場所 : 北海道稚内市
時期 : 2022年7月第1週頃
道北、稚内の最も有名な観光地といえば言わずと知れた「宗谷岬」だが、そのほど近くに隠れた観光スポットがある。それが今回紹介する「白い道」。
(自治体による案内はこちら)
■ 白い道
一見すると単なる砂利道のようにも見えるが、よく見ると地方の特産物であるホタテの殻を粉砕したものが道路に散布されている。
風の強い宗谷地方ということもあって、草原には背の高い木々などはほとんど見当たらない状況。風力発電が多く設置されていることもあって、日本らしからぬ風景が広がっている。
そういえば、「宗谷」バス停から歩いて向かう最中、進行方向左手には複数の鹿が草を食んでいた。ずいぶん遠くを歩いていたにも関わらず、足音を聞き付けてこちらを向く辺り、野性動物の警戒心はなかなかのもの。それにしても、大人しい鹿だったから良かったものの、熊なんかがいようものならひとたまりもない。
■ アクセス
純粋に考えれば往路に稚内駅から「宗谷岬」バス停まで下りて宗谷岬観光をし、その後ハイキングがてら「白い道」を抜け、「宗谷」バス停から復路のバスに乗る、というのが良さそうにも見えるが、如何せん路線バスの本数が少ない。
2023年7月のダイヤを例にとって見ると、往路の稚内駅前発のバスは09:39、13:20、16:12、19:30の4本あり、目的地までの所要時間は約40分。一方、復路は宗谷岬発時刻で07:21、08:44、11:14、14:55の4本になるが、往路の出発時刻以降の便となると11:14と14:55の2本しかない。それゆえ今回は13:00前に特急列車で稚内駅に到着しているから、殆ど選択の余地はなかったということになる。バスを利用して全区間踏破しようと思うと、始発のバスで出て最終のバスで帰ってくるような日程になるだろうか。
そんな訳で、この日は13:20発のバスでJR稚内駅からバスに揺られて「宗谷」バス停に到着、更に歩いてようやく辿り着いたわけだが、現地での滞在時間は確保できて30分ほど。ある程度奥まで行ったところでタイムアップとなり、この日の最終、15:04宗谷発(宗谷岬14:55発)のバスで稚内市街地へ帰ってきた。
時間がかつかつで行き道は比較的きつい上り坂で後ろを振り返る余裕がなかったが、帰り道では長い下り坂の先、海の向こうに利尻島の利尻富士が見えた。もう30分ほど時間があれば気持ちに余裕があったのだが。
ともあれ、来た道を折り返して復路のバスに乗るべくバス停へ向かった。なお、バスの所要時間は市街地から30分ほどなので勘違いしがちだが、距離にすると思いの外遠く片道30kmほどある。バスに乗り遅れようものならなかなか歩ける距離ではないので、くれぐれも時間に余裕を持って訪れることをおすすめ。
これらを勘案すると、ゆっくり廻りたいのであれば稚内に宿泊するか、レンタサイクルもしくは車などでアクセスするほうが良さそう。なお、車両で通行する場合は宗谷岬方向から一方通行になっているそうなので、この点お間違いなく。
道北、宗谷地方にはドライブルートとして有名な景勝地が多いので、これとセットにして旅程を組むのもよいかもしれない。
(オホーツク海側の「エサヌカ線」についてはこちら)
(日本海側の「オロロンライン」についてはこちら)
というお話。