便名 : JR姫新線•859D(普通列車)
日付 : 2022/07/xx
区間 : 津山(10:07)→新見(11:50)
所要時間 : 01:43
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : -(企画乗車券利用)
運行 : JR西日本
大阪駅から高速バスに乗り、津山駅に到着。この日の目的地は岡山で、JR津山線に乗って南下すればすぐなのだが、あえて一旦中国地方の山間部を縫うように進んでいくことに。
(ここまでの移動はこちら)
だいぶ綺麗に整備された駅前の高速バス乗り場に対し、津山駅は何というか、とてもレトロ。いずれにしてもバスから列車への乗換え時間は数分しかなく、改札口でこの日から利用する企画乗車券を呈示して通過。飲み物を買うほどの時間もなかったが、時間の読めないバスからの乗換えが無事成立してとりあえず一安心。
この日利用したのは、3日間岡山エリアの普通列車自由席が乗り降り自由の「setowa周遊パス」という商品で、携帯電話の画面上で電子チケットを表示させる形式の乗車券。いまいち浸透感のない、"MaaS(Mobility as a service)"商品として当時発売されていたものを、津山駅に到着する直前に購入しておいた。
津山駅は乗り場が4つあり、各方向が1線ずつ利用している。今回乗車するのは姫路と新見を結ぶ姫新(きしん)線の新見行き。津山から途中駅の中国勝山駅までの区間は比較的本数が充実しているが、終点の新見駅までの列車となると2-3時間に1本と本数が激減する。
列車はJR西日本のローカル路線でお馴染みのワンマン1両編成。ホーム上には列車を待つ人が比較的多く見られたが、これは姫新線ではなく岡山へ向かう津山線の乗客だったらしい。
列車に乗り込むと他の乗客はちらほら程度で、先頭助手席側、出入口に近い座席を確保。逆の姫路方はお手洗いが設置されている関係でそれほど眺望が良くないが、新見方はロングシートの座席に座ったままでも前方展望を楽しむことができる。
津山駅を出た列車はしばらく中国自動車道と並走したのち、旭川にぶつかると北上を始める。地図だけ見れば山?を突っ切ってしまって一直線に進めば速そうに見える箇所があるが、そうしなかったのは沿線に集落があったからだろうか。
ちなみにこの辺りには、2023年4月に開業した「道の駅プロジェクト」のマリオット「フェアフィールド•バイ•マリオット 岡山津山」がある。部屋にいれば列車が見えるほど線路に近いところに店舗があるものの、近くに駅がないのが少し残念。
ともあれ、列車は出発から約40分で久世駅に到着し、ここで4分ほど停車。しばらくすると向こうから対向列車がやってきた。この列車は数少ない、新見始発で09:53発の津山行き。この列車に乗り遅れると、新見発12:49まで間隔が空いてしまう。
この路線、本数の割に列車行き違い設備は頻繁に用意されていて、久世駅の次駅、中国勝山駅にも用意されている。尤も、同駅は折り返しのための設備といった使い方なのかもしれない。
その後新見へ向かう途中では、線路の両側から木が生い茂っているところも。列車が通過するところだけくり抜かれているようにすら見える。この日いくつか乗車した中国地方のローカル線では、同じような光景をしばしば目にした。
ひらけた場所に出ると、線路は雑草に紛れていた。この辺り、同じJRによっても線路の整備状況はさまざまで、一番整備されているのはJR東海。さすがドル箱の東海道新幹線を保有しているだけのことはある。
再び山間部へ差し掛かると、カーブの手前には25km/hの制限速度標識。どうやら落石や倒木の恐れがある区間については発見してからでも停止できる速度まで減速して運転しているらしい。
そうこうしているうちに列車は終着の新見駅に到着。同駅では約1時間の待ち合わせののち、行く末が取り沙汰されている備後落合行きの芸備線に乗り換える予定。
新見駅のホームは2面4線で、駅舎から遠い側のホームを伯備線、近い側のホームを姫新線と芸備線が使用している。それなりに長いホームに1両編成の列車が停まっている様子はさながら模型のようにも見える。
乗客が増えなければ本数が増えず、本数が増えなければ乗客が増えないという負のループに陥っている中国地方のローカル線。必要なのは観光客ではなく定期客だとは思うが、この沿線で需要を創出するというのもなかなか難しそうな。
というお話。