日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】JR和田岬線•531M(兵庫/和田岬)


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便名 : JR和田岬線•531M(普通列車)
日付 : 2023/12/xx
区間 : 兵庫(08:46)→和田岬(08:50)
所要時間 : 00:04
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 150円(交通系ICカード決済)
運行 : JR西日本

そこまで積極的に進めている訳でもないのだが、せっかくなら日本全国乗り潰してみようということで、どこかへ出かけた際にはちょこちょこと乗り進めている。そんな中、割と難易度が高いのが今回乗車したJR和田岬線

列車が出発するのは、神戸駅から普通列車で1つ目の兵庫駅。これだけ聞くとアクセスも悪くないから簡単そうに見えるが、ご存知の方も多いようにこの路線は日中時間帯は運転されていない純然たる通勤路線。土曜日は平日よりも運転本数が少なく、日曜日に至っては2往復しか運転されないから、なかなか乗車する難易度が高い。

この日は大阪駅から快速列車に乗り、約35分で兵庫駅に到着。そういえばJR神戸線の快速列車は早朝から頻発している一方で、土休日は意外と新快速の走り出しが遅い。神戸方面に向かう、大阪駅を最初に出る新快速は07:45発となっている。尤も今回降車する兵庫駅は新快速は停まらず、快速に乗るほかなかったのであまり影響はなかったが。

JR山陽本線兵庫駅 下りホーム

兵庫駅/ 快速列車以下の種別のみ停車

通勤客以外が利用することが少ないからだろうか、神戸線ホームの案内看板には「和田岬線」の文字は記載されておらず、単に「出口」と書いてあるのみ。他に乗り入れている路線があることを感じさせる情報がまるでない。

JR山陽本線兵庫駅 下りホーム

兵庫駅/ 案内には「出口」としか記載がなかった

階段を降りてコンコースへ出ると、一角には和田岬線専用の乗越精算機が設置されていた。機械の周囲にはこの機械では兵庫駅で降車する場合の精算ができない旨の注意書きがかなり強調されている。

JR山陽本線兵庫駅 コンコース

兵庫駅/ 切符の場合和田岬線に乗車する前に精算

和田岬線乗り場にはホームの番号が振られておらず、単に「和田岬線のりば」の記載。これから列車に乗るのだが、さも改札外へ出るかのような雰囲気をしている。同路線には今いる兵庫駅と終点の和田岬駅のみしかないことから、和田岬駅には改札口が設置されていない。そのため、購入すぐの中間改札で切符が早々に回収されるという仕組み。

JR山陽本線兵庫駅 コンコース

兵庫駅/ 中間改札は4通路

交通系ICカードで中間改札を通過した先には「和田岬線のご利用方法」なる看板が掲げられていた。今回と逆方向、和田岬駅から乗車する際には切符を持たずに乗車し、兵庫駅の中間改札手前で乗車券を購入して改札を通過することになる。首都圏では西新井大師へのアクセス路線となる、東武大師線が同じような運用をしている。

JR山陽本線兵庫駅 コンコース

兵庫駅/ 和田岬駅では切符無く乗降

ホームに向かうと7両編成の列車がすでに停車中。出発間際だったこともありホーム上には誰もいなかったが、車内は思ったよりも混雑していた。と言っても、ロングシート1列に1人いるかいないかくらいではあったが。

同線は20年ちょっと前までは非電化で、扉の開かない、兵庫駅を背にして進行方向左側のドアは塞がれている妙な車両が走っていたという同路線だが、2023年の春以降は高架橋の上、神戸線を走る車両と共通化されている模様。

JR山陽本線兵庫駅 和田岬線ホーム

兵庫駅/ 2023/4から車両が変わった

ドアは半自動になっていたので、列車は音もなく出発。川崎重工業の工場が密集する工業地帯をゆるゆると走っていくと、4分ほどで終点の和田岬駅に到着。平日であれば通勤客で賑わうのだろうがこの日は休日、詰め込めば1両で充分収まる程度の乗客しかいなかった。

JR和田岬線和田岬駅 駅ホーム

和田岬駅/ 標準の出口は先頭車両

改札口の存在しない駅ホームは緩い下り坂を経て、そのまま駅前の道路に接続している。バス停のような小さな上屋に駅名の看板がついている様子は、まるで路面電車の電停のよう。

JR和田岬線和田岬駅 駅ホーム

和田岬駅/ 道路がそのままホームにつながっている

道路からホームにかけて侵入禁止の柵などが全く設置されていないので、「自転車•バイク進入禁止」の看板が掲げられている。

JR和田岬線和田岬駅 駅ホーム

和田岬駅/ 仕切りが全くない

前述の上屋の側壁には時刻表が掲げられているが、ご覧の通り一般的な路線とは全く異なる時刻設定。両端の駅はそれぞれ1線しかないから、同じ車両がひたすら往復するようなダイヤになっている。

JR和田岬線和田岬駅 駅ホーム

和田岬駅/ 日中のぽっかり空いた時刻表

駅前にはコンビニエンスストア(ファミリーマート)がある。道路に面して店舗があるため、駅舎側は建物の裏側で大きなスペースがある。これを活用して和田岬駅にまつわるイラストが描かれていた。

JR和田岬線和田岬駅 駅前コンビニ

和田岬駅/ 和田岬線を模したイラスト

前掲の写真にも案内の看板が映っていたが、JR和田岬駅と神戸市営地下鉄和田岬駅はほぼ隣接している。こちらの地下鉄は昼夜問わず運行していて三宮まで直通しているので、通勤以外の利用客は専ら地下鉄を利用することになる。もし仮にこの地下鉄がなければ、和田岬線LRT化されてもっと高頻度で運転される、という未来もあったかもしれない。

JR和田岬線和田岬駅 神戸市営地下鉄の和田岬駅

和田岬駅/ 地下鉄の和田岬

まだ午前9時頃だが、この日乗ってきた列車の折り返しになる列車がこの日の午前中の最終列車。さすがにすぐ折り返すのも勿体なく感じられ、この列車を見送って少しだけ辺りを散策し、地下鉄に乗って三宮駅に向かった。いつかは乗らなければと思っていたから、ようやくその機会が訪れて一安心。

というお話。