日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】箱館ハイカラ號(湯の川/駒場車庫前)


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便名 : 便名なし
日付 : 2023/05/xx
区間 : 湯の川(15:46)→駒場車庫前(15:51)
所要時間 : 00:05
乗車クラス : 普通車自由席
運賃 : 210円(乗車時現金決済)
運行 : 函館市企業局交通部

週末に1日弱空き時間が生じ、特に予定も立てないまま函館空港まで飛行機で飛んできた。空港から函館市内へ向かうのだが、どうやって移動するかを考えた結果、路線バスで函館市電の湯の川電停近くまで移動し、そこから市電(路面電車)に乗換えて移動することに。

函館空港からは函館駅前行きの函館バス96系統に乗り、約10分ほどで「湯川3丁目」バス停に到着。同バス停からは5分も歩かないところに函館市電の湯の川電停がある。

ちなみに1つ手前の「湯川小学校前」でもほぼ同じくらいの距離なので、こちらで降車することも可能。尤もバスを乗り通せば函館駅まで行ける訳だから、本来降りる必要がないというか、相変わらず経済的合理性を一切無視しているのはここだけの話。一方、もしかすると五稜郭なんかに用があるときには役に立つかもしれない。

函館市電 湯の川電停

湯の川電停/ 日に1回だけやって来る

電停で10分15分ほど待ってやって来たのはレトロな見た目の「箱館イカラ號」。もう30年近く昔の1994年に、当時「ササラ電車」として活躍していた除雪車両を再改造し、旅客車として復元した車両。

この車両、冷暖房が設置されていないうえ、半鋼製という構造からか、気候の安定している春から秋の間、かつ雨の降っていない土休日のみ数往復が運行されている。中でも湯の川電停にやって来るのは日に1度だけで、入庫するため3つ先の「駒場車庫前」までの運行。それにしても、「ハイカラ號」について目につくところにはほとんど掲示がなかったから、もう少し掲示を大きくしてもいいのではないかとも思う。

(公式ホームページはこちら)
www.city.hakodate.hokkaido.jp

函館市電 湯の川電停 箱館ハイカラ號

湯の川電停/ 3つ先の電停が終点

なお、この車両を利用する場合でも特段の追加料金は要さないものの、函館市電では通常利用できる交通系ICカード(いわゆる「10カード」)をこの車両は利用することができない。それゆえ、一日乗車券か、現金での支払が必要。今回は現金で運賃を支払うと、専用の記念乗車証が手渡された。

車内に入ると、床から壁から木材を多用した内装で、つり革もプラスチック製ではなく籐でできているのが特徴的。

函館市電 箱館ハイカラ號

箱館イカラ號/ つり革も木製

車両は全長8mちょっとと通常の車両と比べて一回りも二回りも小柄なうえ、台車は1つだけで車輪が4つと、一般的な路面電車の半分しか車輪がない。そんな構造ゆえだろうか、函館の積雪等によってそれなりに荒れた線路では所々大きく揺れることがある。

ともあれ「湯の川」電停を出発すると、次の「湯の川温泉」電停に到着する少し前の進行方向左手には紫の花をつけた木が植わっている。この時期に咲く花と言うと、ライラックかなにかだろうか。特急列車の名前でしか聞いたことがなく、まじまじと見たことがないからあまり自信はないのだが。

函館市電 箱館ハイカラ號

湯の川温泉付近/ 沿線にはライラック?の木

次の電停、「函館アリーナ前」で向かいに座っていた乗客が降りていくと、次は終点の「駒場車庫前」。木枠の窓にえんじ色のモケットという組み合わせがいい感じに似合っている。

函館市電 箱館ハイカラ號

箱館イカラ號/ 座席は柔らかめだが、衝撃はそれなり

ただでさえ駅間距離の短い路面電車で3つということで、湯の川から駒場車庫前までの所要時間は停車時間を含めても5分ほどであっという間。到着すると車掌さんは降車、車両は進行方向を反転し、ポイントを変えて車庫に引き上げていく。

函館市電 箱館ハイカラ號 駒場車庫前

駒場車庫前/ それほど大きくない車庫に車両がぎっしり

余談ながらこの車両、割と人気で混雑しがちではあるが、前述の通り今回乗車した湯の川→駒場車庫前の区間便は全区間乗っても片道5分ほどしかないため、比較的乗客が少ないのはメリットだろうか。雰囲気を楽しむには適しているかもしれない。

函館市電 箱館ハイカラ號 駒場車庫前

駒場車庫前/ 到着後すぐに車庫に向けて出発

5分と待たずにすぐ次便がやって来るから、車両は進路を支障しないようにすぐ車庫内に引き上げていった。これだけ木を多用した車両を屋外に留め置くという訳にもいかないのか、車庫の建屋のなかに消えていった。

函館市電 箱館ハイカラ號 駒場車庫前

駒場車庫前/ 建物奥に消えていった

土休日のみで3往復と本数が少なく、予定を合わせるとなると少し大変だが、チャンスがあれば予定を調整してみるのも良いかもしれない。

というお話。