便名 : 新快速4号
日付 : 2022/12/xx
区間 : 姫路(18:10)→大阪(19:13)
乗車クラス : 普通車指定席(Aシート)
運行 : JR西日本
西から徐々に東に進んでいく旅程で、この日は大阪に宿泊する予定。時刻表を見ていると、ちょうどいい時間に指定席「Aシート」の連結されている新快速が走っているのを見つけ、これに乗っていくことに。
(「Aシート」についてはこちら)
この日、e5489でチケットレス予約したのが当日姫路駅の出発時刻1時間ほど前だったのだが、この時点では空席多数で、比較的どこでも指定できるような状況。この日はちょっとした荷物を持っていたこともあり、出入り口に一番近い座席を指定した。
余談だが、今回の出発地となる姫路駅はちょっと変わった構造をしていて、1つ目の改札口を入った先に、播但線・姫新線乗り場用と新幹線用の2つの中間改札がある。在来線用の中間改札もさることながら、東海道・山陽新幹線で在来線と改札口が共用されている駅というのは案外珍しいような。
ホームに上がった時点ではまだ列車は入線前。「Aシート」連結の新快速電車は2022年12月時点では朝と夕方の2往復しか設定されておらず、現時点ではあまり定着していないようで、一般車両の乗車口と誤認して列車を待つ乗客がちらほら。ホーム上で列車を待つ車掌さんが説明に廻る様子が何度か見られた。
姫路駅を先発する18:02発の快速列車が出発するくらいのタイミングで当駅始発の列車が到着。列車は12両編成で、前から4両目の丸1両が今回乗車する「Aシート」車両。
2022年12月時点ではかねてから新快速電車に使用されている車両の中間ドアを塞ぎ、リクライニングシートを設置する改造がなされた専用車両が使用されている。なお、後述するが2023年春のダイヤ改正からは「Aシート」連結の列車が増便されるようで、これに合わせて新型車両も登場する予定。
車内の詳細は上述の公式サイトをご確認いただければと思うが、車内はデッキ廻りが「立席エリア」、座席廻りが「有料エリア」となっている。この「立席エリア」については姫路駅を出発した直後は誰もいなかったが、大阪駅が近づくにつれて乗客が増えていった。補助席は設置されていないから、指定席券を購入しなければ着席できる可能性は全くないものの、その分他の車両よりは若干空いているような印象がある。
座席はシートピッチを含めてJR西日本の在来線特急列車、つまりサンダーバードなんかと似たような形状。中央の肘掛けは若干心もとないが、他方の窓側、通路側の肘掛けはしっかりしていてコンセントが設置されている。ちなみに、「有料エリア」への指定席券不所持者の立入は禁止されている。
ちなみに改造前は1両にドアが3つついていたところ、そのうち真ん中の1つを無理くり埋めている関係で、車両中央付近の座席には窓がない箇所がある。5列目と7列目だったような気がするが、眺望を気にする場合にはこの点に留意されたい。
各座席にはテーブルが設置されていて車両の案内が記載されているが、すでに当初の運用と変更されている箇所があり、該当部分はシールで上書きされている。若干見え隠れしているようにデビュー当初は全座席が自由席で、乗車してから決済する方式だったが、徐々に指定席の割合が増えて現在では全席が指定席*1。なお、車内での指定席券の発売は行っていないので、乗車前に指定席券を購入しておく必要がある。
枕カバーもこの列車専用のもので、ここにも当初の運用の名残が見える。枕カバーにはチケットホルダーが設置されているが、前述の乗車後購入時代は車内で発券した乗車整理券をここに差し込むような運用になっていたはず。現在は検札はあるものの、チケットレスが主になっているから指定座席以外に着席するでもなければ特に呈示は求められない。
なお登場当初は料金が500円だったが、指定席になったことで2022年12月時点では通常料金が840円と首都圏のグリーン車くらいの料金。ただ、「チケットレス指定席券」も発売されていて、これを利用すると450円もしくは600円になる。
予約時点では空席多数だったこともありそれほど混雑するとは思っていなかったのだが、どうやら出発直前に一気に埋まったようで西明石、神戸と停車するごとに徐々に乗客が増えてきた。最終的に降車する大阪駅時点では窓側席の殆どが埋まる程度の混雑。さすがに通路側まで埋まるという感じではなかったが、日によっては満席ということもあるんだろうか。
ともあれ、姫路駅から1時間ほどで大阪駅に到着。2分ほど停車して列車は滋賀県の野洲駅に向けて出発していった。大阪駅から野洲駅までも約1時間ほどの所要時間なので、姫路-大阪、大阪-野洲と2回乗客を拾えればJR西日本としては美味しい商売なのかもしれない。
しばらく1日2往復の運転が続いていたから、それほど商売が上手くいっていないうえ、JR西日本は「Aシート」にそれほどやる気がないんじゃないかと見ていたが、2023年春のダイヤ改正のタイミングでAシート車両を新車で追加投入、1日6往復体制に拡大するのだそう。今回乗車してみて気づいたが思いの外繁盛していて、どうやら私の見立ては外れていたらしい。
ちなみにJR西日本のダイヤ改正に関するプレスリリースを見る限り、追加投入される車両は今回乗車した車両のようにドアを無理矢理埋めたような造りではなく、出口は2箇所のみ、ドアは片開きの専用車両といった見た目。ともするとそう簡単に通常車両に改造することはできなさそうで、しばらくはサービスを提供するという覚悟が感じられる。
比較的混雑している新快速のこと、着席移動ニーズはそれなりにあるような気がするが、そのうち1時間に2本だとか、すべての列車に設定されるだとかいう時代がくるだろうか。その頻度で、1両丸ごと埋まるほどの需要があるかというと分からないが…。
というお話。