日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【搭乗記】RAC/NU0836(北大東/南大東)


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便名 : RAC/NU0836
日付 : 2014/03/xx
機材 : DHC8-100(DH1)
区間 : 北大東(KID)15:30→南大東(MMD)15:45
所要時間 : 00:15
区間マイル : 8
搭乗クラス : 普通席
運航 : RAC(琉球エアーコミューター)

前回が世界最長路線なら、今回は日本最短路線のお話。

(その搭乗記がこちら)

biketourist.hatenablog.com

日本には約7,000弱の島があるそう。勿論大きさの大小はさまざまだが、さほど大きい島ではなくとも航空路線が存在する離島も数多く存在する。今回の北大東、南大東もその一つ。2つか。

両島は隣接しており、それぞれ那覇から約360kmと東京から名古屋くらいまでと比肩する距離がある(那覇から宮古島もほぼ同じくらいの距離だ)。ともすると、フェリーでは片道1日かかり少しばかり利便が悪い。

従ってこのような場合、飛行機が活躍することになるのだが、隣接する南北大東島の間は距離が極めて近く、8マイル(約15km)しかない。それぞれ那覇から往復するよりは、一気に2島分運んでしまえということなのだろう、飛行機は三角形の経路で運航している。

どういうことかというと、那覇からまず北(南)大東へ飛び、そこで乗客を入れ換え南(北)大東へ飛んだ後、那覇に戻るという飛び方をしている。週のうち何日かは時計回り、残り数日は反時計回りという感じ。なお、日によってはいずれかの空港と那覇との単純往復便が設定されることもある。

話を戻すと、15kmほどしかない両島の間のフライトが日本最短路線となっており、この路線、時刻表上、出発から到着まで含めて15分。飛行機の所要時間は地上の移動等を含むから、実際の飛行時間はほんの数分。こういった最長、最短といった記録に弱い私は、この路線に搭乗するため、のこのこ沖縄まで出掛けたのだった。

当日、那覇からの便で北大東に到着し、乗って来た飛行機が次は南大東へ向かう。目的地がどこであれ、途中寄港地の空港ではすべての荷物を持って全員降機する運用。この日は比較的天気がよかったから気分が良かったのだけれど、雨だと大変そう。

機材は既に退役してしまったDHC8-100で、40人は乗れなかったと思う。Wikipediaによると全長は約22mで、電車に羽根が生えたような大きさ。兄弟(姉妹?)機にDHC8-Q400という少し大柄な飛行機があるが、あの飛行機の「Q」はQuietのQのようだが、こちらの飛行機には「Q」はついておらず、比べると確かに騒がしかった記憶がある。

RAC836便 DHC8-100 機体

約40人乗り

空港ターミナルはコンクリート造で見る限り比較的新しそう。鹿児島の離島なんかは町役場のような空港も多い一方で、沖縄のそれはどこも比較的立派。

北大東空港 ターミナル

比較的新しそうなターミナル

今回、チケットは那覇/北大東(特典)、北大東/南大東(有償)、南大東/那覇(特典)とすべて別切り。ちょうどこの少し前から、同区間でもマイルが積算されるようにルールが変わったのだが、まとめてしまうと那覇/どちらかの島の往復として手配されてしまうので、JALのHPで確認できる、「生涯フライト記録」に区間情報を残したいという理由で別切りにした*1。これによる金銭的なメリットは何一つないが、この趣味、経済合理性を考えたら負け。

北大東空港 外観

空港外観

ターミナルに入ったものの便間は20分ほどで、息つく間も無く搭乗時刻。乗り込める人数が40人弱とあって、搭乗はすぐに完了し出発。地方空港は滑走路も近いから、安全関係のデモンストレーションが終わるかどうかという頃にはすでに滑走路端、離陸のポジションに到着。デモンストレーションが終わると、そのまま離陸のアナウンスもそこそこに離陸滑走をスタート。離陸し、一旦車輪が格納されるが、3分も経たないうちに最終着陸体勢のアナウンス。アナウンスが終わる頃には再び車輪が出てきた。

両島ともさほど大きいわけではなく、そのうえ島の外側は断崖絶壁。着陸ギリギリまで見えるのは真っ青の海のみで、地面が見えたとほぼ時を同じくして着陸。そのままスポットインして、所要時間15分ばかりのフライトが終了。

全体的に見るとすごく短い便なのだけれど、車輪が格納されている数分間が思いの外長く感じ、15分以上あったように感じた。当時、離着陸の向きによっては飛行時間が3分、という日もあったとか*2。せっかくならばそんな日に乗ってみたかったものだが、こればかりは運次第。

南大東空港 ターミナル外観

雰囲気が石垣空港と似ている

南大東着陸後、那覇までもまた同じ飛行機で戻る。乗務員さんは変わらず一緒で、全く気にしちゃいないだろうが、こちらとしてはどうにも気恥ずかしい。別に悪いことをしている訳ではないのだが。

途中寄港地となった南大東では有名な「大東寿司」を購入。この大東寿司、八丈島からの移住者が広めたとされ、八丈島の「島寿司」とよく似ている。ただ、食べ比べてみた限りでは「大東寿司」の方が辛かったような。

南大東空港 大東寿司

大東寿司

余談だが、時々那覇空港でも購入できる。恐らくこの便で輸送しているだろうから、販売されるのは夕方から夜にかけてだろうか。気になる方は、空港待合室内の売店を眺めてみるといいかもしれない。

(ちなみに、八丈島の「島寿司」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

ともあれ、そんなこんなで那覇に戻った。この翌日は第一航空で沖永良部へ。その様子は以前投稿した以下の記事で。

(以下、第一航空の搭乗記)

biketourist.hatenablog.com

というお話。

*1:往復で手配すると、南大東か北大東、どちらかの島が表示されないのだ。

*2:現在使用されているDHC8-Q400の場合、最短ルートでは着陸手順が間に合わないとかで、従前の最短経路は使用されていない。