日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】JR函館本線・2953D(長万部/小樽)


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便名 : JR函館本線・2953D(普通列車)
日付 : 2022/06/xx
区間 : 長万部(16:38)→小樽(19:50)
所要時間 : 03:12
乗車クラス : 普通車自由席
運行 : JR北海道 

「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」の1日目。初日は函館から特急「北斗」で長万部駅まで移動し、ここからは廃止が取り沙汰されている函館本線普通列車に乗って、小樽経由で札幌を目指す。

(ここまでの移動はこちら)

biketourist.hatenablog.com

駅構内は頻繁に列車が通過する線路のみ綺麗に保線されている。東室蘭方面に向かうホーム先のところの分岐が高速では通過できなさそうに見えるが、制限速度はどうなっているんだろうか。

JR長万部駅 小樽・苫小牧方

(@長万部駅) いずれの線路も直線で接続していない

ともあれ、特急列車の到着したホームから階段で移動すると、すでに列車は停車中。車両はJR北海道のなかでも最新鋭車両のH100系。走行エリアが北海道のなかでは比較的温暖な地域にあるからだろうか、車内にはデッキがなく一続きになっている。

函館本線 普通列車2953D 車両

(@長万部駅) 列車は1両編成

車両側面には「DeCMO」のロゴが表示されている。ロゴは割と大きなを割いて描かれているが、この部分はお手洗いや機器室になっている。その分客席スペースは圧縮されていて座席はそれほど多くないため、乗車した時点で座席は全て埋まっていた。

函館本線 普通列車2953D 車両

"e"だけ小文字なんだろうか

今回乗車する列車の走る長万部から小樽の区間は全区間Kitaca等の交通系ICカードの対象外エリア。路線バスのように車載端末で処理ができるのであれば対象エリアになりそうなもんだが、北海道では現状、駅に処理端末を設置しているからこのような運用にせざるを得ないのかもしれない。

函館本線 路線図

路線図だけみれば大した距離には見えない

前述の通り座席が確保できなかったこともあり、とりあえず座席が空くまで出入口付近に立っていることに。出発すると早速左カーブして室蘭本線と分岐、国道5号線に沿って進んでいく。山に向かって進んでいることもあり、乗っていても上っているのが体感として判る。

函館本線 普通列車2953D 車窓

出発してしばらくは緩やかな登りが続く

比較的駅間の長い北海道ゆえ、1駅あたり概ね10分ほどかかって到着、停車してすぐに発車というのを繰り返していく。途中の蘭越駅では数少ない対向列車との行き違いがあり、5分ほど停車し発車。

函館本線 普通列車2953D 車窓

かつて優等列車が行き交っていたからか、ホームは長め

長万部出発から1時間40分ほどで倶知安に到着。同駅はニセコ観光の拠点になっていて、2030年代初めに北海道新幹線が延伸した際には同駅にも停車する*1予定。この関連で在来線ホームが移設されていて、現行ホームには大きな屋根がかかり少し薄暗い雰囲気。ちなみに対向側のホームは行き止まりになっていて、同駅では行き違いをすることができない構造。

到着したタイミングでは隣のホームの列車は2両つなぎになっていたが、こちらの列車の停車中に分割された。それにしても、ここ最近、廃線の議論が活発にされているからだろうか、車内はほぼ乗客が動かず行程の半分が経過したにも関わらずなかなか座れそうなタイミングが現れない。

函館本線 普通列車2953D 車窓

北海道の難読駅名のひとつ「倶知安」に到着

倶知安から50分ほど走ると然別(しかりべつ)駅に到着。既に通りすぎた熱郛(ねっぷ)駅よりは簡単だが、いずれにしてもそれなりの難読駅名。

同駅では札幌17:49発の倶知安行き快速「ニセコライナー」号との行き違いのため約10分ほど停車。こちらの駅は札幌駅から出発する函館本線の始発列車の行先になっているようだが、なぜこの駅が選ばれたんだろうか。

函館本線 普通列車2953D 車窓

(@然別駅) 駅前にはちょっとした町が広がっていた

出発時刻ぎりぎりになって対向列車が到着。こちらが1両編成ということもあるが、同線では3両というとずいぶん長編成に見える。こちらの車両は翌朝、倶知安駅から長万部方向にいくらか進んだ蘭越駅始発の「ニセコライナー」として札幌に戻っていく運用が組まれている。

函館本線 普通列車2953D 車窓

ニセコライナー」は札幌倶知安間を約2時間かけて結ぶ

然別を出発すると10分ほどで余市駅に到着。余市から小樽にかけてはこれまで通過した区間とは少し色合いを異にしており、かなり利用の多い区間。元々座席は完全に埋まった状態ではあったが、ここでより一層混雑し、地方都市のラッシュ時間帯くらいの混雑になった。議論の結果、余市から小樽までの間も他の区間と同様にバスへの移管が予定されることになったようだが、個人的には果たしてバスで需要を受けきれるんだろうかという疑問がある。

結局何だかんだ長万部から約3時間立ちっぱなしのまま終着の小樽駅に到着。さすがに揺れる車内で3時間も立っていたからほどほど足が疲れた。

同駅からは7分の待ち合わせで19:57発の新千歳空港行き普通列車に乗継ぎ。余談ながら、この列車は札幌から先の区間が快速「エアポート」になるため、指定席「uシート」車両が連結されていて、普通列車区間は追加料金不要でこの車両を利用できる。最近いわゆる「乗り得」列車が減っているなかでは貴重な存在。

JR小樽駅 函館本線3972M

uシート」車両は普通列車だと追加料金不要

発車時刻直前ではあったが車内にはまだ空席がちらほらあり、無事座席を確保することができた。快速列車はこれまで転換クロスシート車両が充当されてきたが、ここ最近導入された車両は普通車がロングシートになっていることから、こちらの車両が利用できるメリットはことのほか大きい。

JR小樽駅 函館本線3972M

満席にはならない程度の混雑で札幌駅到着

各駅停車ゆえ、昼間の快速列車よりも10分ほど余計に時間がかかり、小樽駅から約45分の所要時間で札幌駅に到着。この日は札幌駅近辺の宿に宿泊する予定。

*1:北海道新幹線はすでに開業している新函館北斗より北、札幌までの区間に新八雲、長万部倶知安新小樽の4駅が設置される計画になっている。