便名 : やまびこ号52801便
日付 : 2024/11/xx
区間 : 金池ターミナル(06:29)→阿蘇くまもと空港(09:45)
所要時間 : 03:16
乗車クラス : 普通席(座席定員制)
運賃 : 3,600円(事前クレジット決済)
運行 : 大分バス
大分から宮崎に向かう旅程なのだが、ただ日豊本線経由で向かうのも面白みに欠けるということで、大分と熊本とを結ぶ都市間バス「やまびこ」号で阿蘇くまもと空港まで向かい、延岡駅行きの「たかちほ」号に乗換えて向かうことに。
(事業者公式サイトはこちら)
前夜は18時前に大分駅に到着。できれば定宿にしている駅前のJR九州系ホテル「ブラッサム大分」を手配したかったのだが空室がなく、駅近くの東横インに投宿。
(「ブラッサム大分」についてはこちら)
(宿泊先についてはこちら)
そういえば、同店舗の青いネオンサインはところどころ切れてしまっていた。一画単位で点くか消えるかが分かれているが、どういう仕組みになっているんだろうか。
さて、今回乗車するやまびこ号の始発はホテルから徒歩200mもしないところにある「金池(かないけ)ターミナル」。大分バスの操車場の一角にバス停があり、やまびこ号の他には臼杵、佐伯方面に向かう路線バスなどが発着している。
バスは既に車庫の奥に待機していて、出発時刻の2-3分前に乗り場に着車。この路線は座席定員制の自由席で、私を含め数名が始発バス停から乗車した。それほど混雑する路線という認識はなかったが、数日前に乗車を決めた時点で空席は数席程度で、前日には満席になっていたから、予約なしに当日飛び乗りというのは難しいのかもしれない。
車両は三菱ふそうのエアロバスで、2列+2列の横4列、補助席付きだがかなり大柄な座席。いくらか古さも見えるが、一昔前のグレードが高かった時代の九州島内高速バスの名残といった雰囲気がある。
座席には大分名物のかぼすと高崎山の猿、大分バスの社章の模様が入っている。よくよく考えてみると、座席にご当地の模様を入れるというのはバス業界では珍しいかもしれない。会社ごとに独自の表地を使っている訳で、入れようと思えば入れられそうなものだが。
金池ターミナルを出ると周辺のバス乗り場にいくつか停車して乗客を拾い、10分ほどかけて大分駅脇にある要町バス停に到着。ここで大量に乗車があり、8割方の座席が埋まった。
要町を出発すると国道10号線、県道56号線の順で進み、米良バイパス入口、戸次バス停でそれぞれ数人ずつ乗車。ここで通常座席が満席になった。補助席は空きがあったが、飛び込みで乗車する場合は補助席も解放するんだろうか。
間も無くして到着した戸次バス停は「へつぎ」と読むのだとか。かたや氏名では「べっき」と読むこともあるようで、どちらにしても文字の並びの割に難読。
しばらく国道10号線を進んだのち、57号線のバイパス、犬飼インターチェンジから中九州横断道路で竹田インターチェンジを目指す。中九州横断道路は将来的に大分と熊本とを結ぶ予定だが、事業中の区間も多く、都城志布志道路のように、年度内に開通するとかいう状況にはない。
大野インターチェンジで一旦高速道路を外れ、右折を数回繰り返して高架下にあるバス停に立ち寄ったのち、高速道路に戻って現状の終点、竹田インターチェンジまで走った。一般道に戻ると、竹田市内では「竹田温泉花水月」と「玉来」に停車したのち、間も無くして途中休憩地の「道の駅すごう」に到着。ここで少し長めの30分休憩。
所定の休憩時間は朝08:00から08:30までの30分だが、流石に朝が早すぎるので施設は営業開始前。ただし、駐車場の一角にコンビニエンスストア(ローソン)があるので食糧等の調達は可能。
大分バスの運行する高速バス、とりわけ少し古い車両についてはロゴだけのシンプルなデザインの車両が多いイメージ。室内のグレードが高いぶん、真っ白の車体にロゴだけというのが不思議。移籍直後という訳でもなかろうに。
道の駅店舗前のスペースには食べ物や花卉ではなく、薪が束になって並んでいた。バーベキューというと竹炭などのイメージだが、どちらの方がよく燃えるんだろうか。
道の駅すごうを出発して程なくすると、4kmの間に220mの高低差がある滝室坂に差し掛かる。単純平均すると55‰、5.5%の勾配ということになるから、自転車なんかではそれなりにしんどい坂路といった感じ。ちなみに日本最急の坂路は大阪府と奈良県の県境近くにある暗(くらがり)峠で、最急勾配は30%を超える。暗峠ほど急だと上りどころか下りもおっかない。
道路はカルデラの縁をカーブを繰り返しながら下っていくから、天気が良ければカルデラ内を一望できるのだが、あいにくこの日は天候が今ひとつで、見渡す限りどんよりとした曇り空。
バスは金池ターミナルを出発して約2時間30分で阿蘇駅前に到着。ここでバスを乗り継げば草千里方面、大観峰方面(土休日のみ)へ向かうことができるほか、駅前には道の駅併設型の宿泊施設「フェアフィールド•バイ•マリオット」が開設されている。
(阿蘇駅前のマリオットについてはこちら)
バスは国道57号線の現道を少し走ると、阿蘇西インターチェンジから北側復旧ルートに進入。大津インターチェンジまでの約12kmは片側1車線の自動車専用道路を走っていく。
自動車専用道路の道路際にはびっしりと太陽光発電のパネルが並んでいる。こういった姿を見ると毎回思うのだが、果たしてこれは環境に良いのだろうか。
ともあれ、阿蘇駅前を出発して約30分で山を下り、大津駅南口バス停に到着。この先バスは阿蘇くまもと空港へ立ち寄ったのち熊本市街へ向かう。
ところで、この大津(肥後大津)駅から空港までは無料の乗合タクシーが運行されているのだが、近頃は知名度が高くなったからだろうか、乗り場には1台どころか2台でも乗り切れない程度の乗客が連なっていた。熊本市内の交通事情がなかなか悪いから、最も時間が読めるルートというとこれになるのかもしれない。
(「空港ライナー」についてはこちら)
余談ながら、この路線は大分と熊本を結ぶ比較的長距離の路線ではあるが、肥後大津駅から阿蘇くまもと空港までの区間利用も可能。前述の「空港ライナー」を諦めてこちらのバスに乗り込んで来た乗客が数名いた。それゆえ、比較的長距離の路線ではあるが殆ど早着が見込めないのもこの路線の特徴。
この路線は乗降地によって運賃が変わるため、降車時にチケットの呈示が必要になるが、肥後大津駅で降車する乗客が乗車券を紛失したようでしばらく停車し、数分遅れで出発。肥後大津駅から空港までの所要時間は13分しか取られておらず、遅れを取り戻すことはできないまま約10分ほど遅れて09:55頃阿蘇くまもと空港に到着。前述の「空港ライナー」の所要時間が約15分とされているから、割にタイトに組まれているように思われる。
大分駅と熊本駅とを結ぶJRの「九州横断特急」は日に2往復のみ(2024年12月現在)で、運賃こそ割引切符を使えばこの路線より若干安いものの、いかんせん本数が少なく利便性に欠ける。目的地が大分駅、熊本駅そのもので時間の合う場合はJRを、空港や桜町といった駅から離れた目的地の場合にはバスを使うというのが良いかもしれない。
というお話。