日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】はやぶさ28号(新函館北斗/奥津軽いまべつ)


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便名 : はやぶさ28号
日付 : 2023/04/xx
区間 : 新函館北斗(12:48)→奥津軽いまべつ(13:35)
所要時間 : 00:47
乗車クラス : 普通車指定席(全席指定)
運賃 : 5,600円(事前クレジット決済)
運行 : JR北海道

午前中に松前半島の桜の名所、松前城を訪れて新函館北斗駅に戻ってきた。午後は新幹線で青森県へ向かい、津軽鉄道の「芦野公園」駅を目指す。

ともあれ、13時前の新函館北斗駅に帰ってきた。午前中はカーシェアを利用していたのだが、利用時間は6時間6分。てっきり6時間0分を超えると距離料金が掛かるもんだと思っていたが、タイムズの場合はどうやら6時間15分を超えると距離料金が掛かるらしい*1

JR新函館北斗駅前 駅舎外観

JR新函館北斗駅/ 駅周辺に飲食店は少ない

昼食を食べ損ね、やって来たのは駅構内にある41°GARDEN。小さめのトレイに入ったお弁当が何種類か並んでいて、これを組み合わせて弁当を作ることができるお店。

(外部サイトの店舗情報はこちら)

tabelog.com

JR新函館北斗駅前 駅構内売店

JR新函館北斗駅/ この他駅構内には数軒の売店

中身はこのようなラインナップ。これを2種類、もしくは3種類組み合わせてお弁当にすることができる。お昼過ぎということで少し種類は少なかったが、新幹線の時間も迫ってきていたのでありものを組み合わせて購入。

JR新函館北斗駅前 駅構内売店

41°GARDEN/ この中から2種類or3種類を選択してお弁当に

同駅では新幹線と在来線を乗換えるのが多数だと思われるが、下り(新函館北斗止まり)の新幹線は在来線に面していないホームに到着するため、乗り換える時に利用するのがこの改札口。なお、函館エリアのJRは交通系ICカードの利用ができないので、新函館北斗までの乗車券しか持っておらず、函館へ向かう場合は行ったん改札を出て在来線の乗車券を購入する必要がある。

一方、在来線から上り新幹線(東京方面)へ乗車する際はホーム階にある改札口を利用するので、ここを通過することはないはず。それにしても、函館市電すら交通系ICカードに対応しているのだから、せめて函館-新函館北斗間くらいは交通系ICカードに対応させるのは難しいんだろうか。もしくは、改札内に券売機を置いておいてほしい。

 

JR新函館北斗駅前 駅構内

JR新函館北斗駅/ 新幹線で到着した時に利用する改札

乗車するのは12:48発の「はやぶさ28号」。例年函館と青森の桜の名所を一日で廻るときには、この便を利用することが多いような気がする。特に今回は、新幹線の秘境駅である奥津軽いまべつを利用するため、北海道新幹線内各駅停車のこの便に乗り遅れるとその後の予定が崩壊してしまう。

JR新函館北斗駅前 駅構内

JR新函館北斗駅/ 「はやぶさ28号」は北海道新幹線内各駅停車

出発まではまだ15分以上あるが、ホームには既に列車が据え付け済。この列車は数少ないJR北海道の新幹線車両、帯色がラベンダー*2のH5系が運用される列車。JR東日本E5系と比べると、車両側面に掲示されているロゴは北海道をモチーフとしたものになっているほか、デッキはJR北海道イメージカラーの萌黄色に塗られているなどの違いがある。

JR新函館北斗駅前 新幹線ホーム

JR新函館北斗駅/ 1日2往復のH5系充当列車

駅の先端にはこのホームへの新幹線の発着時刻一覧が掲示されている。H5系が充当される列車には印がついているが、ご覧の通り朝6時台と昼12時台の2回しか目にすることができない。現状は走行区間の大半がJR東日本なので、仕方ないといえば仕方ないのだが。

JR新函館北斗駅前 新幹線ホーム

JR新函館北斗駅/ 11番線に到着する列車の時間が記載されている

普通席の座席は座席の模様ごと、E5系新幹線と同様。グリーン車ともども、座席としては比較的優秀な部類*3なので、下手にいじらない方が快適かもしれない。

北海道新幹線 はやぶさ28号 H5系車内

H5系車内/ 座席はE5系と共通

外観にも特徴のあるH5系新幹線だが、客室内ではJR北海道所属の車両らしく、通路に雪の結晶模様がペイントされている。ちなみにグリーン車グランクラスには流氷模様のカーペットが敷かれているんだとか。

北海道新幹線 はやぶさ28号 H5系車内

H5系車内/ 雪の結晶模様が印象的な車内

席について先ほど購入した弁当を開封。どうやら店員さんが割り箸を忘れたようでどうしたものかと思ったが、今更お店に戻る時間もなく、一緒に購入したザンギにくっついていた爪楊枝でかき込んだ。そのせいだろうか、あまり味がよく分からなかったのが少し残念なところ。

北海道新幹線 はやぶさ28号 H5系車内

はやぶさ28号車内/ なぜか割り箸がなかった

何とか食事を終え、ぼーっとしているうちに出発。新函館北斗から奥津軽いまべつまでは50分弱とあっという間。新函館北斗から12分ばかしので木古内駅を出発すると、程なくして在来線の線路と合流し、青函トンネルへ向かっていく。

北海道新幹線 はやぶさ28号 H5系車内

H5系車内/ 先頭車両の客室はかなりコンパクト

青函トンネル手前、進行方向右手側にはちょっとした展望台がある。展望台側からは青函トンネルに進入する直前、出てきた直後の新幹線を眺めることができる。
地図情報

はやぶさ28号 車窓

知内付近/ この辺りは展望台が点在している

列車は13:08頃青函トンネルに進入。車内の電光掲示板には「青函トンネルに入りました」のメッセージが表示されている。この青函トンネル、全長は53.85kmで、スイスにある「ゴッタルドベーストンネル(約57km)」についで世界2位の長さ。

区間は貨物列車と新幹線が線路を共用しているため、基本的には140km/h制限。それゆえ、約25分で本州側に到達することになる。ちなみに本州側、津軽半島の先端には「青函トンネル記念館」があり、ケーブルカーで海面下140mまで下りることができる。

北海道新幹線 はやぶさ28号 H5系車内

H5系車内/ トンネル進入時刻は予め放送がある

トンネル最深部の通過はあっさり見逃し気づくと本州側に到達していて、程なくして降車駅の奥津軽いまべつに到着。ここは本州にあるにも関わらずJR北海道の駅で、駅名標も同社仕様のものが掲出されている。仮に新青森と間違えて降りてしまうと中々の惨事ゆえ、ホームドアの線路側には注意喚起の掲示が張り出されていた。

北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅/ 誤降車するとリカバリーは中々大変

駅はホーム全体にスノーシェードがかかっているような形で、東北•上越新幹線の駅のような少し薄暗い雰囲気。駅の新青森側で新幹線と在来線が分離するため、共用区間の中にあるが、貨物列車は新幹線の駅構内を通過するではなく、駅の外側を通過していく。

北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅/ 同駅は本州にあるJR北海道の駅

ちなみにこの駅、平均乗車人員は2019年度で26 人/日。新幹線開業前の津軽海峡線津軽今別駅の平均乗車人員は1名/日だったそうだから、だいぶ増えたと評価すればいいんだろうか。おそらく、青函トンネルに近いこの駅の存在意義は乗降客数とは別のところにあるんだと思うが。なお、JR東日本津軽線津軽二股駅も同駅に隣接している(現在豪雨災害により休止中)。

ともあれ、そのような状況であるがゆえ停車列車はそれほど多くなく、13:30過ぎの時点で次の列車は15:35と2時間ほど空いている。こんな町(というと失礼ではあるが)からも東京まで1本、約4時間でアクセスできる訳で、案外下手な首都圏近郊の街よりも便利かもしれない。

北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅/ 下りのみ通過線がある

駅は少し変わった構造になっていて、ホームは高架だが駅舎入口は3階分下りた地上にある。そんな構造ゆえ、2022年8月には駅舎が冠水して出入りできず、駅は利用できないにも関わらず新幹線の運行には問題がないという不思議な事態が発生したことがある。

北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅/ 地上からかなり上ったところにホームがある

前述の乗車人員ゆえ駅には売店やレストランなどは設置されていないが、駅には隣接して「道の駅 いまべつ」が設置されており、ここには売店や食堂があるそう。JR東日本は近頃閉鎖を続けている「みどりの窓口」は朝7時から17時まで営業している。

北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

奥津軽いまべつ駅/ 駅構内に売店はないが「みどりの窓口」あり

同駅からは事前予約制の乗合タクシー「愛乗(あいのり)タクシー」で津軽鉄道津軽中里駅を目指す。少し駅周辺を散策してみたいところだったが、ロータリーに下りると車はすでに待機していた。

というお話。

*1:当初はもう少し早く帰ってくるつもりでいたが、「ラッキーピエロ」の混雑具合を観察しに行った結果ギリギリになってしまった。しかもあまりに混雑していて列に並ぶのは諦めた。

*2:JR東日本E5系は「つつじピンク」。

*3:グリーン車の座席は一部在来線の特急列車でも使用されている。