日本の迷い方

旅の知恵袋になりたい、という話

【乗車記】芸備線・1808D(広島/三好)


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便名 : 芸備線1808D(普通列車)
日付 : 2021/11/xx
区間 : 広島(07:53)→三次(09:52)
乗車クラス : 普通車自由席

人気の臨時列車、「奥出雲おろち号」のチケットが手に入った。ただし、備後落合から木次までの片道のみ。

「おろち号」復路の始発である備後落合駅広島県の山間部で、本数がかなり少ない区間の中にある。特に備後庄原から備後落合の間は極めて本数が少なく、定期列車は1日4本しかない。それゆえ、通常であれば広島からの始発列車に乗車しても「おろち号」への乗継ぎができないのだが、2021年10月下旬から12月上旬までの土休日のみ、芸備線の利用促進のために運転される臨時列車によって広島からもアクセスできるようになった。裏を返すと、現在なかなか廃止に関する危機感が高まっている区間ともいえる。

ともあれ、話を当日に戻そう。

当日は駅近くにある「東横INN広島駅スタジアム前」に宿泊しており、ホテルから徒歩10分ほどで広島駅に到着。最初に乗車するのは07:53発の三次行き。

(宿泊したホテルについてはこちら)

biketourist.hatenablog.com

JR広島駅 芸備線 電光掲示板

途中の下深川(しもふかわ)駅までは4両編成

乗車する列車は07:40過ぎに乗客を乗せて広島駅に到着し、10分ほどして折り返す。広島から乗車する乗客は思っているより多く、各ボックスに1-2名を乗せて広島駅を出発。ちなみに、広島駅出発時点では4両つないでいるが、後ろ4両は途中駅の下深川で切り離されるので、三次まで乗り通す場合には前2両に乗車しておく必要がある。

芸備線1808D 普通列車 キハ40 車内

座席の座り心地は悪くないが、窓側は足元が狭い

広島駅を東に向けて出発するとすぐ大きく左にカーブして進路を北に向けたのち、2駅目の戸坂駅から下深川駅までの間は太田川右岸を進む。地図を眺めてみると、この太田川の対岸、左岸側には広島駅を逆方向に向けて出発する可部線が走っていて、一番距離が近いところでは約700mほどしか離れていない。元々の成り立ちが違うことによるものだそうだが、なんとも不思議な感じがする。過去には両線を統合する計画もあったのだとか。

ぼーっと車窓を眺めていると、駅に停車するとしばしば見かけるのが「祝 再開」の文字。間にいろいろあったせいでえらく昔のように感じるがまだ3年前の2018年の夏、山陽地方を襲った豪雨によってこの芸備線も鉄橋の橋脚と橋桁の一部が流出。他にも土砂崩れや路盤流出などの多くの被害を受け、復旧までに一年超の期間を要している。

その後も豪雨には悩まされており、昨年2020年にも豪雨により約1ヶ月ほど不通になるなど、近年では過去にない豪雨の影響を受けている。これまで、中国地方といえばそれほど雨のイメージはなかったのだが…。

芸備線 再開垂れ幕

2018年夏から2019年秋にかけ、1年3ヶ月運転が止まっていた区間もある

広島から50分ほどで狩留家(かるが)駅。北海道や九州ほどではないが、この狩留家駅もなかなかの難読駅。ちなみに、広島地区のICOCA利用エリアはここまで。

芸備線 1808D 普通列車 狩留家駅

この辺りは割と構内踏切が多い

その後、途中の中三田駅では対向の快速列車待ちでしばらく停車。この芸備線、旅客の動きかたに差があるのか、平日と土休日では速達列車の本数に差がある。快速列車の「みよしライナー」は平日2本だが、休日は4本。所要時間が30分近く違うので、できれば利用したかったところだが、朝三次発、夕方広島発と、三次在住者を軸にしたダイヤで今回は機会がなかった。

三次駅が近づいたところで、ICOCAエリア外まで交通系ICカードで乗車した乗客がいたようで、その対応に追われるトラブルがあったものの概ね定刻で乗換えの三次駅に到着。次の列車は5分の乗継ぎで急いで乗換え。乗り遅れでもすれば、この先の行程が崩壊してしまう。

JR芸備線 三次駅 キハ40

快速列車として広島に折り返す

ちなみに、今回利用した広島から三次までの区間を往復する場合、期間限定ではあるものの、片道JR、片道高速バスを利用できる企画乗車券が発売されている。通常運賃を合計すると往復2,870円のところ往復1,500円と割安なので、機会があれば利用してみてはいかがだろうか。三次市の事業だが、広島側での購入も可能。

(公式サイトはこちら)

bihoku.co.jp

というお話。