訪問日 : 2023/04/xx
愛称 : 阿蘇くまもと空港
2023年3月末に新ターミナルが開業した阿蘇くまもと空港こと熊本空港。ちょうど利用する機会を得たことから、少し早めに到着して見物してみることに。
(2023年3月までの仮設ターミナルはこちら)
空港ターミナルは木材を多用したデザイン。どうやら東京オリンピックで使用した建材を再利用しているそうで、例えばターミナル入口辺りには「USED IN VILLAGE PLAZA」の文字とオリンピックのロゴが入っているのが確認できた。
1.出発エリア
ターミナル1階の約半分ほどのエリアがチェックインカウンター。中央側にJALとAMX(天草エアライン)、隣にANAとソラシドエア、奥にFDA(フジドリームエア)とジェットスターといった並び。
チェックインの後は2階にある手荷物検査場へ進む。なお、以下の写真、オレンジ色の「ショップ&レストラン」のアイコンをよく見ると最下部に「保安検査場通過後」の記載があるように、同空港は大半の店舗やレストランが制限区域内にあり、一般エリアの店舗が最小限になっている。
2023年4月現在、一般エリアにある店舗といえば到着出口前にある物販店舗がひとつと、その正面にあるタリーズコーヒー、その隣の和食レストランくらいしかない。この点は多くの店舗が一般エリアにあった仮設ターミナル時代と比べると大きく変化のあったポイント。
当初の事業計画を見ると、「地域にひらかれた商業施設」なるものがターミナル隣接地に開業するようだから、将来的には一般エリアも店舗が増えると思われ、ともするとこの状況は一時的なものかもしれない。
上述のようにそれほど店舗数が多くないからだろうか、1階にある各店舗は其々それなりの大きさ。制限区域内がかなり充実しているから、飛行機搭乗旅客はそちらを利用し、あまり一般エリアに留まらない前提なのかもしれない。
こちらが2階。向かって左手はガラス越しに制限区域内の店舗の様子は見えるものの、検査場の手前、一般エリアには一切店舗等がなく、あるのは数タイプの時間貸しワークスペースのみ。それにしても、後に訪れた制限区域内ともども、空港内各所にえらく個室型のワークスペースが充実しているのはご時世だろうか。
保安検査場の写真はないが、最近羽田空港で導入されたのと同じ最新型の検査機が導入されていて、PCやペットボトル飲料なんかも鞄の中にいれたまま通過できる運用。
(羽田の記事だが、件の新型検査機についてはこちら)
そういえば、訪問したのがちょうどANAが4/1付けでSkipサービスを廃止した直後だったことから、かなり大勢の地上係員が保安検査場前で待ち構えていた。
検査場を抜けるとリニューアル後の伊丹空港のような商業スペースが現れる。直進すると少し幅の狭い通路で搭乗口まで最短経路で向かえるが、メインルートの通路は右手に進み各店舗を巡っていくような格好になっている。
今回は空港到着前に阿蘇で弁当を買っていてそれほど買い物をするでもなかったが、小さなデパートの地下と遜色ないくらいには店舗が充実している。余談だが、お店の名前をすっかり忘れてしまったBLUESKYの前にあるパン屋さんの「あか牛カレーパン」が予想以上に美味しかった。
搭乗口へ向かう通路の割と手前側にはJAL系の物販店「BLUESKY」がある。一方で、ANA系の物販店「ANA FESTA」はそもそも設置されていない。空港カウンターの位置からして、どちらかといえば熊本はJALの強い地域だろうか。
制限区域内の飲食店としては馬刺し料理の有名な「菅乃屋」、「あか牛食堂よかよか」、「鮨 福伸」など、熊本のご当地グルメのお店が並んでいる。また、裏手側と搭乗口側には居酒屋なんかも入っている。
搭乗口前はこんな感じ。右手は窓ぎりぎりまで座席が配置されていて、窓に面したカウンター席も用意されている。また、コーヒーやクラフトビールを販売するカウンターもあるから、ラウンジを利用するよりもその辺のお店に立ち寄ったほうが楽しそうな。
2.Lounge ASO(JAL/ANA、カードラウンジ兼用)
ラウンジはターミナル東側の壁際にある。旧ターミナルには航空会社のラウンジも個別に設置されていたが、新ターミナルでは近頃開業した空港ターミナルと同様に、カードラウンジと航空会社のラウンジが一体になっている。ちなみにラウンジの上がガラス張りになっているが、ここは一般エリアの通路になっていて、上からこちらを眺めている見送りと思しき人たちが多数いた。
別々に設置されていた複数のラウンジがひとつに纏まったこともあり、室内はかなり広く造られている。仮設ターミナル時代のラウンジはかなり混雑していたから、これくらいの広さがあっても過剰ということはなさそうな。ちなみに写真に映っていない背面側にもこの2倍ほどのスペースが確保されている。
九州の空港というとどこもアルコール類が充実しており、熊本空港も同様。焼酎のほかにもビールサーバーが複数台設置されていた。たたし、ビールについては航空会社の対象会員として利用する場合とクレジットカードで利用する場合では提供される量に相違があるので注意。
そういえば、ラウンジ内にも数室のワークスペースが用意されている。ターミナル内各所のブース、部屋数を合計すると、羽田空港と同じか、それよりも多いくらいかもしれない。もちろん個人的には歓迎なのだが、それにしても一頃前には全く見なかった設備が増えていく様を見ると時代の移り変わりを感じる。
3.到着エリア
さて、ここまでは出発エリアを紹介してきたが、ここからは到着エリア。ただ、到着エリアは他の近年開業した空港と同様に、出発と到着は通路が明確に分離されていて制限区域内の店舗を利用することはできず、それほど見所はなさそう。
到着ルートは割とさっぱりしていて、搭乗機をみながら通路を出口に向かって移動するかたち。それゆえ、特にこれといった見所はなさそう。強いて言えば、手荷物回転台の案内のところにはもれなくくまモンが待ち構えているくらい。
仮設ターミナルでは商業施設棟の外壁に大きくワンピースの画が描かれていたが、今回の新ターミナルの営業開始と共に到着出口近くの休憩スペースへお引っ越し。ちなみにこの右手には同じくらいの大きさのくまモンが待ち構えていて、中々賑やかな雰囲気。
空港内はディスプレイが多用されており、必要なところに必要な情報が掲示されているのがなかなか便利。たとえば到着出口前の柱には各地へ向かうバスの時刻表が表示されている。空港によっては大手のバス会社の路線のみ表示されていたりするが、肥後大津行きの無料シャトルや八代行きの「スーパーばんぺいゆ」もしっかり表示されている。
(最寄りのJR肥後大津駅へのアクセスはこちら)
(八代方面へのアクセスはこちら)
仮設ターミナル時代は到着出口からバス乗り場が少し離れていたが、新ターミナル開業で概ね元に戻ったイメージ。バス停の時刻表はラミネートされた紙ではなく、ここも液晶で表示されているのが現代らしい。電気代を考慮しなければ、更新もすぐにできる液晶のほうが明らかに便利。
ちなみに今回空港からはレンタカーを利用したのだが、2023年4月現在ではターミナル前からではなく、仮設ターミナル前にある旧バス乗り場から送迎車が出発していた。これから仮設ターミナルは事務所に再整備される*1ようだが、最終的に送迎車乗り場はどこになるんだろうか。
ともあれ、新ターミナルの開業によって九州の空港のなかで一気にトップランクの施設にに躍り出た感のある阿蘇くまもと空港。最終日は少し早めに街を出て、空港を楽しむというのも良いかもしれない。
というお話。
*1:整備計画によると、「地域にひらかれた商業施設」だとか、ホテルなんてものが計画されているらしい。