日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】スカイライナー5号(日暮里/空港第2ビル)


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便名 : スカイライナー5号
日付 : 2023/08/xx
区間 : 日暮里(06:25)→空港第2ビル(07:10)
所要時間 : 00:45
乗車クラス : 普通車指定席(全車指定)
運賃 : 2,557円(ネットクレジット決済+交通系ICカード)
運行 : 京成電鉄

意味もなく「成田シャトル池袋線」に乗車するため、早朝のスカイライナーで成田空港へ。今回利用するのは当日運行される下りスカイライナーの中で最も鈍足の「スカイライナー5号」。日暮里駅と空港第2ビル駅との間は最速36分のところ、約45分を要する列車。

(成田シャトル池袋線」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

今回、始発の京成上野駅から乗車するでもよかったが、乗換えのより楽な日暮里駅から乗車することに。割に朝早い時間にも関わらず、同駅は海外旅行客を含む多くの乗客が行き交っていた。

さて、京成日暮里駅の下りホームは一般電車用ホームと各種ライナー用ホームが分離されていて、各種ライナー用ホームに入るためには中間改札を通過する必要がある。この中間改札の手前にはライナー券の自動券売機が設置されているのだが、なぜか並んだ2台の機械が示す残席数には数席の差異があった。スカイライナーの定員は398名だそうで、2台が別々の座席を管理しているとしても全席売れ残っている訳でもなかろう*1に、一体どういう仕組みになっていたのだろうか。ともあれ、事前にネット購入したチケットレス特急券を提示して中間改札を通過。

京成日暮里駅 スカイライナー特急券券売機

京成日暮里駅/ 券売機上に残席数が表示されている

京成線は成田空港まで2系統を有していて、1つが従来からの船橋津田沼、京成成田を経由して成田空港へ向かう「京成本線」、もう1つが2010年に開業した、北総線から印旛沼のほとりを経由して成田空港へ向かう「成田スカイアクセス線」。

かつてはスカイライナーも「京成本線」経由で走っていたが、2023年現在では全ての列車が「成田スカイアクセス線」経由に移行している。現在「京成本線」を走るのは朝の上り「モーニングライナー」と夕方夜間の下り「イブニングライナー」のみ*2

京成日暮里駅 スカイライナーホーム駅名標

京成日暮里駅/ 京成本線を経由する便は朝夜のみ

列車は京成上野駅を出発すると上野公園の地下をしばらく走り、日暮里駅手前で地上に出てくる。その後到着するこの日暮里駅は上下線同じホームを利用していたが、成田スカイアクセス線の開業を控えた2009年に高架化されて今の形になった。

現状の日暮里駅は将来的な車両増結の可能性を考慮して少しホームが長めに整備されているが、今後スカイライナーがさらに混雑するようになれば10両編成になる可能性もあるだろうか。

京成日暮里駅 下りホーム上野方 スカイライナー5号

京成日暮里駅/ あと2両分くらいのスペースがある

ともあれ列車が到着して乗車。一頃は1車両に片手で数えられるほどの乗客しかなかったスカイライナーだが、この日は殆どの列が埋まった状態。出入口で乗客が滞留し、出発が遅延するのを防止するため、とりあえず乗り込んでデッキに並ぶようにと指示があった。

スカイライナー5号 車内

スカイライナー5号車内/ 早朝にも関わらず結構な乗車率

上野から高砂までは京成本線を進むため、日暮里駅を出発してしばらくの間、列車は比較的ゆっくりしたスピードで進む。ちなみに出発から10分ほどで通過する青砥駅は2023年8月現在、株式会社タカラトミーおよび葛飾区と共同企画し、駅を人生ゲーム仕様に装飾している。ここ数年の京成電鉄は比較的この手のコラボレーションに積極的な印象がある。

京成電鉄 青砥駅 人生ゲーム駅名標

(別日撮影)青砥駅/ 期間限定で人生ゲームとコラボした駅名標

通常のスカイライナーであれば、青砥駅の次駅、京成高砂駅から北総線に入り、新柴又駅を通過すると高速運転が始まるが、この列車に関しては最速達の列車よりも10分ほど所要時間が長く設定されているせいか、さしてスピードも上がらず淡々と走っていく。

この傾向は印旛日本医大駅を通過してからも続き、最高速度160km/hの区間に入ってもおそらく100km/hも出ていないくらいの速度で走っていった。実際には数分の差しかない訳だが、普段あっという間に通過する区間に時間を要したような感覚があった。

スカイライナー5号 印旛沼付近

印旛沼付近/ 印旛日本医大から先は更に長閑になる

成田湯川駅の手前では進行方向の左右に印旛沼が見える。この印旛沼はちょっと変わった形をしていて、成田スカイアクセス線沿いと、ちょっとした水路を介して京成臼井駅の辺りに広がっている。

■ 参考までに地図情報

また、以下の写真右手奥にはいくらか中高層の建物が見えているが、おそらくこれは京成本線京成酒々井(しすい)駅近辺。場所によっては京成本線成田スカイアクセス線は近いところを走っていて、例えば印旛日本医大駅から京成佐倉駅までは路線バスが所要時間25分ほどで結んでいる模様。

スカイライナー5号 印旛沼付近

印旛沼付近/ 右奥の街並みは恐らく京成酒々井駅付近

成田駅我孫子駅を結ぶ成田線(我孫子支線)との同線の交差地点近くにある成田湯川駅から空港第2ビル駅の間は単線になっていて、所要時間が短い列車であればラストスパートで駆け抜けるところ。だが、この列車はしばらく走ると減速し、途中にある根古屋信号場で運転停車した。対向列車が通過すると、どこからともなく発車ベルが鳴動して出発。

スカイライナー5号 根小屋信号所

根小屋信号所/ 駅と駅の間でしばらく停車

根古屋信号場から空港第2ビル駅まではそれほど距離が離れておらず、最高速に達する前に車内チャイムが鳴り、放送が終わると程なくして空港第2ビル駅に到着し、今回はここで下車。勿論これでも特急料金不要の「アクセス特急」よりは速いはずだが、どうにもスピード感に欠けるところがある。

余談だが、空港第2ビル駅を出るとちょっとしたスペースがある。これはかつて手荷物検査をしていた跡地。2015年3月に使用が停止されたそうで、言われなくてもご存じだという方がいる一方、そろそろ「何のスペース?」という方も出てくるかもしれない。

京成電鉄 空港第2ビル駅 旧検問所

空港第2ビル駅/ 廃止は2015年だそうで、もうすぐ10年

前述の通り、成田空港からは「成田シャトル池袋線」に乗換え、池袋駅を目指す。費用的には大分勿体無い移動をしているような自覚はあるが、所謂「LCB(ローコストバス)」というのがどんなもんか体感してみたかった。尤も、思い返せば以前大崎発成田空港行きの路線には乗車したことがあるから、全く初体験というわけでもなかったことを今更思い出した。

(「成田シャトル(大崎駅発)」についてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

というお話。

*1:仮にそのような仕組みであれば、少なくとも残り座席は最大で398席(スカイライナーの乗車定員)になるはずだが、204と199を足すと403となり、定員を超えている。

*2:成田スカイアクセス線開業当初は日中に「シティライナー」が走っていたが、東日本大震災後の節電ダイヤのタイミングで減便され、最終的には定期列車としては廃止された。