ながら、熊本空港には南東方向から着陸する経路。この飛行機にはWi-Fiの設備がなく、地図なしではこの島がどこにあるのかが把握できなかったが、あとから地図を見るに、上天草市の東側にある「樋島」だろうか。
天草飛行場着陸寸前は市街地上空を通過する経路で、地上が近づくにつれて徐々に鉄塔が増えてきた。島の西側にある九州電力の発電所からの送電線だろうか。そういえば、かつて同発電所の建設工事の際には今回搭乗した路線にも工事関係者の搭乗が多く見られたと書籍で読んだような気がする。
天草市内のループ橋「天草瀬戸大橋」上空を通過するとまもなく着陸。隣にあるのは歩行者専用の「本渡瀬戸歩道橋」で、船が通過する際には中央部分が高く持ち上がる稼働橋。この手の構造で現役の橋というのはなかなか珍しい。
そうこうしているうちに天草飛行場に到着。高台にある上滑走路の全長が1,000mしかないため、着陸寸前に急に滑走路が見えてきたと思えばすぐ接地、急減速という感じ。割と滑走路の全長を使いきってUターンし、駐機場に到着。
小規模な空港ということもあり、ターミナルとかなり近いところに駐機。ただ、出入り口はターミナルと逆サイドのため、パイロンに沿って少し大回りするかたちで到着出口へ向かう。
ちなみに公式サイトでは今回利用した福岡-天草路線の往復航空券と現地での昼食がセットになった旅行商品を販売している*1ことがあり、これはタイミングによっては非常に安価なケースがある。食事も適当なお店ではなく、天草市内の有名な飲食店で摂ることができるので、もし天草を訪れることがあればチェックしてみることをおすすめ。
というお話。
*1:かつては「モニタープラン」といって往復の飛行機と現地での昼食(お寿司)がついて10,000円前後だったことがあり、個人的にこれを利用したこともある。