日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】しまなみライナー(福山駅前/今治駅前)


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便名 : 便名なし
日付 : 2022/08/xx
区間 : 福山駅前(14:00)→今治駅前(15:24)
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運行 : 靹鉄道

早朝に大阪を出発して青春18きっぷで中国地方へ向かい、午後にバスで愛媛に移動、夜の飛行機で大阪へ戻るというなかなかハードスケジュールな一日。

2022年現在、公共交通機関で本州から四国へ渡るルートはいくつかあるが、今回はしまなみ海道を走る高速バス「しまなみライナー」を利用し、広島県の福山から愛媛県今治へ向かう。ちなみに「しまなみライナー」は広島県愛媛県を結ぶ路線の総称のようで、今回乗車する福山駅発の便のほかに広島駅発の便もある模様。

(福山-今治線の中国バス公式サイトはこちら)

www.chugokubus.jp

午前中はざっくり尾道を観光し、お昼過ぎに福山駅に戻ってきた。お昼ごはんはお好み焼きでも食べようかと思ったのだが、ご時世だろうか、お昼に営業しているお店はかなり少なく、開いているお店を探しているうちに時間切れになり結局昼食抜きに。

JR福山駅前 福山城

(@JR福山駅)出口を出ると目の前に福山城

そういえば、お店を探して駅前を歩いていると駅ホームには広島東洋カープラッピングの列車が停車していた。ちなみにこの車両、カープが優勝した時など、特別な日しか見られない「カープ坊や」の表示ができるようになっているんだとか。

JR福山駅 山陽本線 広島東洋カープラッピング列車

(@JR福山駅)ちらっと見えるのが広島東洋カープラッピング列車

今回の出発地となる福山駅はこの辺りでは規模の大きな街で、バスターミナルも大きく乗車口が10箇所。ここからは県内は広島や広島空港に三次*1、神戸や難波、東京や福岡行きの高速バスが発着している。個人的には以前岡山から在来線で移動してきて、ここからバスで広島空港へ向かったことがある。

(当時の記録がこちら)

biketourist.hatenablog.com

JR福山駅 バスターミナル

(@JR福山駅)乗り場は1番から10番までの10ブース

街によっては大規模なバスターミナルを用意したにもかかわらず殆どバスの発着がない、といった場所もあるが、この街は割と上手くいっているようでひっきりなしにバスが発着している。ちなみに高速バスは割と駅舎に近い3番乗り場からの出発。

JR福山駅 バスターミナル

(@JR福山駅)駅前は比較的栄えている印象

今回乗車するバスは14:00ちょうど発の今治桟橋行きなのだが、この時間帯はかなり運行密度が高く、13:50に広島空港行き、13:55に因島行きと5分おきにバスが出発していく。件の因島行きが出発してほどなくすると、目の前にある待機場からバスがやって来た。

JR福山駅前 3番バス乗り場

(@JR福山駅前)高速バスは3番乗り場からの出発

今回乗車する便の運行会社は靹(とも)鉄道。ちなみに「鉄道」と言うものの、鉄道路線は1954年に廃止されているようで、現在は専らバス事業の会社という感じ。

この路線、交通系ICカードや最近導入の進むVisaのタッチ決済は対応しておらず、現金や往復きっぷ、回数券もしくはスマートフォン用アプリの「バスもり!」が選択肢。なお、昨今のCOVID-19の影響を受けて福山駅前にあるバス案内所ではチケットの販売を取り止めてしまったそうで、クレジットカードで乗車券を購入することはできない。

個人的に、これまで使ったことがないものは試してみたくなるもので、今回は前述のスマートフォン用アプリ「バスもり!」を選択してみることに。これについては後ほどもう少し触れておこうと思う。

(後述する「バスもり」公式サイトはこちら)

www.busmori-app.jp

しまなみライナー 靹鉄バス 車内

総距離77kmで比較的短距離の路線

14:00に福山駅前を出発し、駅前の交差点から国道2号線を西方向へ。広島空港行きのバスは一旦東に向かって福山東インターチェンジから高速道路に入っていたから、市内のルートが全く異なっている。

国道2号線をしばらく走ると自動車専用の松永道路に入り、尾道バイパス経由で高須インターチェンジから瀬戸内しまなみ海道へ。高速道路に入ると、5分と経たないうちに橋を渡って最初の向島(むかいしま)に到達。

しまなみライナー 瀬戸内しまなみ海道 車窓

(@向島付近)瀬戸内海は今日も船多め

向島内では向東BS(バスストップ)と向島BSに停車。ちなみにこの向島BSでは尾道駅からやって来る路線バスと乗継ぎができる*2ようになっていて、乗継乗車券も発売されているそう。

ここで車内に目をやると、各座席にはちょっと背の高い追設型のパーテーションが設置されている。どれ程の効果があるか分からないが、無いよりはという感じだろうか。この辺りは各バス会社の創意工夫が見られるところ。

しまなみライナー 靹鉄道 車内

(@尾道市付近)瀬戸内広島寄りは造船業が盛ん

この辺りで乗車券でも買ってみようと前述の「バスもり!」アプリをダウンロード、起動してみたが、「発着エリアから選ぶ(乗車券購入)」のリストをいくら調べても路線が出てこない。というより、マスタがバカになっているのか、「出発地 : 広島 / 到着地 : 愛媛」の路線は存在しないというエラーが出て先に進めなくなった。それどころか、エラーにならなかった「出発地 : 広島 / 到着地 : 広島」を選択してみれば候補路線に「大阪 - 西脇・加西・津山」が表示される始末*3。どういう登録をするとこの路線が広島県内路線扱いになるんだろうか。

20分ほど条件を変えて調べてみたが見つからず、諦めて現金で払うことを考えていたとき、ダメもとで「回数券検索」の画面を見に行くと「しまなみライナー4枚回数券」に並んで「しまなみライナー大人片道(往復)」が見つかり、ようやく購入。よもや乗車券が回数券扱いになっているとは思いもしなかったが、何でこんなところに並んでいるんだろう。

そんな訳で、このアプリは使い勝手以前の問題を孕んでいるという印象。Google Playストアの評価は2022年12月時点で2.0となっているものの、ことこの路線に関しては現時点では実用性を欠くと言わざるを得ず、ともすると2.0もあるかね、というのが正直なところ*4。利用するとして、降りる直前に操作しようとするとまず間に合わないので、アプリを利用する場合、くれぐれも購入はお早めに。ちょっと辛辣になってしまったが、どちらかといえばアプリの運営会社の問題で、バス会社に非はない、はず*5

バスは順調に因島生口島と進んでいく。それにしても、このバスのバス停は運転手泣かせというか、運転しづらそうなところが多い。高速道路ではカーブ上で後続車両が見えづらい場所にあったり、はたまた一般道上のバス停にしてもバスターミナル入口のガードレールが邪魔だったりという塩梅。

携帯との格闘に乗車時間の大半を費やしていたこともあり、バスは気づくと最後の大島を通過して四国に上陸。今治インターチェンジで高速道路を降りた。特にどこか渋滞したというわけではなかったが、今回の降車地、今治駅前には定刻より10分ほど遅れて15:35頃の到着。運賃は福山駅から2,800円。

しまなみライナー 靹鉄バス 車内

福山-今治間は運賃2,800円/大人1名

バスを降りる際には先程苦労して購入した乗車券画面を運転士に表示して降車。運転士さんは割と手慣れている様子で、かなり不案内なアプリにもかかわらず比較的利用者は多いのかもしれない。

JR今治駅前 しまなみライナー 靹鉄バス

(@今治駅前)バスの終点は今治桟橋だが、殆どが駅前で下車

バスは高頻度に出ているうえ、所要時間1時間30分程度で四国へアクセスできるという利便性の高さが大きなメリット。願わくば交通系ICカードかVisaタッチ決済が利用できるようになると便利で良いのだが、現状はいずれの支払手段もちょっと面倒くさいのが勿体ないかなという移動だった。

*1:COVID-19の影響により2022年12月現在は運休中。

*2:以前は尾道発四国方面行きの高速バスが設定されていたが、現在は運行されていない。

*3:改めて2022年12月に確認してみたが、現時点でも特に修正はされていない。

*4:JR東日本の「えきねっとアプリ」は同2.1。陸上交通系のアプリはどうしてこうも使い勝手が悪いんだろうか。

*5:さすがにバス会社自身が路線の起終点の都道府県を間違えるとは思いがたいのだが。