便名 : JR日田彦山線•951D(普通列車)
日付 : 2023/06/xx
区間 : 田川後藤寺(14:14)→添田(14:28)
所要時間 : 00:14
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 1,020円(日田まで•現金決済)
運行 : JR九州
2023年夏に「BRTひこぼしライン」に転換されたJR九州の日田彦山(ひた•ひこさん)線。その転換のちょっと前に現地を訪れた際の記録。
(ここまでの移動はこちら)
平成筑豊鉄道で田川後藤寺駅に到着し、約1時間の待ち合わせののち次に乗車するのは添田(そえだ)行きの普通列車。待ち時間のうちに昼食でも摂ろうと駅周辺を散策していると、何やら大きいレトロな建物を見つけた。見てみると、どうやらこれはかつて後藤寺バスターミナルだった建物。地上3階地下1階の建物は2016年に老朽化によって閉鎖されたようなので、もう8年ほどこの状態で保存?されていることになる。
フェンスで中へは立ち入れないようになっているが、乗り場のベンチは撤去されておらず、一見すると比較的綺麗な状態。なお、バスターミナルは廃止されているが、引き続き天神高速バスターミナルまでの高速バスは運行が継続されている。
バスターミナルから駅に戻る途中には商店街があったが、あまり営業しているお店は多くなさそう。目測でシャッターの下りているお店が90%近くで、「シャッター街」という言葉がしっくりくる。
駅前には交番がひとつ、タクシーの営業所がひとつ。列車が発着する時間帯ではなかったからか、駅前のロータリーに停まっているタクシーには運転士さんが乗っていなかった。
駅舎に入ると左側に先ほど乗ってきた平成筑豊鉄道の自動券売機があり、右手にはJR九州の自動券売機とみどりの窓口が設置されている。朝夕の限られた時間帯のみの営業とはいえ、JR東日本では続々と閉鎖されているみどりの窓口が残存しているだけ首都圏よりましに思える。
ともあれ、これから乗車する区間は交通系ICカードは利用できないため、日田駅までの乗車券を自動券売機で購入。当時は添田駅から日田駅の間は鉄道代行バスが運行されていて、このバスには鉄道の乗車券を購入することで利用できるようになっていた。
改札口を通過すると、目の前には小倉行き、奥には乗車する添田行きの列車が停車中。見慣れた白地に青色の車両が並んでいるが、これらの車両は製造から40年を超えた車両が大半のよう。採算のあまり良くないローカル線に代替車両は導入されるんだろうか。
同駅は少し変わった構造で、駅舎に近い側からJR後藤寺線、平成筑豊鉄道糸田線、JR日田彦山線の順でホームが並んでおり、JRが平成筑豊鉄道を挟むような配置になっている。ちなみにこれはかつて国鉄(JR)糸田線だった名残。
ホームに向かうとすでに列車は停車し、乗客を受け入れていた。進行方向前から2両目の人があまり来なさそうな座席を選択。座席の表地はJR九州の国鉄型車両でよく見られる紫の千鳥格子だが、座席フレームはオリジナルそのままのようにも見える。この辺りの力の入れ具合は鉄道会社によってスタンスが分かれるところ。
(別会社の同一形式車両についてはこちら)
列車は各ボックスに1名いるかいないかといった感じで田川後藤寺駅を出発。途中池尻、豊前川崎、西添田と停車して終点の添田駅に向かう。途中各駅は大きなロータリーもなく、駅の目の前には住居が建っているという感じののんびりとしたローカル線。
添田駅まではわずか14分ほどの乗車時間で、途中いくつかの駅に停車するとあっという間に終点に到着。同線は2017年に生じた豪雨災害の影響でここから先久大本線と合流する夜明駅までの間約30kmで大きな被害を受け、それ以降鉄道としては運転を見合わせている。
結果的に鉄道による復旧は断念され、2023年の夏以降はBRTとして運行することになっているのだが、今回訪れた時点ではまだ開業前で、当時運行されていた鉄道代行バスに乗換え。
同駅構内には大きな車止めの標識が建てられていて、線路はここで途切れている。その先にはかつて線路があったであろう形跡が見られるものの、すでにレールは剥がされていた。
列車の停まるホームの反対側は道路の敷設整備中。点字ブロックがあるあたり、かつては線路が敷かれていたのだと思うが、BRT開業後はホームと概ね同じ高さへ嵩上げされた上でここにバスが着く模様。
当時の鉄道代行バスは駅前といいつつも徒歩5分弱離れたところからの出発。事前に案内は調べていたが、初見では全く見つけられないようなところにバス乗り場がある。
当時はちょうどBRTの路線名が決まったところ。そのBRTは開業当初、電気バス4台、ディーゼルバス2台で運行を開始し、各便には「ひこぼしxx号」の便名が振られている。
添田駅では9分の待ち合わせで代行バスへ乗換え。バス停の正確な位置は分かっていなかったが特段の案内標識もなく、とりあえずバス停があるとされる方向へ向かってみることに。
というお話。