便名 : 湘南23号
日付 : 2022/08/xx
区間 : 新宿(19:30)→小田原(20:51)
所要時間 : 01:21
乗車クラス : グリーン車指定席
運賃 : 3,210円(事前クレジット決済+交通系ICカード)
運行 : JR東日本
夜に都内から小田原へ向かう旅程。
新宿から小田原までは小田急経由ならばロマンスカーを使っても2,000円に満たない訳で、あえてJRを利用する意味もないのだが、特急格上げ後の「湘南」号の利用状況にも興味があり、今回はJRで向かうことにした。
という訳でやって来たのは新宿駅。湘南号は成田エクスプレスなどが発着する特急列車専用ホームの5番•6番線から発着するが、このホームは通常の列車が発着するホームと少しずれて設置されているので、乗換えには少し時間がかかる点を留意しておきたい。
新宿駅を発着する湘南号は上り3本、下り2本設定されているが、前の予定が押して下り1本目の18:25発には数分間に合わなかった。そんな訳で新宿駅で1時間ほど待つことになり、いよいよ何をしているのか分からない状況に。
ホームに降りると、乗車する湘南号に少し遅れて出発する成田エクスプレスの車両がすでに停車中。ちなみにこの成田エクスプレスの車両、2023年に入ってから微妙に模様替えがされている。図らずも貴重な写真になってしまったのかもしれない。
新宿駅のホーム上には高速バスの大ターミナル「バスタ新宿」がある。観光客は急速回復している一方でバス乗務員の人員不足問題の深刻化が著しいが、今後どうなっていくのだろうか。
さて、しばらくして列車が到着し、それから数分経って乗車開始。この車両はかつて中央線系統で特急「あずさ」や「かいじ」に充当されていて、当時はグリーン車が半室のみだった。それが後継車両の導入に伴って東海道線へ転用された際、グリーン車を1両全てに拡大したため同じグリーン車でも車両の前半分(7番列まで)は座席ごとの個別窓、後半分(それ以降)は概ね2列で1枚の窓と窓割りが異なっている。
19:30発というのは一般的な事業会社で定時退社した場合にしては遅すぎ、飲み会にしては早すぎるという微妙な時間帯ゆえ、始発の新宿駅からの乗車は私だけ。ちなみに小田原までは東京から約84km、新宿から約87kmといずれも100kmに満たない絶妙な距離。
列車は渋谷、大崎と停車すると、次の停車駅は約40分後の藤沢。湘南号は基本的に横浜に停車しないが、この列車に関してはそもそも同駅を経由すらしない。というのもこの列車は貨物線経由で、武蔵小杉を過ぎた辺りで分岐して暫くするとトンネルに入り、外に出ると東戸塚駅辺りといった感じ。
車両側壁には転用時に増設されたコンセントが設置されている。窓枠に置ける大きさの端末であればそれほど長いコードも必要ないから、意外にいい場所かもしれない。
降車前に隣の車両に移り、ちょっとだけ普通車指定席を見物。座席の構造は特に改良されていないが、「あずさ」時代からは座席表地が変更されている。そういえば、高崎線や常磐線、中央線の特急列車と同様、座席指定ランプが稼働するようになった。
前身の「湘南ライナー」時代は520円だったのに対し、現行の特急「湘南」では50kmまででも760円、100kmまで1,020円といずれの区間でも値上がりしている上、全車指定に変更されていることもあり、列車は「ライナー」時代より空席が多いように見受けられる。ただ、それなりの金額値上げしている訳で、トータルでは乗客が減ろうとも増収となっているのかもしれない。
グリーン車の隣の車両の車端部の一角にはちょっとしたオープンスペースがあった。中央線時代は眺望のいい区間なんかで活用できたかもしれないが、通勤特急ではちょっと持て余しそうな。踊り子号では伊豆半島の海沿いを走るから、そこでは日の目を見るだろうか。
「ライナー」時代は下り列車で途中の大船駅から先は快速列車扱いでライナー券なしに乗車できる制度があったが、この運用も特急化とともに廃止されたため、大崎駅から先の停車駅で乗車してくる乗客はなく、この日のグリーン車の乗客は多く見積もって2-3名といったところ。一方で普通席は各駅で階段へ向かう乗客を見る限りちらほら程度は乗っていた模様。2023年は春先以降在宅勤務の割合を低下させている会社が増えている印象があるから、このタイミングで乗車してみればまた違った感想を持つかもしれない。
特急ではあるものの高崎線の「あかぎ」同様に時短効果はなく、日中の特別快速と概ね同程度、1時間20分ほどの所要時間で終点の小田原駅に到着した。
COVID-19によって乗客の大幅な減少が生じ値上げを余儀なくされているのは理解できるが、それにしてもJR東日本とJR九州は鉄道業に思い入れを全く感じない今日この頃。駅ナカビジネスも鉄道業あってこそなのだから、もう少し愛着を持って欲しいなと思わないでもない。
というお話。