日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】あさま621号(高崎/長野)


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便名 : あさま621号
日付 : 2024/03/xx
区間 : 高崎(17:48)→長野(18:38)
所要時間 : 00:50
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 4,620円(タッチでGO! 新幹線利用)
運行 : JR東日本

群馬方面で用事があり、その後北陸方面へ移動する予定。

この日用事を終えて高崎駅のコンコースを歩いていると、新幹線のホームに何やら見慣れない白い車両?が停まっているのが見えたような気がした。気のせいかなと思いつつ、「タッチでGO! 新幹線」を利用して改札機を通過し、下りホームに向かった。

この「タッチでGO! 新幹線」というのは、事前登録をしておけば特段の操作を要さずに新幹線の自由席に乗車できるというもの。時間がない時に飛び乗れるメリットがあるのだが、一方で領収書が発行できないので、経理処理に難儀する会社もあるかもしれない。

(サービス詳細についてはこちら)

www.jreast.co.jp

ホームに上ってみると、見慣れない白地に赤い車両が停車中。この車両は「East i」という愛称の検測車両で、先日博多駅で見かけた「ドクターイエロー」のJR東日本版といった感じ。ミニ新幹線区間も走行する関係で、外見には初代「こまち」や「つばさ」のE3系と類似点が多く見られる。

JR高崎駅 総合検測車両 「East i」

JR高崎駅/ 白地に赤の珍しい車両

(「ドクターイエロー」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

乗車する「あさま621号」の出発時刻直前まで停車していたからどうなるんだろうかと思って見ていると、突如発車メロディが流れ始めて列車は新潟•長野方面へ出発していった。ちなみに「ドクターイエロー」にしても「East i」にしても、概ね10日に1回のペースで検測走行を実施しているんだとか。

今回は富山が目的地なのだが、高崎駅では17:20から2時間30分ほど、長野駅以遠が終着駅となる新幹線がしばらく停車しない。それゆえ、一旦「あさま」号で長野駅を目指し、そこで乗換えて富山方面へ向かうという段取り。

JR高崎駅 新幹線下りホームの発車標

JR高崎駅/ 前列車の出発と同時に「列車がまいります」の表示

「East i」が新潟方面に向かったのか、長野方面に向かったのかは定かでなかったが、いずれにしても出発から5分と空かずに11番ホームには「あさま621号」が入線。上越•北陸系統の新幹線はどの列車も同じ見た目の車両がやって来るという意味で、今は少し面白みに欠けるかもしれない。

JR高崎駅 新幹線下りホームからの風景

JR高崎駅/ 16両分のホームだが、利用は12両分

2024年3月時点における同列車の自由席は1号車から5号車の5両。普段この時間に乗車するときには高崎で割とまとまった数の降車があるので、高崎から自由席に乗車する場合であっても席がないということはなさそう。今回も乗車率は5割に満たないくらいで、1列丸ごと空席の3列席の窓側を確保することができた。

あさま621号 W7系の車内

あさま621号/ 自由席はそれなりに空席も多い

高崎駅を出発してすぐ、進行方向右手に見えてくるのは赤城山。聞くところによると、群馬県には「上毛かるた」なるものがあり、群馬県民は幼少時代にこれに慣れ親しんでいて、読み札を暗記していることは割と一般的なのだとか。ちなみに件のかるたにおいて赤城山は「裾野は長し赤城山」と謳われている。

北陸新幹線 高崎駅から安中榛名駅間 赤城山

高崎-安中榛名駅間/ 進行方向右手に赤城山

高崎駅から3kmほど走ったところで上越新幹線から分岐し、しばらく山登り区間が続く。ちなみにここで使用されている38番分岐器は160km/hで通過できるような性能のものが採用されている。この「38番」という番手は軌道が1m離れるのに38mを要するという意味なのだそう。

北陸新幹線 高崎駅から安中榛名駅間 赤城山

高崎駅-安中榛名駅間/ あまり速度を落とさずに上越新幹線から分岐

山間部に入るということもあり、18時を廻ると日が落ちてきて間もなく真っ暗に。この列車は「あさま」ではあるが各駅停車ではなく、安中榛名駅は通過するタイプ。

15分で軽井沢駅に到着すると4分ほど停車。この日は特に退避等があるでもなかったのだが、繁忙期は臨時列車を先に通すのかもしれない。その後は約10分おきに佐久平、上田と停車し、高崎駅から約50分ほどで終着の長野駅に到着。

今回乗車したのは東京から長野までのJR東日本内で完結する列車だったのだが、どうやらJR西日本W7系車両が使用されていた模様。東海道新幹線同様、割と柔軟な運用をされている。

北陸新幹線 長野駅 あさま号のW7系

長野駅/ JR東日本内完結だが、車両はW7系

長野駅に到着してみると、向かいのホームには先ほど高崎駅で見送った「East i」が停車中。どうやらこの日は北陸新幹線方面の検測を実施していたらしい。その次の発車は開業したてでまだ見慣れない敦賀行き。駅や車内の自動放送もつぎはぎ感が残っていて、若干不自然さがあるような気がする。

北陸新幹線 長野駅 電光掲示板

長野駅/ まだ見慣れない「敦賀」の文字

電光掲示板に発車時刻の記載はなかったもののしばらく停車しているようで、歩いて先頭車までやって来た。一回り小さい在来線規格ということで、車両とホームの間には結構な隙間が開いているところを見ると新幹線車両がいかに大柄かというのが分かる。

長野駅 総合検測車のEast i

長野駅/ 一度見送ったのに追いついた

日によってルートは変わるようだが、どうやらこの車両、朝に仙台を出発して東京までやって来ると新潟を1往復し、最後に金沢まで向かうような運行が標準になっているようで、一度稼働するとかなりの激務。

長野駅 総合検測車のEast i

長野駅/ 在来線用は「East i-E

車両側面は車両によってまちまちだが、乗客を乗せて走らない検査用とはいえ、例えば先頭車のように最低限しか窓のない車両もあるなど、潔いほどシンプルなデザイン。余談ながら、新幹線に「East i」があれば、在来線には同じような役割の「East i-E」というのがいるらしい。

長野駅 総合検測車のEast i

長野駅/ 車両の右側面と左側面で窓の配置が全く異なる

ともあれ長野駅に到着。この日の最終目的地である富山へ向かうため、同駅では約1時間の待ち合わせで「かがやき」に乗換えるのだが、その前に夕食のために一旦途中下車。それにしても、今まで遭遇したことがなかったのに、珍しい車両に連続して遭遇するようになるとはどういう風の吹き回しだろうか。

(「草笛」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

というお話。