便名 : 伊勢志摩ライナー•3911列車
日付 : 2022/12/xx
区間 : 近鉄名古屋(09:25)→伊勢市(10:40)
所要時間 : 01:15
乗車クラス : デラックスカー
運賃 : -(企画乗車券利用)
運行 : 近畿日本鉄道
早朝の新幹線で名古屋に到着し、近鉄に乗換えて伊勢市駅へ向かう。
(ここまでの移動はこちら)
新幹線は名古屋周辺の雪の影響で若干遅れていたが、乗換えに余裕を持たせておいたおかげで当初のスケジュールに間に合った。改札口前の有人窓口で企画乗車券「まわりゃんせ」を購入し、改札を通過。
この「まわりゃんせ」というのは有効期限4日間の企画乗車券で、現地までの往復乗車券と現地の乗り放題乗車券のほか、現地までと現地で使える特急券4回分や沿線観光施設の入場券なんかがセットになっている商品。この観光施設には入園料(パスポート)が5,400円する「志摩スペイン村」や入館料が2,800円の「鳥羽水族館」なんかも含まれているにも関わらず、通常運賃で往復するのに少し追加する程度の金額で販売されている破格のチケット。
(「まわりゃんせ」についてはこちら)
前掲の記事でも少し触れたがこの日は雪が降っていて、新幹線同様に近鉄も若干の遅れで運行中。乗車予定の列車が到着する予定のホームには「伊勢志摩ライナー」車両が到着したが、どうやらこれは乗車する列車ではなく、五十鈴川駅からやって来て折り返し回送になる別の便だったらしい。列車の前頭部下方には雪が積もっている様子が見てとれる。
列車が回送列車として出発すると、即座に次の列車の入線放送が流れ出した。それほどホームの多い駅ではないにもかかわらず、朝9時台前半は大阪や伊勢へ向かう列車がほぼ10分おきに特急列車が出発する上、到着して回送される列車もあって駅はかなり慌ただしい。
次にやってきた車両は先ほど回送されていった車両とは色が違って黄色の車両。当初は全ての編成が黄色だったが、2012年の伊勢神宮式年遷宮のタイミングで「伊勢志摩の太陽と陽射し」を表現した赤色と黄色の2種類に分かれている。なお、内装についてはどちらの色も共通。
今回利用したのは最後尾1号車*1の「デラックス車両」。「レギュラー車両」では座席が2列+2列の横4列配置に対してこちらは2列+1列の横3列で、少し横幅が広めになっている。前後の間隔については1,050mmでレギュラー車両と同様。
今回は前述の特急券付き「まわりゃんせ」を利用しているが、「まわりゃんせ」に付属する特急券では通常の特急料金部分しかカバーしていないため、レギュラーシートとデラックスシートの差分については窓口での購入時に併せて支払った。
列車は乗車した車両以外も含め殆ど満席。ただ、網棚にそれほど荷物が多くないところを見ると、日帰りの観光客が多いという感じなのかもしれない。そう言えば、座席のテーブルは小物置き程度の大きさしかないので、弁当を食べようとすると少し不便だった。
入線が少し遅れた分定刻通りの出発とはならず、10分弱遅れて近鉄名古屋駅を出発。同駅は地下にあり、1-2分ほど走って地上に出ると「只今から喫煙室が使用できます」という放送が流れた。あまり耳慣れない放送なのは、今やJR東日本なんかでは車内で喫煙可能な列車が殆どないせいだろうか。
ちなみにこの「伊勢志摩ライナー」、座席はレギュラーシートとデラックスシートのほか、4名掛けの「サロン席」と2名がけの「ツイン席」というのが設置されている。ヨーロッパの客車をイメージしているそうで、背の高い座席と大きなテーブルが特徴。「サロン席」は3名以上で、「ツイン席」は2名で利用する場合、追加料金なく利用することができる。
以下は別の機会に大阪方面に向かう列車を利用した際の写真だが、基本的には行き先がどこであれ設備は同じ。ただし線路の構造上、名古屋行きと大阪•京都行きでは編成が逆になるため、行き先によって号車番号の振り方を変えているのが特徴。特急列車同士の乗換えの際の移動を極力少なくする、近鉄の特急列車の予約システムの影響だろうか。
この車両には西武鉄道の特急「ラビュー」に負けないくらいに大きな窓が設置されていて、車内はグループ客でかなり賑やか。それゆえ、静かに移動したいという場合は別の車両を選んだ方が快適かもしれない。座席にリクライニング機構はないが、デフォルトの状態である程度角度がついているから、それほど問題はないはず。
窓にかかるカーテンは電動で、スイッチで操作するタイプ。壁面にはコンセントが用意されているので、機器類の充電なんかをすることもできる。
窓が大きいことで網棚が設置されていないが、その代わりに座席と座席の間(ボックスの間)には荷物置き場が設置されている。機内持ち込みサイズのスーツケースくらいまではここに格納することができる。
かつては編成中に売店も開設されていたようだが、現在は休止しているようで車内で何か買い物というのはできなくなっている。この他の設備としては編成両端の運転席直後に展望スペースがあり、大きな窓から前面/後面展望を楽しむことができる。
そんなこんなで、出発から1時間15分ほどで伊勢市駅に到着。列車はここからさらに40分ほど走って終点の賢島(かしこじま)駅まで向かうが、今回はここで下車して伊勢神宮へ向かう。ホーム上にはコインロッカーがあり、ここで荷物を預けて行くこともできる。同駅にはコインロッカー以外に荷物預かりもあるので、荷物をどこにも預けられないということは恐らくないはず。
同駅はJR•近鉄の共用駅になっていて、正面出口へはJR参宮線のホーム経由で向かう。改札前には大きな「赤福」の看板が下がっていて、伊勢に来たことを改めて実感する瞬間。参考までに、伊勢市駅から徒歩圏内にある「外宮」を先に参拝、路線バスなど*2で移動し「内宮」を参拝するというのが一般的な参拝ルート。なお、外宮と内宮の間を結ぶバスの料金についても「まわりゃんせ」に含まれている。
予約の取りづらさを一切無視すれば、1人で乗車する場合には「しまかぜ」、2人以上で乗車する場合には都合に合わせて「伊勢志摩ライナー」のボックス席か、「しまかぜ」の個室という感じで選ぶのがいいかもしれない。
というお話。